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ぐらにる たまご3

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「元々、刹那はアリーが弟子にしてたんだ。でも、刹那は単独で動くほうが得意でさ。俺が預かって、こっちのノウハウを教えたから、どっちにとっても弟子なんだよ。今までは、かなり手加減してアリーも刹那たちのミッションには手を出さないでいてくれたわけ。」
「よく言う。俺から、ちびを奪ったんじゃねぇーか。」
「違うだろ? そういうふうに見せかけて俺に預けただろ。うちのシステムのほうが刹那に合うって言ったのは、あんた。」
「そうだったね。アリーって、言動が酷いけど、おかんだから刹那の将来とか真剣に考えてたものね。くくくく・・・・しばらく寂しくて酒びたりしたくせに。素直じゃないなあ、アリー? 」
「大将、やめてくれ。まあ、立派に育ってくれて満足だ。」
「なんだ、みんな、刹那の知り合いなのか。」
「いいや、僕は別。ニールがフリー辞めてからの話だから、僕は情報を拾っただけだ。刹那は、僕のことを鬼だと思ってるだろうね。ははははは。」
「鬼とは思ってないけど、ライバルっていうか敵だろうな。リボンズが余計な茶々ばかり入れるからだ。あれも構ってるだけだって、いつか気付くのかなあ。」
「気付かせないでよ、ニール? 僕は、この関係を楽しんでいるんだからさ。」
「そうだ。敵とかライバルは複数あるほうが力量も上がる。余計なことは言うんじゃねぇーぞ、ニール。」
「アリーも、僕と同じ立場を選ぶんだね。まあ、そのほうが面白いか。・・・アリー、果物。適当に。」
 リボンズがリクエストすると、果物盛り合わせが用意される。というか他の二名の分も用意されるので、至れり尽くせりだ。はい、と、亭主の口に、ドラゴンフルーツを齧らせてニールは微笑んでいる。
「三人は仲が良いんだな。」
「オフだけだよ、グラハムさん。仕事となると、ほんと、容赦しない人たちだからね。」
「大将もだろ? 仕事となれば馴れ合いはしねぇーよ。あんま一緒になることはないんだが。」
「グラハムのとこと、かち合う時ぐらいじゃないか? 三つ巴は難しいな。・・・・ああ、アリー。ロックオンのほうは・・・」
「わかってる。心配するな。あっちの嬢ちゃんとは、かち合わないように調整してる。おまえとは鉄板でやるけどな。」
「いいなあ。鉄板でやろうぜ。でも、俺、しばらくは待機だ。」
「当たり前だ。ちっとは亭主孝行しやがれ。帰ったら、専業主夫でもやらなきゃ、グラハムの立つ瀬がねぇーだろ? おまえ、自費だぞ? いくらかかってんのか、わかってるのか? とんでもない女房バカだぞ? ブースターつけて大気圏航路ってよ。」
「わかってるよ。帰りは適当に立ち寄りながら、スサノオで帰るから。」
「おう、サービスしとけ。」
 三人の会話は強烈だが、とても親しいらしい。それを眺めていたら、ニールがグラハムのほうを向いた。
「アリーにも説明はしてあるんだ。こいつは最初から知ってて警告してくれてたよ。本気だから、振るなりくっつくなり、はっきりしてやれってさ。」
「え? 」
「俺、そういうの疎いからさ。言われて、ようやく気付いたんだ。長いこと、ごめんな? グラハム。」
 なるほど、と、グラハムも合点がいった。ニールは口説いても、どこ吹く風だったし猫のように威嚇までしていたが、ある時から態度が変わった。つまり、あの時に忠告は受けていたわけだ。
「それは・・・感謝する、アリー・アルサーシェス。」
「野暮は言いッこなしだ。こいつに、アプローチなんて無駄だぜ、グラハム。とんとわかっちゃいねぇんだからさ。大将も、散々にやったのにスルーしてやがったからな。」
「僕の時は警告しなかったじゃないか。」
「あんたじゃ、このじゃじゃ馬なお嬢ちゃんには付き合いきれなくなるのが、わかってた。だからだよ。」
 リボンズとニールでは価値観やら考え方やらが違い過ぎて、どこかで破綻するのは目に見えていた。だから、アリーもスルーしたのだが、グラハムは、そこを乗り越えられると感じて、ニールに忠告したのだ。
「アリー、なぜ、私の姫を、『お嬢ちゃん』と呼ぶのだ? 」
「こいつが小さい頃は美少女みたいだったからだ。あのままだったら、可愛かったのに・・・でかくなりすぎた。」
「うるせぇー。」
「小さい頃だと? その頃からの知り合いか? 」
「いや、こいつとは直には会ってないんだが・・・こいつの親が親バカで、毎度腐れ、写真を見せられてたのさ。なんで、あれが、こうなるかねぇ。」
「十代前半までだろ。そこからは、身長も伸びたし体格だって。」
「だからだよ。」
「アリー、その写真はないのか? 」
「ない。見せられてたし送られてきたのは、見たら消してた。写真なら、こいつが持ってるはずだ。」
 もちろん、ニールはメモリアルという名称のデータを持っている。両親が、せっせと撮ったデータを独立する時に持たされた。姫、と、真剣な顔で亭主が見せろ、と、無言で睨むので、誤魔化し笑いでオレンジをグラハムの口に投げ込んだ。
「そのうち、見せてやるよ。今は持ってない。」
「そのデータなら、ライルも持ってるから見せてもらえばいいよ、グラハムさん。この人たち、お互いのデータも所有してるんだ。」
「そうか、その手があったか・・・すぐに、二の姫に連絡しなければ。」
「いやいやいや、グラハム? 家にあるってば。」
「姫は、そう言っても見せてはくれないだろ。いや、直接、お母上に連絡すればいいのか。そうだ、そうすれば、無問題だ。・・・想像するだけで至福の時が得られる。おそらくは天使のように美しく麗しい姿だろう。」
 ちょっと想像して頬が緩みまくる亭主に、ニールは呆れる。どんだけおかしいんだろ? 俺の亭主、と、内心でツッコミだ。
「可愛かったのは正解だが、中身は、ただの悪ガキだったぜ? こいつの父親が、いつも嘆いてたからな。」
「父さん、そんなこと言ってたのか? アリー。」
「ああ、あんなに可愛いのに、やることはガキだって。いや、元気があって喜ばしいとも言ってたけどな。・・・大将、こっちも食わないか? 香辛料がよく効いてる。」
「ああ、これはいいね。・・・そうだ、アリー。しばらく休暇なら、僕の食生活を管理してくれないかい? なんだか忙しくて、サプリメントばっかりになっててね。」
「十日くらいなら雇われてやる。メイドか? 」
「シェフとメイドと込みで頼むよ。ここでサボった分、帰ったらデスクワークになる予定だ。」
 食事のサポートだけならメイドだが、食事も作るということでシェフも頼む。どうせ引き篭もりになるのなら、食事ぐらいは充実したものがいい、と、リボンズも考えた。なんせ、おかーさんなので、そこいらのバランスなんかも完璧なのだ。
「わかった。今夜、帰るのか? 大将。」
「いや、今夜は、ゆっくりして明日の朝に帰る。きみは、どうする? MSのままで動くのかい? 僕はジェットだけど。」
「じゃあ、MSは引取りに来させて、同行させてもらうか。どうせ、ファーストクラスだろ? 」
「ああ、狭いシートなんて、ごめんだね。ちょっと試したい機内食があったから、そこのチケットの手配をしてる。明日八○○でいいかい? 」
「了解だ。・・・・グラハムは、ここに滞在か? 」
作品名:ぐらにる たまご3 作家名:篠義