主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~
そして、思いっきり力を込めて‘10万ボルト’を炸裂させる。バクフーンはたまらず顔をしかめる。その後も、お互いに攻撃を仕掛けてはダメージを与え、一進一退の攻防が続く。
ピカチュウ「ピッ、ピカァ…」
バクフーン「バクゥ、バク…」
サトシ「……」
ケンタ「……」
ピカチュウ、バクフーンともに疲労の色が顔に滲み出ている。恐らく、次の攻防で勝負が決するであろう。
アイリス「は、ハラハラする展開だわ…」
デント「二人とも似たようなバトルスタイルでぶつかり合い、さらに一対一という状況が真剣勝負に拍車をかけている。実にエキサイティングなバトルだよ」
リュウカ「ジョウトに来て早々、こんな真剣勝負を目の当たりにするなんて思いもよりませんでした…」
観戦サイドの面々も、手に汗握るバトルを固唾をのんで見守っている。心の中で湧き上がる興奮を抑えきれないようだ。
サトシ「ここで決めるぞ! ピカチュウ、ボルテッカー!」
ピカチュウ「ピカァ! ピカピカピカピカピカピカァァァァァ!」
ケンタ「俺達も行くぜ! バクフーン、ころがるから最大パワーでかえんぐるま!」
バクフーン「バァク! バクバクバクバクバクバァァァァァ!」
ピカチュウは‘ボルテッカー’、バクフーンは‘ころがる’からの‘かえんぐるま’の連携技で真っ向勝負を仕掛ける。
ドォォォォォン!
ピカチュウ「ピ、ピカァ!」
バクフーン「バクゥ、バァァァァァ!」
サトシ「ピ、ピカチュウ!」
ケンタ「バ、バクフーン!」
二体の攻撃は丁度フィールドの中央でぶつかり合い、爆発する。爆発の衝撃とともに、ピカチュウとバクフーンは吹き飛ばされる。その後、どちらも目を回して倒れていたため、このバトルは引き分けに終わる。
ケンタ「ふぅ、引き分けか…。久々のバトル、勝ちたかったんだけどな…」
サトシ「俺もだ。でも良いバトルだったぜ。サンキュー、ケンタ」
ケンタ「あぁ、こちらこそ」
バトル終了後、お互いに歩み寄って握手を交わすサトシとケンタ。勝負の決着はつかなかったものの、このバトルを通じて友好をさらに深め合った両者。ここワカバタウンからスタートするジョウトでの旅は有意義なものになりそうだ。
続く
後書き
さて、ジョウト編はどういう進み具合に致しましょうか…
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~ 作家名:天の河