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主人公総受け物語~時オカ編~

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Episode2 ハイラルに降りかかる新たな脅威



第13話『勇者と妖精と時々ロンロン牧場』

前書き

リンクを‘妖精クン’と呼ぶ牧場の一人娘が初登場! ゲーム本編よりも、逞しくなった仕様でございますw


それと、これからハイラルを巡るリンク達でありますが、ナビィ探しの他に森の神殿での異変の原因を解明する目的も兼ねています。





 チャットとトレイルが仲間に加わったその翌日、リンクはロンロン牧場とハイラル城へと向かうことになっている。


チャット「おはよう、リンク。今日からね」


リンク「うん! 改めてだけど、今日からよろしく! チャットにトレイル」


トレイル「はい!」


 リンクは寝床から起きると、チャットとトレイルに挨拶をする。そして、一日のエネルギー補給のための朝食を食べてしぼり立てのロンロン牛乳を一杯飲んだ後、自宅を出てコキリの森を後にする。そして、リンク達はハイラル全土を巡るための分岐点ともいえるハイラル平原へと出ていく。


リンク「このハイラル平原はハイラルじゅうを行き来するときは、必ず通る場所なんだ。俺はオカリナのワープが使えるけれど、この平原をエポナで駆け巡るほうが好きだなぁ」


チャット「そういえば、エポナにもしばらく会っていないわね」


トレイル「エポナともタルミナでいろいろありましたしね。是非またお会いしたいものです」


リンク「言われなくとも、チャットとトレイルに会わせるつもりだよ。エポナも会いたがっていたしさ」


 リンクはエポナを呼ぶために、オカリナを構えて『エポナの歌』を奏でる。しばらくして、平原を颯爽と一頭の仔馬がやってきた。リンクの愛馬、エポナである。


チャット「久しぶりね、エポナ」


トレイル「また、よろしくお願いします」


 チャットとトレイルがエポナとの再会を祝して挨拶を交わすと、エポナは嬉しさを表現するかのごとくリンク達の周りを走る。その後リンクはエポナに乗馬し、ハイラル平原中央に位置するロンロン牧場へと向かっていった。牧場前に到着すると入口の坂を上り、敷地内へと入っていく。


マロン「あっ、久しぶり! 妖精君」


リンク「やぁ、マロン」


 坂を登り終えると、丁度マロンが牛小屋から出てきたところだった。


リンク「この間はありがとう。毎朝美味しい牛乳が飲めて、とても嬉しいよ」


マロン「妖精君、ウチの牛乳大好きだものね。だったらいっそのこと、牛一頭プレゼントしちゃおうかなって思ってね。とーさんも妖精君だったら良いって言ってくれたわ。牧場の仕事もたまに手伝ってくれるし、これは私達からの御礼ととらえてもらって結構よ」


 乳牛のプレゼントに関してリンクがお礼を言うと、マロンは笑顔でそれを受け取る。マロンがリンクに乳牛一頭をプレゼントしたのは、以前より牧場の仕事を手伝っていたリンクに対するお礼も兼ねてということからだそうだ。


マロン「ところで、妖精君の上を飛んでいる二匹の妖精は何?」


リンク「あぁ、チャットとトレイルっていうんだ。白い妖精がチャット、黒い妖精がトレイルだよ」


チャット「初めまして、アタシはチャット。これからよろしく」


トレイル「僕はトレイルです。チャット姉ちゃんの弟です」


 リンクからマロンに紹介されたチャットとトレイルは、マロンにそれぞれの自己紹介をする。その後、マロンにチャットとトレイルがタルミナから来た妖精であること、そしてリンクがタルミナでチャットと行動を共にしていたことなどを話す。


マロン「へぇ〜、タルミナって不思議なところなんだね。話を聞くに、ハイラルとよく似たところもあれば、ハイラルとは違ったところもあるなんて。それに私そっくりの人がいるなんてのもびっくりだわぁ」


チャット「アタシもマロンさんの顔を見た時は少しびっくりしたわ。同じ顔の人って世の中にいるものね…」


 タルミナの話を聞いて、特にマロンは自分と同じ顔の人物がいるということに驚きを見せていた。ちなみに、マロンと同じ顔の人物とはロマニー牧場のクリミアとロマニーのことである。ただ、この姉妹がちょっとね…←詳しくはムジュラをやってみると良い。そうすれば分かる。 by.天の河


マロン「あっ、来てくれたところで申し訳ないんだけれど、今日もお城まで牛乳運びを手伝ってくれないかしら? 今日はとーさんとインゴーさんが事情で牧場を明けられないから、人手がいなくて困っていたのよ」


リンク「それならお安い御用さ。俺達も城に行く予定だったしさ」


マロン「お城に用事って、何かあったの?」


リンク「そのことに関しては、牛乳運んでいる時に追々話すから」


 牧場に来て早々、リンクはマロンにハイラル城まで牛乳の運搬作業を手伝うよう頼まれる。リンク達も城に行く予定だったので、それを快く承諾する。かなりの数の牛乳瓶を運搬用の馬車に乗せた後、マロンを加えた面々はハイラル城に向けて出発した。


マロン「妖精君の森でそんなことがあったんだ。大変だったね」


リンク「まぁ、こういうことにはもう慣れっこだから大丈夫だよ。ゼルダの方でも、その後何か変化がなかったか確認しておこうと思って城に行くんだ。後、チャットとトレイルのことも話しておかないとね」


マロン「ふふふ、でもこうして妖精君と一緒に何かをするの久しぶりね」


リンク「そういえばそうだったっけ? ゴメンね、しばらく来れなかったから…」


マロン「ううん。妖精君には妖精君の事情ってものがあるから気にしていないよ。それよりも今こうして妖精君とお話しできることが嬉しいから///」


リンク「(ん? 急にどうしたのかな?)あっ、俺もマロンと話が出来てうれしいよ」


 マロンが引く馬車に揺られながら、仲睦まじく会話をするリンクとマロン。マロンが少々顔を赤くさせるということが起きたが、リンクには何故マロンが顔を赤くさせているのかは分からない。


チャット(ひょっとして、このマロンってコも? ふふふ、今まで気づかなかったけれどリンクも罪作りな面白い男ね♪)


トレイル(ね、姉さん…)


 二人の様子を眺めていたチャットは、いち早くマロンのリンクに対する想いに気づく。ここハイラルに来て二人ものリンクに想いを寄せる人物(さらにこの後もう一人加わるのだが…)に出会って、少々面白い展開になることを想像している。そんな雰囲気を漂わせるチャットに、弟のトレイルはただ乾いた笑みを浮かべていた。


パタパタパタ…


リンク「! 来たか」


マロン「ピーハット、毎回嫌になっちゃうわ」


 馬車でゆっくり進むリンク達のところへ、ピーハットと呼ばれるモンスターとその周りに幼生ピーハットが上空から飛んできた。


マロン「妖精君、私にもピーハット退治手伝わせてもらえないかしら?」


リンク「えっ? 武器は?」


マロン「大丈夫、この間インゴーさんが城下町で買ってきたの。最近やたらと物騒だからって私にくれたの。牧場の隅で練習して、妖精君ほどじゃないけど腕は上達したわ」