主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~
第54話『状況整理』
前書き
先程までいた洞窟が突然爆発!
爆発が起きる前にサトシ達は脱出して難を逃れたのだが…
サトシ達が立ち去ってから数分後、気絶していた男達が意識を取り戻す。
男A「クッ。酷い目に遭った」
男B「訳も分からず気絶させられるわ被験者には逃げられるわで、我々の計画が台無しだ。このことが本部に知れたら…」
男A「マズイ。なんとか今回の失態はもみ消し、本部への言い訳を考えねば…」
男C「やべぇ。俺達、殺されちまう!」
男達は焦っていた。サトシ達の登場でプロジェクトが失敗に終わり、本部に知られぬよう失態のもみ消しに躍起になっていた。ちなみに男たちのいる場所は停電であるが、何故か近くにあったいくつかのランプに火を灯し、視界を確保している。
男B「ところでお前はこの期に及んで、自分の●●●触ってんのかよ」
男C「違うんだ。さっきサンドに岩石封じやられて当たっちまったんだよ。あぁぁぁぁ、痛てぇぇぇぇぇ」
男B「あぁ、なんかすまん…」
男A「何か凄いことになっているな。とりあえず、外に出たらすぐ病院に行け」
男の一人は先ほどサンドの‘岩石封じ’のダメージが残っており、余程痛いのか片手で自らの股間を押さえている。男の股間からは赤色やら黄色やら体液のようなものが滲み出ており、ある意味悲惨の状態であった。残りの二人はその男を哀れみを含んだ同情の眼差しで見るほかなかった。
カチカチカチ…
男A「さっきから、変な音がするんだが気のせいか」
男B「確かここには緊急用の自爆スイッチがありませんでした?」
男A「確かにあるが、あれは非常出入口の三色のスイッチを順番通りに三つ押さない限り作動しない」
男B「そうですか」
この研究施設には、万が一のことを考えて自爆装置が設置されている。その自爆装置のスイッチは非常出入口付近にある三色のスイッチをある一定の順序で押すと作動する仕組みになっている。そう、非常出入口の三色のスイッチである。
カチカチカチカチカチ
カチカチカチカチ
カチカチカチ
カチカチ
…カチッ!
ドォォォォォォォォォォン!
男達「「「!?」」」
現在男達がいる場所で突然爆発が起きる。男達は声を出す間もなく、爆風とともに空の彼方へと飛ばされてしまった。普通このような状況なら生き埋めになり死んでしまうのだが、ギャグ補正のため某二人組と一匹の「やな感じ〜」のように空の彼方へと飛んで行ってもらったわけである。
サトシ「……」
ケンタ「……」
???「あなた達、大丈夫?」
ヒカリ「あっ、ジュンサーさん」
煙が立ち込める洞窟を眺めるサトシ達のもとへ、ジュンサーが現れる。
マリナ「これは一体どういうことなのですか?」
ジュンサー「詳しいことはまだ。ここは危ないからポケモンセンターの方へ避難してください」
サトシ「はい。あっ、それとロケット団は…」
ジュンサー「それなら心配ないわ。島内に残っていたロケット団員は全員逮捕しました」
ケンタ「そうですか」
ジュンサー「だから、安心してポケモンセンターにお帰りなさい。それにあなた達のことはお友達の子達が探しているわ」
ヒカリ「あ、はい、ありがとうございます」
ジュンサーにポケモンセンターに戻るよう促されるサトシ達。煙立ち込める洞窟を背にしつつ、仲間達の待っているポケモンセンターへと帰っていくのであった。
ピッ!
ジュンサー「…こちら、黄岩島内にて不審な洞窟を発見。たった今、爆発があった模様。至急応援願います」
ピッ!
ジュンサー「それにしても、何だか胸騒ぎがするわ。世界大会に影響がなければいいのだけれど…」
無線連絡を終えた後、煙立ち込める洞窟を眺めながらバトルとコンテストの世界大会の安全を案じるジュンサー。彼女の言葉なくとも、今回の一件は今後に不安を残す結末であった。一方、ポケモンセンターへと向かっているサトシ達。
サトシ(そういえばヒカリのペンダントの写真に写っているヒカリのパパ、俺見覚えがあるような気がするんだよなぁ。ヒカリはコンテストで世界的に有名な人だって言っていたけれど、もっと身近な存在っていうか何というか…)
サトシはふと、ヒカリのペンダントの写真に写っているヒカリの父親について考えていた。サトシはヒカリパパについて見覚えがありさらに身近な存在であるということを示唆しているが、今のところその真相はサトシ自身も分からない。
サトシ(まっ、俺の気のせいだよな。俺とヒカリが初めて出会った時期を考えれば、俺がヒカリのパパを知っているなんておかしな話だよな)
そんなことを考えているうちに、サトシ達はポケモンセンターへと到着した。ポケモンセンターの玄関先では、フルーラとカノンそして何故か人間の姿から元の姿に戻っているラティアスが出迎えてくれた。サトシ達はどうにか困難をくぐりぬけて安息の地へと戻ってきたのだが、実はフルーラとカノンも同じ時間帯にまたサトシ達とは違った困難を潜り抜けたのだ。その話はまた次回にて。
続く
後書き
いろんな意味での、状況整理でした。
どんな意味合いなのかは、御想像にお任せします。
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~ 作家名:天の河