主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~
第27話『着物と恋』
前書き
久々に書くから、中途半端な感じの争奪戦に…
しかも本人不在という有り様w
エンジュの歌舞練場にて、タマムシジムジムリーダーのエリカに出会ったサトシ達。エリカのサトシに対する想いが鮮明になると同時に、エリカとサトシLOVEズとの間に不穏な空気が漂う。そのような状況にも関わらず、現在サトシの旅に同行する女性陣はエリカとともに別室に移動している。
アイリス「うわぁ、やっぱりノゾミの着物姿似合っているわよ」
ノゾミ「御世辞はよしてよ。普段着慣れていないせいか、ちょっと恥ずかしいんだから///」
ヒカリ「御世辞なんかじゃないわ。ノゾミ、すごく似合っているからダイジョーブ!」
ノゾミ「ヒカリの‘ダイジョーブ’は大丈夫じゃないんだけどなぁ…」
スズナ「まぁまぁ、あたしから見てもノゾっち全然変じゃないわ。もう少し自分の今の姿に自信を持ったらどう?」
ノゾミ「せ、先輩まで(汗)」
引き続きピリピリした雰囲気が続くと思われたが、皆一様に着物姿を楽しんでおり、特段心配するようなことはなさそうである。さらには、ノゾミが自らの着物姿について他の面々から弄られ放題な状況になっており、むしろ明るく親しみのある雰囲気である。
エリカ「わたくしの目から見ても、ノゾミさんの着物姿はとてもお似合いですわよ。普段着慣れていないことへの違和感を覚えていらっしゃることは十分に承知です。ですが、逆にこの違和感を善しとして楽しんでみるのも風流というものですわよ」
ノゾミ「…確かに、この姿は少々恥ずかしいですけれどせっかく来たのだから楽しまなければ駄目ですよね」
ハルカ「その意気かも、ノゾミ」
エリカに諭され、ノゾミも現在の着物姿を楽しむこととなった。普段はボーイッシュな雰囲気漂うノゾミと日本女性のある意味‘美’である着物の組み合わせ、見事なまでの‘ギャップ萌え’である。こんな感じで着物を着用した女性陣であるが、エリカのように‘大和撫子’と呼ぶのには少々語弊がある。まぁ彼女達に、リアルの世界にて絶滅種とされる‘大和撫子’を求めても仕方ないといえば仕方ないか(笑)← オイッ!
ヒカリ「ところで、エリカさん。サトシとはどんな関係なんですか? オーキド研究所を通して連絡を取り合っていることからして、ただのジムリーダーと挑戦者という間柄じゃなさそうですし…」
ここで珍しく(どういう意味よ! by. ヒカリ)勘の鋭さを発揮し、エリカにサトシとの関係について質問するヒカリ。サトシは以前エリカにジムバトルを挑んでいるので面識があるのは当然であるのだが、その後も連絡を取り合っているとのこと。勘ぐられるのも無理もない。
エリカ「サトシさんとは先程も言いましたとおり、オーキド研究所を通して交友しあっております。わたくしからみて、サトシさんはとても魅力のある方でお話しするだけでも楽しい気分になりますわ。とはいえ、連絡を取り合うようになったのは、つい最近のことですけどね」
エリカ曰く、サトシと話しているととても楽しい気分になるとのこと。そして、エリカはサトシを‘魅力ある人物’と太鼓判を押している。
エリカ「サトシさんと出会って間もない頃はそこまでの印象は良くありませんでした。むしろ、悪い方でした…」
カスミ「あっ、確かそんな感じでしたよね。あたしもそれは見ていて分かりました」
エリカ「ですが、ジムの突然の火事でわたくしのクサイハナが取り残された時に身を挺して救ってくださいました。あの時はクサイハナに救えなかったことへ申し訳なく思ったと同時に、サトシさんには感謝の気持ちでいっぱいになりました。自分のポケモンでもないのにもかかわらず、あのように身体を張ってまで助けに行く人は初めてでした」
カスミ「あの時は誰もジムに入れないくらい危険な状況だったけど、エリカさんのキレイハナを火事から守った時のサトシはとてもカッコ良かったわ」
アイリス「サトシは危なっかしいところもあるけれど、こうして誰にでも優しく接してくれるところが魅力的なのよね」
ノゾミ「確かに」
サトシの魅力について、サトシがタマムシジムに挑戦した当時のことを交えながら語るエリカ。エリカの話を聞いて、サトシLOVEな面々は改めてサトシの魅力を再認識した模様である。
エリカ「その様子ですと、あなた方はサトシさんに対して多大なる好意を寄せているようですね」
ヒカリ「えぇ、はい///」
エリカが核心部分を突いたところで、ヒカリをはじめサトシLOVEな面々は皆一様に顔を赤くさせる。いつも思うことだが、実に分かりやすい反応である。
コトネ「てことは、エリカさんも…」
エリカ「はい、恥を忍んで申し上げますが、サトシさんのことを意識していることは間違いありません」
アイリス「あぁ、薄々は気付いていましたが…」
エリカは、惜しげもなくサトシに対する想いを打ち明ける。ただ、今までの面々とは違って、いつもの落ち着いた感じを保ちながらの告白である。そこのところは流石と言えよう。
エリカ「わたくしそしてカスミさんはジムリーダーという肩書きを持っておりますが、サトシさんの場合はあまり関係ありません。サトシさんの人柄を考えれば、彼に対して想いを寄せる人全員に同じようなチャンスはあります。そのことに関しては、いつも一緒に旅をしていらっしゃるあなた達の方がご存知でしょう?」
ヒカリ「確かに、サトシはそういう人ですからね」
ベル「ということは、サトシ君に想いを寄せるコはもっといるかもしれないわ」
ノゾミ「これは負けてられないね」
エリカの熱弁に、サトシ争奪戦への闘志にさらなる火をつけた様子のサトシLOVEな面々。エリカ自身敵に塩を送るつもりは恐らくないのだが、この熱弁が事実上サトシ争奪戦のさらなる火種になったことは間違いない。
マリナ「これはますますサトシの周りが騒がしくなりそうね。サトシ達との旅がより楽しくなるかも」
スズナ「確かに、サトシ君もこれからが大変ね」
サクラ「サトシったら、いつこんなに沢山の女の子からモテる男になったのかしらね」
今までのエリカとサトシLOVEズとの会話を遠目から見ていたマリナ、スズナ、サクラ。何かこれから面白いなりそうだと、サトシ争奪戦を楽しんでいるようだった。
エリカ「マリナさんもそこで眺めている場合ではないのではありませんか?」
マリナ「えっ!?」
突然エリカから話を振られ、キョトン顔のマリナ。そこへ、エリカに続けてさらなる集中攻撃が…
ヒカリ「あっ、そういえばケンタとアカネさんって仲が良さそうだったよね」
コトネ「そうそう、もしかしたらトレーナーとジムリーダーの垣根を越えて恋人ってことになるかもってことね」
アイリス「そうなるわよね。マリナもうかうかしていられないじゃない。だって、マリナはケンタを…」
マリナ「あわわわわわ!? それ以上は駄目ぇ//////」
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~ 作家名:天の河