主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
第36話『ポケヴェール屈指の最強タッグ』
前書き
サトシとアイリス、タッグ結成!? そしてハンナサイドにもある変化が…
今回の話はめまぐるしく展開が変化していくので、いつもより読みづらいことが懸念されます。
アイリス「…ねぇ、サトシ。」
サトシ「ん? なんだ、アイリス?」
先ほどからデントの隣でサトシ達の会話を聞いていたアイリスが、自らの沈黙を破る。
アイリス「あたしと、タッグを組んでみない?」
サトシ「えっ?」
アイリスはサトシに対して、自分とタッグを組まないかと提案してきた。これに対してサトシはというと…
サトシ「アイリスとのタッグか…。でもなんで急に?」
アイリス「あっ、アタシも実践を積まないとみんなにおいて行かれちゃうと思って。それにいつタッグバトルをするような状況に遭遇したときに役に立つでしょ?」
サトシ「アイリスもドラゴンマスターになるために、頑張って行かないとな。俺と一緒にタッグを組もうぜ!」
アイリス「ありがとう、サトシ!(これでサトシとの距離も縮めれば、一石二鳥ね!)」
アイリスには、自分の想い人のサトシとタッグを組むことで親密な関係を築き、少しでもサトシ争奪戦を有利に進めようという思惑もあった。ポケヴェールでサトシファンクラブのことを知って、少しばかり焦りを感じていたのだろう。もちろん、ドラゴンマスターになるための実力を向上していこうという思惑もあるのだが…
サトシ「ハンナさん、アリアさん、というわけですのでタッグバトル形式でお願いします」
ハンナ「分かったわ」
アリア「それでは、タッグバトル形式で行わせていただきます。あっ、それとハンナ様、いつものパートナーであるカトリーナ様が長期留学の為にご不在ですが、どのようにいたしましょうか?」
ハンナ「あっ、そうだった。カトリーナ、今はいないんだったわね。代わりと言ってはなんだけど、エリーサ頼めるかしら?」
エリーサ「えぇ、構わないわよ。親友の頼みとなっては断るわけにもいかないものね。」
タッグの組み合わせも決まり、早速バトルの準備に取り掛かろうとしたその時だった。
???「エリーサ様、ハンナ様、わ、わたくしならい、今戻りました!」
エリーサ・ハンナ「「カトリーナ!」」
エリーサとハンナの名を呼ぶ声が聞こえてきたので、皆一斉にそちらの方へと振り向く。すると、そこにはグレーのロングヘアーでエリーサやハンナには及ばないものの、高貴な雰囲気を醸し出す少女がいた。カトリーナと呼ばれたその少女は、颯爽とサトシ達のもとへと駆け寄る。
エリーサ「ホント、久しぶりね。いつ帰ってきたの?」
カトリーナ「く、空港へは、さ、さっき到着したば、ばかりなんです。よ、予定していたよりもは、早くカリキュラムがお、終わったもので…」
エリーサ「とにかく大体は分かったけれど、少し落ち着きましょうか…」
カトリーナがかなり慌てている様子に、それを心配したエリーサが彼女を落ち着かせようとする。そして、カスミ、ハルカ、ヒカリにしたのと同じ方法でカトリーナを何とか落ち着かせた。
カトリーナ「ふぅ〜、はぁ〜、先程は取り乱してすみませんでした」
ハンナ「ひとまず落ち着いたようで安心したわ。長期の海外留学、ご苦労様」
カトリーナ「ありがとうございます。おかげさまで留学先の風土に馴染めましたし、かねてからの目的であった金融や経済の奥深い知能も身に付けることができました。とても充実した海外留学でした」
アリア「今のカトリーナ様、目的を果たすためにやりきった清々しい顔をしていますわ」
突然やってきたカトリーナは、今まで海外に長期留学をしていたとのこと。さらに彼女の家がフィンランド経済の一端を担う財閥のご令嬢であり、彼女はその跡取りとしてすでに決まっているとか。そのために、海外で経済、経営、金融などの高度な知能を身に付け、研究に勤しんでいたとのこと。尚、留学期間中はポケモン関係の事は一切かかわることなく、留学の目的達成に専念していた。
カトリーナ「長旅で疲れたなんていっていられません。わたくしの大好きなバトルがしたくてウズウズしていたんです」
ハンナ「そうだったの。それならさっきのタッグの話も引き受けてくれるわね?」
カトリーナ「もちろんです! それにわたくし、留学から帰ってきてまずやりたいのはハンナさんとタッグを組んでタッグバトルをするって決めていましたから」
ハンナ「そうだったら、話は早いわね! サトシ君にアイリスさん、タッグのあたしのパートナーが変わるけれど、それでもいいかしら?」
サトシ「大丈夫です」
アイリス「全く問題ありません」
カトリーナが帰ってきたことで、ハンナのタッグのパートナーがハンナからカトリーナに変わる。
デント「ハンナとカトリーナ…。もしかして、今タッグバトルでは右に出る者たちがいないと言われるお二人ですか?」
ふとデントがハンナとカトリーナの評判について思い出し、口に出す。
アリア「恐らく、デント様の思われているとおりです。実際、このお二方は数々のタッグバトル大会にて好成績をおさめており、世界じゅうから期待のコンビと評されております」
デントの一言を受けて、アリアがハンナとカトリーナのタッグバトルの功績について説明する。アリアの話から推測するに、ハンナとカトリーナは学院内でもトップクラス、さらには全国ないしは世界にも通用するレベルにまで達しようとしているとのこと。
サトシ「そんな凄い人たちとタッグバトルが出来るなんて、やっぱりこの学院に来て良かったな」
アイリス「えぇ。アタシ、世界のトップクラスがどんなものかまだよく分からないけれど、アタシ達の実力が試せるいい機会ね」
ハンナ「やるからには全力でいくわ」
カトリーナ「わたくしも、しばらくバトルから離れていた身ですが、最高のパートナーであるハンナさんと組む以上、負けるわけにはいきません」
サトシとアイリス、ハンナとカトリーナ、お互いに闘志を燃やしながらがっちりと握手を交わす。
アリア(カトリーナ様、随分の気合いの入れようですね。もしかしたらあのことも関係しているのかもですね…)
カトリーナが今回タッグバトルを引き受けたのは、久々にバトルがしたかったという願望に加え、別の理由もあるとのことだが、それが明らかになるのはまた次の機会に…
続く
後書き
カトリーナがハンナとのタッグペアを引き受けたもう一つの理由とは…
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河