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機動戦士ガンダムRSD 第8話 ジャンクション

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 サンディエゴ基地の食堂では、アスラン少将が報告書をまとめていた。
「アスラン」
 そこにキラ大佐がやってきた。
「おはよう」
 アスランがあいさつした。
「昨日は、ごめん。
あの後もずっと訓練所で・・・・今日も朝からずっと訓練があるからゆっくり話もできないけど」
 キラは、申し訳なさそうに言っていた。
2人は、それぞれ隊を持つことが許され部下の育成に励んでいた。
報告書の製作にたけていたアスラン少将は、キラ大佐の分の報告書を書いていた。
そのためキラ大佐が部下の育成を担当していた。
「いいよ、解ってる。
気にするな。
それよりどうなんだ。
オーブ政府の状況は」
 アスランは、キラの気持ちが痛いほどわかっていたので言い訳はしなくていいと言った。
それよりオーブの状況が知りたかった。
しかしキラは、暗い表情をするだけで何も答えなかった。
「そうか」
 アスランは、それで全てを悟った。
「地球軍上層部は、エクステンデッドを集中配備したファントムペインを使えば今度こそコロニー軍に勝てると信じてる。
でも実際戦った人間から言わせればまだ不十分だ。
それほどにサオトメは、強い。
なのに地球軍上層部もオーブの首長達は、ファントムペインの力を過信して再戦しようと考えている。
それだけでは、不十分だ」
 キラは、ファントムペインの力だけではコロニー軍には勝てないと直感していた。
アスランは、黙っていたがキラと同じ考えだった。

              ※

 ヨウラン、メイリン、ヴィーノとマユは上陸許可が出たので街に行こうとしていた。
「どこ行きたい?」
 ヨウランが質問した。
「そうね」
 メイリンが考えていた。
「俺、腹減った」
 ヴィーノが空腹だと言った。
その光景をブリッジからタリア艦長とアーサー副艦長が見ていた。

              ※

 ルナマリア少尉は、シン中尉の部屋をノックした。
「シン?
居ないの?
シン」
 何度呼びかけても返事がないためルナマリア少尉は、その場を去った。

              ※

 シン中尉は、屋内の射撃訓練所で射撃訓練をしていた。

              ※

「俺は、ワシントンに行ってくる」
 アスランの突然の告白にキラは、驚いた。
「隊の熟成が大詰めの時にすまないが俺も1人ここでのうのうとしているわけにはいかない」
 アスランが自分の心境を言いながら立ち上がりキラに近寄った
「だけどどうして?」
 キラは、そういう心境に至った理由が知りたかった。
「ファントムペインが気になる」
 アスランが理由を言った。
しかしキラには、いまいち分からなかった。
「ロアノーク隊長なら全滅という最悪の結果には、ならないと思うが。
だがサオトメやそれ以上の敵と互角に戦える部隊なのかと言われると少々疑問だ。
デュランダル大統領と俺でも何か手伝えることがないかと話してみる」
 アスランが自分の意志を語った。
キラは、もう何を言っても無駄だと思い半分不安だったが見送ることにした。
「このままナチュラルに地球を食いつぶされては、俺たちが一体何のために産まれてきたのかわからなくなってしまう」
 アスランは、自分が抱く危機を言った。

               ※

 シン中尉は、上級訓練をしていた。
弾は、見事的の頭部のど真ん中を撃ちぬき続けていた。
そこにレイ少尉が入室した。
レイ少尉は、射撃訓練にいそしんでいるシン中尉を少し見るとシン中尉の後ろを通り過ぎた。
シン中尉は、消音用のヘッドホンを取るとレイ少尉が近くにいることに気付いた。
「上陸したかったんじゃないのか?
出たろ?
許可」
 レイ少尉は、そう聞くと自分も射撃訓練を始めた。
シン中尉は、何も答えなかった。

               ※

 サンディエゴ基地には、アスラン少将の要請で対MM戦闘ヘリコプターが到着した。

               ※

 ドゴス・ギアの食堂では、シグマン少佐が食事をしていた。
「隊長」
 そこにサウス大尉がやってきた。
「どうした?」
 シグマン少佐が返事をした。
ちょうどシグマン少佐は、食べ終えていた。
「マーネリー軍曹が呼んでますよ」
 マーネリー軍曹が呼んでいるとサウス大尉が教えた。
「マーネリー軍曹が?
何だろう?」
 シグマン少佐は、怪訝そうな顔をした。
「何かそわそわした感じでしたよ。
早く行かれては、どうです」
 サウス大尉が催促した。
「ちょっと行ってくる」
 百聞は、一見にしかず。
行くに限る。
シグマン少佐は、立ち上がった。
「行ってらっしゃい」
 サウス大尉がシグマン少佐を見送った。
「どうした、ハイマン軍曹」
 シグマン少佐は、マーネリー軍曹に会うとそういった。
「あ、はい」
 マーネリー軍曹は、なんだか照れくさそうで歯切れが悪かった。
シグマン少佐は、怪訝な声を出した。
「隊長の出身のコロニーって年間を通して寒いんですよね?」
 マーネリー軍曹は、突然そんなことを言った。
「確かに寒いな」
 シグマン少佐の出身コロニーは、北欧系のコロニーのため気温も寒冷に設定されている。
そのため寒い。
「手とかかじかんじゃったりして」
 マーネリー軍曹は、意味深なことを言った。
「そうだな」
 しかしシグマン少佐は、気付かなかった。
「寒いですよね?」
 マーネリー軍曹は、確認するように聞いてきた。
「何なんだ、いったい」
 さすがにシグマン少佐も不審に思った。
「はい、これ」
 マーネリー軍曹は、そういって手編みの手袋をシグマン少佐に差し上げた。
(手袋?
まさか手編みの?)
 シグマン少佐は、驚きとうれしさを同時に感じていた。
「くれるのか?」
 シグマン少佐は、うれしさからの興奮で震えながら聞いた。
「はい、つけてみてください」
 マーネリー軍曹が早速つけてみるように言った。
シグマン少佐は、早速手袋を手につけてみた。
大きさは、ぴったりだった。

                 ※

 アスラン少将を乗せた対MM戦闘ヘリコプターは、ワシントンに向け飛び立った。

                 ※

 夕方シン中尉は、1人上陸し合同慰霊碑の近くにやってきた。
そしてガンダムサイガーの攻撃でマユと共に吹き飛ばされてからの記憶を思い出していた。
シンは、無意識に泣き出していた。
シンは、何とか泣くのをこらえ慰霊碑の方を見た。
するとそこには、1人の男性がいた。
男性は、ゆっくり振り向いた。
「慰霊ですか?」
 シンが男性に質問した。
「そうだな。
私は、軍人でこの慰霊碑に刻まれた名前の民を護る義務があった。
しかしそれが果たせなかった。
その戒めも含めてよくここに来る」
 男性は、自分の正体を言いよくここに来ることを言った。
「そろそろ枯れてしまう花もあるな」
 慰霊碑に供えられている花の中には、そろそろ枯れてしまう花もあった。
そこにマユが新しい花を持って近づいてきていた。
「誤魔化せないって事かも」
 シンは、自然とそんなことを言った。
男性は、少々驚いた声を上げた。
「いくら綺麗に花が咲いてもそれを吹き飛ばす野蛮人がいる」