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主人公総受け物語~時オカ編~

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第14話『時の勇者と牧場の一人娘と時々ハイラルの姫君』

前書き

ハイラル城下町を抜けて、ハイラル城へと侵入…もとい入城するリンク御一行。さて、彼らはどのようにして迎え入れられるのであろうか…



今回の話よりハイラル国王が登場しますが、『風タク』のハイラル国王とは全く違った人物設定ですので悪しからず…






チャット「ここがハイラルの城下町…。クロックタウンと同じくらい賑やかな街ね」


マロン「いつものように、バーゲンセールも大盛況ね。あっ、奪い合っていた服が破れてる」


 リンク御一行は現在、ハイラルの城下町にいる。文字通りハイラル城下にある町なのだが、町民の住居はもちろんのことながら、なんでも屋やクスリ屋といった商店が立ち並んでおり、恐らくハイラル王国一の人口を誇る。


リンク「チャットとトレイルに街中を案内したいところだけど、さっさと用事を済ませよう」


マロン「そうだね、妖精君」


 リンク達はハイラル城下町をゆっくり回ることなく、直ちに馬車でハイラル城へと向かう。


門番「おや? ロンロン牧場の娘さんに、リンク殿。今日はいかがなされましたかな?」


マロン「私はいつも通りに、牛乳運びです。それで、よ…リンクはとーさんとインゴーさんの都合が悪くて代わりに手伝ってもらっているのと…」


リンク「ゼ…姫にお伝えしたいことがあってここまで来たんです」


門番「そうでしたか? すぐにお通しいたそう」


 マロン、リンクが用件を伝えると、門番は快く門を開けてリンク達を城の敷地内へと通してくれた。尚、マロンはリンクを‘妖精君’と言いそうに、リンクはゼルダを呼び捨てで言いそうになったが、建前を考えて門番の前では何とか訂正した。


リンク「…あっ」


チャット「ん? 急にどうしたのよ、リンク?」


リンク「いや、なんでもない」


マロン・チャット・トレイル「「「?」」」


 リンクが突然何かを気づいたような反応を示したため、他の面々は一斉にリンクの方に顔を向ける。


リンク(そうだった。今はマロンたちと一緒に馬車に乗っているんだった。いつものように、裏口に行くところだった…)


 どうやら、いつもの癖でリンクは水が流れている裏口から城内へ入ろうとしていたようだ。ちなみに、リンクはゼルダから城の正面玄関より城内へ入ることを許されているが、なぜかリンクは敢えて裏口から城内に入って兵士たちの目を掻い潜りながら、ゼルダのいる中庭へと度々訪れている。そんなこともありながら、正面玄関前でリンク達は馬車から降りて、城内へと入っていく。ちなみに、馬車で運んだロンロン牛乳はハイラルの兵士たちが手分けして城内へ運んでいった。


ゼルダ「お二方とも、よくおいでなされました。あら? リンクの上を飛んでいるのは妖精ですか?」


リンク「そうだよ。俺がタルミナに行っている間に出会った妖精だよ。白いのがチャット、黒いのがトレイル」


チャット「はじめまして、ゼルダ姫様」


トレイル「これからよろしくお願いします」


ゼルダ「タルミナのことは、リンクから聞いて存じ上げております。タルミナからハイラルに帰ってくる際に別れたと聞きましたが…」


リンク「幽霊四姉妹がハイラルとタルミナを通じる道を作ってくれたんだ。このことに関してはこれから話すよ。マロンには同じ話を繰り返しするけどゴメンね…」


マロン「ううん、気にしないで。ゼルダ様にも話してあげたほうが良いわ」


 リンクはゼルダに、チャットとトレイルがハイラルに来ることが出来た経緯を話す。黙々と語るリンクに、頷きながら話を聞くゼルダ。


ゼルダ「それではあなた方は姉弟で、このハイラルに来たのはリンクの力になろうと思ってのことですね。そこで幽霊四姉妹のメグに出会ったと」


チャット「えぇ。メグさんはハイラルとタルミナを繋ぐ道を作るための研究をしていたそうで、試験的に自らがタルミナに出向いた際にアタシ達と偶然出会ったんです」


トレイル「姉ちゃんや親友のスタルキッド共々、現在に至るまでいろいろ良くしてもらっています。こちらに来る際もいろいろと手回しをしてくださいました」


ゼルダ「ハイラルとタルミナを通じる道を作ったことも含めて、幽霊四姉妹の方々には御礼を申し上げないといけませんわね」


 リンクの話の内容を大方理解した様子のゼルダ。ハイラルとタルミナ、メグをはじめとする二つの世界を繋ぐことに貢献した幽霊四姉妹の面々に感謝の意を述べる。


リンク「ところで、森の神殿での一件以来、何か分かったことはあるかい? それと、ナビィのことも…」


 リンクはハイラル城へ出向いた本来の目的である、森の神殿でボンゴボンゴが現れた一件、ナビィ失踪の一件について、その後どうなったのかをゼルダに聞き出す。ただ、ナビィ失踪はほぼ私情の一件なので、聞くのにためらってはいたが…


ゼルダ「あれから特に変わったことはありませんわ。それからあなたの妖精の事も手掛かりになるようなものはまだ見つかりません」


リンク「そう…」


ゼルダ「すみません。お役に立てなくて…」


リンク「気にすることないよ。それにナビィのことは俺自身の問題なのに、親身になって取り組んでくれているんだ。むしろ、俺の方が謝りたいくらいだよ」


 リンクの質問に思ったような回答が出来ずに俯くゼルダであったが、何とか落ち込ませないよう元気づけるリンク。このリンクの機転を利かせた行動によって、大事には至らなかったようだ。


ゼルダ「そういえば、お父様が気になることがあると申しておりましたのですが…。そのことがリンクとかかわりのあることだったので…」


マロン「? 姫様、それってどういうこと?」


 今度はゼルダがリンク達に尋ねてきた。それはゼルダの父・ハイラル国王が何やら気に掛けていることがあるとのことであるが…


ゼルダ「はい、近頃カカリコ村にて頻発しておりました泥棒の退治、大工の親方様のお手伝い、インパの小屋で飼われているニワトリの世話のお手伝いなどを承っている少年のことを気に掛けておりまして。私もその少年の事をお聞きしたのですが、緑の服を着用、コキリの剣を携え、背中にはデグの盾を背負っている容姿端麗の少年とのことです」


マロン「…それって、完璧にリンクのことだよね?」


リンク「容姿端麗かどうかは分からないけれど、多分俺だと思う。コキリの剣とデグの盾を持っているのはコキリの森の人間の中では俺だけだし、ここ最近カカリコ村でお節介ながらもいろんなことやっていたからな…」


ゼルダ・マロン((絶対、あなたですわ(よ)。容姿端麗なのも当てはまってる…))


 ここ最近、リンクはカカリコ村を拠点に様々な場所で汗を流していた。その功績のおかげかカカリコの村民からは一目置かれており、最近ではそのリンクの評判がハイラル国王の耳にも入っているとのことである。尚、話の中で容姿端麗ということに関しては否定していたリンクであるが、ゼルダとマロンがさりげなく心の中でツッコミを入れたというのは別の話。