二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~

INDEX|45ページ/93ページ|

次のページ前のページ
 


第28話『舞妓少女とおっとりお嬢様』

前書き

サクラとエリカによるポケモンバトル!



自然を愛するおっとりお嬢様ジムリーダーに、マイペースな舞妓少女が挑む!






 サクラとエリカとの1対1のポケモンバトルの開催当日。エンジュの歌舞練場付近は朝早くから、観衆でごった返している。テント付きの特設観覧席が多数用意されているのだが、それらに納まりきらない程である。ちなみに、ヒロインズ、ベル、コトネ、マリナ、ノゾミ、スズナ、そして今回のバトルイベントの主役であるサクラとエリカは、控室として設けられた和室にて、談笑している。ただ、サトシ、ケンタ、デントの男性陣三人はその場にいないのだが、その理由はまた後で。


アイリス「うわぁ、たくさんの人が見に来ているわね」


ヒカリ「そりゃあ、地元で根強い人気のある舞妓姉妹とジムリーダーとのポケモンバトルだもの。かなりの注目を集めるわよ」


カスミ「すごいわ、サクラ。ここまで地元から愛されるくらいの人気だなんて」


サクラ「カスミほどじゃないわよ。それにお姉ちゃん達と肩を並べるにはまだまだだわ」


 舞妓姉妹の地元人気はかなり根強いものと認識した舞妓姉妹以外の面々は、皆一様に驚きを見せていた。さらに言えば、サクラは舞妓姉妹期待の末っ子として名を馳せているとか。


サツキ「頑張りなさいよ、サクラ。見に来てくださった皆様の心を躍らせるようなポケモンバトルを期待しているわ」


サクラ「うわぁ、お姉ちゃんすごいプレッシャー掛けてくるわね。でも、私もそのつもりだから楽しみにしていてね」


ノゾミ「その意気だよ、サクラ」


 地元住民からの声援に加え、姉や仲間達の期待にも応えないといけないサクラにとって、いくら地の利があるとはいってもかなりのプレッシャーである。


エリカ「サクラさんは皆様からとても愛されているのですね。羨ましい限りです。今日は最高のバトルイベントを皆様にお見せできるよう、お互いに全力を尽くしましょう」


サクラ「はい!」


 サクラとエリカは、お互いに全力でバトルに臨む姿勢を確認する。これで、今回のバトルイベントの準備は整ったところである。


エリカ「ところで、サトシさんをはじめ殿方のお三方を本日まだお見えになっていないのですが…」


マリナ「そういえば、バトルのことでサトシとケンタが喰いつかないというのは変ね」


ベル「それに、デント君も一体どうしたのだろう?」


サクラ「ん? どうしたの、サツキお姉ちゃん。急にクスクス笑ったりして」


サツキ「ふふふ、今に分かるわよ。多分そろそろじゃないかしら?」


サクラ「?」


 サトシ、ケンタ、デントの姿が見えないのが気になるが、サツキ曰くその理由はすぐに分かるとのこと。サツキの答えに首を傾げるサクラであったが、


サツキ「来たみたいね。さぁ、三人ともいらっしゃい♪」


ヒカリ「!? う、嘘でしょ!?」


サトシ「あ、あははははは…」


マリナ「ケンタまで、なんでそんな恰好に…」


ケンタ「はぁ、なんで俺達がこんなことを…」


アイリス「デントも、なんで?」


ベル「うんうん」


デント「朝起きたら、サツキさんが来て僕達を別の部屋へと移動させたんだ。そして、着替えがこれしか見当たらなかったからって無理やり…」


 サトシ、ケンタ、デントの順に控室へと入ってきたのだが、彼らの姿に多少なりの問題があった。なんと、三人とも花魁の着物を着て顔は白塗り、正しく舞妓はんの姿で現れたのだ。


サクラ「お姉ちゃん、なんでまた…」


サツキ「だって三人とも何となく中世的な顔立ちだし、ちょっと試してみたのよ。思った通りの結果だったわ」


エリカ「サトシさんは以前、わたくしのジムに女の子の服装をしてきたことがありましたが、その当時と変わらずお似合いですわ」


マリナ「女としてはちょっと悔しい気もするけど、意外な一面が見れたようで面白いわ。ねっ、ケンちゃん♪」


ケンタ「やめろぉ、マリナ! その呼び方、別の人を連想するから!」


デント「うぅ、実にミスマッチでバッドなテイストだ…」


 ともあれ、サトシ、ケンタ、デントによる花魁ショー(笑)は、三人とも思いの外似合いすぎているということから、女性陣から高評価だった。ちなみに、ケンちゃんとは白塗りの殿様コントで有名なあの某大物タレントのことである。結局、サトシ、ケンタ、デントの熱望により、普通の格好に戻されることとなった。舞妓姉妹ならびにノゾミ以外の女性陣は名残惜しそうな顔をしていたが…


サツキ「皆様、本日は私達舞妓姉妹期待の末っ子・サクラと、カントーはタマムシシティからお越しいただきました自然を愛するお嬢様ジムリーダー・エリカさんによる1対1のシングルバトルが開催されます。本日は日差しが燦々と照りつける中お越しいただき、誠にありがとうございます」


 サツキから開催の挨拶が丁寧になされ、本日のバトルイベントが幕を開ける。


サツキ「早速ですが、本日熱闘を繰り広げてくださるお二人に登場してもらいましょう」


 サツキに促されるように、バトルステージにゆっくりとサクラとエリカが登場する。観衆からは次々と拍手が沸き起こる。


サクラ「それじゃあ出ておいで! オドシシ!」


ポォォォォォン!


 サクラはこのエンジュシティ近辺の草むらでよく見かけるオドシシを送り出す。


エリカ「ではわたくしのポケモンはこちらです! お願いします、キレイハナ!」


シュッ! ポォォォォォン!


キレイハナ「ハナァ! ハナッ、ハナッ、ハナァ!」


 対するエリカは、キレイハナを送り出す。ボールから飛び出たキレイハナは、華麗なステップを踏みながらの登場である。


サツキ「それでは、バトル開始!」


 審判役のサツキのコールにより、サクラとエリカのバトルの火ぶたが切られる。


エリカ「わたくし達の熱い闘志とともに! キレイハナ、にほんばれ!」


キレイハナ「ハナッ! ハァナァァァァァ!」


 まず、キレイハナの‘にほんばれ’によって、バトルフィールドに照りつける日差しがさらにその強さを増す。ちなみに、観衆にはあらかじめ技による天候の変化があること、それに伴い日傘ならびに雨傘が別途必要になることを伝えている。


エリカ「キレイハナ、ソーラービーム!」


キレイハナ「ハナァ、ハァァァナァァァァァ!」


 最初の一撃は、いきなり重量級の威力を誇る技だ。これは、このバトルを全力で戦うというエリカとキレイハナの意思表示でもある。日差しが強い為、‘ソーラービーム’はパワー吸収の間を取らず即座に発射される。


サクラ「オドシシ、あまごいでソーラービームの威力を弱めるのよ」


 オドシシは瞬時に‘あまごい’を使い、バトルフィールド一帯に雨を降らせる。天候が変化したことで‘ソーラービーム’の威力は弱まり、オドシシに向かっていくスピードも遅くなる。その為オドシシは、‘ソーラービーム’を軽々とかわした。


サクラ「今度はわたし達の番よ! オドシシ、かみなり!」