主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~
第38話『伝説の親子ポケモン』
前書き
無事にうずまき列島の黄岩島に到着したサトシ御一行。
まず、うずまき列島に潜むあるポケモン親子に会いに行きます。
みっちゃんの借りた大型クルーザーで、アサギシティからうずまき列島・黄岩島へと移動したサトシ達。黄岩島付近の海域にて調査研究を行っている女性ルカと出会い、そこからは彼女と行動を共にすることとなった。尚、みっちゃんはサトシ達を黄岩島まで乗せた後、サトシ達に別れを告げてアサギシティへととんぼ帰り、そしてアーシア島へと帰っていった。
ルカ「みんな遠くからはるばるやってきたわね。少し休んでいって」
サトシ「あっ、はい。しばらくうずまき列島にいるつもりなので、よろしくお願いします」
ルカ「あら、それなら黄岩島で一番有名な温泉宿を紹介してあげる。その温泉宿の女将さんと知り合いなのよ」
マリナ「えっ、でもご迷惑じゃないですか?」
ルカ「いいのいいの。サトシ君とカスミさんの仲間の人達ですもの。この二人やタケシ君には以前助けられたお礼も兼ねてね」
カスミ「いやいや、あたし達は何も」
サトシ「あの時は状況が状況でしたから」
謙遜するサトシとカスミであったが、あのロケット団によるルギア捕獲事件以降ルカは、サトシ、カスミ、タケシに相当な恩義を抱いていたようだ。
ルカ「はっ、また3人だけで盛り上がるところだったわ。私とサトシ君達が遭遇したあのことについてだったよね?」
ルカは、かつて‘銀色の羽根’についてうずまき列島近海を調査していたこと、その過程でサトシ、カスミ、タケシと出会ったこと、そしてサトシ達とともにルギア親子を狙うロケット団に巻き込まれたことを話す。サトシとカスミは当時のことを懐かしむように聞いており、他の面々は黙々とルカの体験談を聞く。
フルーラ「やっぱり、サトシとカスミの言っていたあるポケモンってルギアだったのね。アーシア島のルギアからは他に仲間がいるっていうのは聞いていたけれど」
ルカ「あなた、アーシア島の人だったのね。アーシア島は神様を祭る島、ルギアから話を聞いたってことはフルーラさんは島の巫女さんってとこかしら?」
フルーラ「はい。今は休暇を貰って、ジョウト地方にやって来ました。まさか、島の外でルギアにまつわることに遭遇するなんて思ってもみませんでした」
アイリス「フルーラじゃなくてもびっくりするわよ。ルギアに遭遇するだけでも珍しいのに、それも親子のルギアだなんて」
ルカ「それもそうね。実はサトシ君達と別れた後、オサム君と子ルギアと一緒に写真を撮ったのよ。これがその写真よ」
ヒカリ「うわぁ〜、このルギア可愛い〜」
デント「実にチャーミングなテイストだね」
ルカはある一枚の写真をサトシ達に見せる。そこには、岩場にルカと子ルギア、そして毎日子ルギアの世話をしているオサムという少年が写っていた。サトシとカスミ以外の面々は、ルカに差し出された写真を物見珍しそうに眺めている。
ヒカリ「あたし、オサム君やシルバーに会ってみたいけれど、さすがにこんな大人数じゃ無理よね…」
デント「いくら人懐っこくなったからといって、こんな大勢で押しかけるのはあまり好ましくないテイストだね」
ルカ「さすがに全員で見に行くのはマズイけれど、何人かに分けていくのはどうかしら? オサム君とシルバー次第だけれど」
子ルギアのシルバーは以前よりも人に対する警戒心は薄れており、人懐っこい正確になっている。とはいえ、サトシ達全員が急に押しかけていけば、さすがに警戒される。さらに、サトシとカスミ以外の面々に対してシルバーは初対面であるため、第一印象にも悪影響を及ぼしかねない。それだけは避けたいところである。
ルカ「とりあえず、オサム君に電話してみるわ。みんな少し待っててね」
サトシ「あっ、はい」
ルカはサトシ達がシルバーに会いに行っていいかの許可の連絡を取るために、サトシ達から一旦離れる。少ししてルカが戻ってきて、オサムから許可が得られたとのことなので、サトシ達は数人のグループを作り何回かに分けて、シルバーのいる銀岩島へ行くことになった。現在地の黄岩島から銀岩島まではまた海の上を渡らなければならない。生憎、みっちゃんはアーシア島へ帰還してはいたものの、ルカも負けず劣らずの運転技術を持っている。ルカ操縦のもと、サトシ達は銀岩島まで海の上を移動する。
ルカ「さて、着いたわ。あそこが銀岩島よ」
黄岩島と銀岩島とは目と鼻の先にあるような距離だったため、さほど移動に時間はかからなかった。銀岩島に到着すると、サトシ達は船から降りて島への上陸を果たす。そして只今、シルバーとオサムがいるであろう島の中心地から少し離れた岩場まで歩いて移動している。
ヒカリ「ねぇ、サトシ。シルバーはあたし達のこと歓迎してくれるかしら?」
サトシ「大丈夫だって。俺達だって、シルバーと初めて会ったころは警戒されていたんだぜ。あの時はいろいろあったけれど、最終的にはシルバーも俺達のこと認めてくれたんだ」
フルーラ「巫女としての経験が役に立つが分からないけれど、シルバーと仲良くなれたらいいわ」
まず最初に銀岩島に上陸したのは、サトシ、ヒカリ、フルーラ、ルカ、ケンタ、マリナの三人である。岩場までの移動中、ヒカリとフルーラがサトシを挟んで歩いている状況である。一見何気ない会話のように聞こえるのだが…
ルカ「(ボソッ)ねぇ。あの三人、何かあった?」
マリナ「え、えぇ、まぁ…」
ケンタ「なんというか、アハハ…」
ルカはサトシ達から漂うピリピリした雰囲気を感じマリナとケンタに尋ねるが、ルカへの返答に困ったマリナとケンタは苦笑いを浮かべるしかできなかった。シルバーと出会う期待感に想いを馳せる一方、サトシ争奪戦は未だ健在であった。
続く
後書き
次回、子ルギア・シルバーと再会!
その時、サトシ達の反応は…
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~ 作家名:天の河