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主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~

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第14話『想いを寄せる人物の母親には敵わない…』

前書き

アイリス、デント、ベルがサトシ宅にお邪魔する話です。


後半にて、ヒロインズ、ベルとハナコとの絡みがありますが、お約束の展開ですw












 カスミ、ハルカ、ヒカリ、タケシに引き続き、アイリス、デント、ベルを自宅へと招き入れたサトシ。3人とは初対面のハナコであったが、持ち前の明るさであいさつを交わし、自然と打ち解けていた。ハナコは、また自分の息子を大切に思い理解しあえる仲間が増えたことに、心から喜びを感じていた。そして夕焼けも東の彼方へ向かう頃、サトシ達の今日の夕食はタケシとデントが共同で作ることになった。


ハルカ「タケシに負けず劣らずの料理上手なデント。デント達が経営しているレストランはグルメ雑誌で見たことあるけど、本人の生の料理を食べるのは初めてだわ」


アイリス「ハルカって、グルメ雑誌とか読むんだ…」


ハルカ「えぇ。グルメのことに関してはコンテストの次に抜かりはないわ。あぁ〜、タケシとデントの料理、楽しみかも〜!」


ヒカリ「ハルカ、ちょっと落ち着いて。って、涎垂らしてるし(汗)」


 今のハルカはまさに、獲物を狙う猛獣のようである。世間一般に知られるハルカの異名『ホウエンの舞姫』とはかけ離れた光景だ。そのようなやり取りのさなか、タケシとデントの料理は完成し、サトシ達は料理が並べられているバルコニーへと集まる。そして一同、タケシとデント合作の料理に舌鼓を打つ。


ベル「ん〜! デント君の作った料理もなかなかだけど、タケシ君のも絶品だわ。それに料理上手な2人の合作は最高よ!」


サトシ「ホントだぁ! うめぇ!」


ハルカ「いつかイッシュに行く機会があれば、サンヨウシティのデントのレストランは絶対に行くべきかも!」


 タケシとデント合作の料理は当然のことながら、一同から絶賛の嵐。ハルカに至っては、デント達3兄弟が経営するレストランに行く気になるほどである。


アイリス「うわぁ…。みんなそんなにはしゃがなくても(汗)」


ヒカリ「でも、美味しいのは確かね。タケシの料理は旅をしているときにいつも食べてたけど、デントのもそれに負けないくらいの美味しさだわ」


カスミ「2人とも料理だけでなく、あたし達が知らないようなポケモン関連のことにも詳しいし、なんか2人には今後もいろんな意味で厄介になりそうね」


アイリス「まぁ、確かにそうね」


 タケシとデント合作の料理は、ものの数分でなくなった。サトシ、女性陣はもちろん、ハナコからも太鼓判を押されるほどの高評価であったとのこと。夕食後、サトシ達は仲良く談笑していた。そんな中で、サトシ達は今後の予定について再確認をする。


サトシ「これからみんなはどうするんだ? 俺は『ワールド・チャンピオン・リーグ』に向けて特訓していくつもりだけど…」 


 サトシはどことなく、その場にいる全員に聞いてみる。先ほどまでの話の中で、サトシ、アイリス、ベルの3人は『ワールド・チャンピオン・リーグ』に向けて特訓していく方向性が確認できたが、カスミ、ハルカ、ヒカリに関しては、今後の明確な方向性は明かされていない。


ハルカ「ふふふ、実はね…」


 ハルカはどこからか一枚の紙切れを手にして、サトシ達に差し出す。


サトシ「『4年に1度の世界一の祭典、“ワールド・チャンピオン・フェスティバル“開催!』。へぇ〜、『ワールド・チャンピオン・リーグ』と同時期に開催されるのか」


ヒカリ「えぇ、実は昨日このことでカスミやハルカと話してたの。ハルカとあたしは前から出場する方向性で決まってたけど、カスミはどうなのかなって思って」


ハルカ「ジムリーダーとしての経験からリーグの方に出場するのかと思ったけど、水中ショーで培ったポケモン達のパフォーマンスを世界中に披露したい思いからフェスティバルに出場するって言ってたわ」


タケシ「確かに、水中ショーをほぼ毎日こなしているカスミならコンテストでもいけそうだよな」


 カスミはジムリーダーとしてバトル慣れしている上に、水中ショーで培ったパフォーマンスにも定評がある。『ワールド・チャンピオン・リーグ』、『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』どちらに出場しても期待される好成績は残せそうだが、今回は水中ショーで培ったポケモンを引き出すパフォーマンスがどれ程世界に通用するかを試すために『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』に出場する運びのようだ。


サトシ「それじゃあ、カスミ、ハルカ、ヒカリはライバル同士になるのか。」


ハルカ「そうなるわね。だけど、わたし達は3人でお互いを高めあいながら特訓していくことにするわ。サトシ達との旅でしてきたみたいにね」


カスミ「いくら水中ショーをこなしているからと言っても、実際のコンテストでの経験はゼロ。そんなズブのド素人のあたしが簡単に勝ち上がれるほどコンテストは甘くないってことは承知してる。だから、数々のコンテストを経験しているハルカやヒカリの手を借りながら特訓していくことに決めたの。2人ともごめんね、自分たちの時間があるというのに」


ハルカ「別にいいわよ。そんな水臭いこと言わなくても」


ヒカリ「それに、あたし達もカスミの水中ショーのパフォーマンスには興味があるしね」


ハルカ「わたし達にも活かせるところがあったら、活かそうと思ってるのもあるんだけどね」


カスミ「ふふ、2人ともちゃっかりしてるわね」


タケシ「まぁ、3人とも無理しないようにな」


 サトシ、アイリス、ベルは、ポケモンバトルの世界一の祭典『ワールド・チャンピオン・リーグ』に向けて、カスミ、ハルカ、ヒカリは、ポケモンコンテストの世界一の祭典『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』に向けて自ら及びポケモン達を高めていくことを確認する。サトシ達の目指す方向性が決まったところで、各人次々と入浴を済ませ、就寝の時間を迎える。サトシは自分の部屋、ヒロインズとベルの女性陣はハナコと同じ部屋、タケシとデントはシゲルとオーキド博士のご厚意でシゲルの家に就寝することになった。


ベル「でも、サトシ君が間違えるのも分かる気がする。アイリスちゃんみたいなポケモン、いそうな気がするもの。」


アイリス「ちょっと、ベル! それどういう意味!」


ハルカ「あっ、確かにそれありかも」


カスミ「何タイプのポケモンかしら? やっぱり、ドラゴンタイプ?」


ヒカリ「アイリス、結構野性的だって聞いたからゲットするの難しそう」


アイリス「もう、カスミ、ハルカ、ヒカリまで!」


 寝室では、女性陣がガールズトークを繰り広げている。話題はアイリスがサトシと出会った時の事であるが、ベルが言った一言によって、アイリスがみんなからからかわれている現状である。皆からのからかいにご立腹のアイリスではあるが、出会って間もないカスミ、ハルカ、ヒカリとこのような会話に入れるほど仲良くなれて、心中嬉しく思っている。


アイリス「最初は結構気にしてたんだけど、なぜだかサトシと旅をしているうちにどうでもよくなってきたのよね。」