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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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-Honey and Sweets?-

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鋼の錬金術師から(正しくは弟から)珍しく事前に訪問の連絡があり、しかも来るのがハロウィンの日だと司令部内に知れ渡ったのがほんの数日前。皆、ここぞとばかりにこの時期にしか出回らないアイテムや期間限定の菓子を用意して待ち構えていたのだ。
軍部という場所柄、仮装はもちろん、それらしい飾りなども持ち込むのは相応しくない。週末を迎えた街はハロウィン一色だが、生憎司令部は年中無休だ。
そんなところに、軍属ではあるが軍人ではない、しかも菓子をねだっても許される年頃の子供が来るというのだ。乗らない理由はないだろう。ここではそれだけ愛されているのだ、彼らは。
こんなに食いきれねーしだの、いっぺんに食べたらお腹壊すよだの、兄弟が微笑ましい会話(立場が逆転している気もしたが指摘しないでおく)を繰り広げているのをそっと傍観していると、コンコンというノックの音がした。
「入れ」
許可の言葉をかけると扉が開いて、トレーを持ったホークアイが入ってきた。
「失礼します、大佐。エドワード君にお茶をお持ちしました」
「ああ、いいね。ありがとう」
トレーには陶器のポットと二脚のカップ&ソーサー、そして紅茶のいい香りがした。お菓子はたくさんあると分かっているからか、今日はお茶請けはないようだ。彼女からも既に何か渡しているのだろう。
そしてどうやらついでに自分にも紅茶をふるまってもらえるようだ。いそいそとソファーへ座ろうとすれば、大佐はあちらへと執務机に促された。
「私には菓子ではなく書類かね」
紅茶と共に追加書類を机の上に置かれて憮然とする。ホークアイはにこりと綺麗に微笑んだ。
「大佐はお菓子を用意されていないでしょうから、定時であがってエドワードくんに美味しい食事をさせてあげてください」
―Honey or Working?―
エドワードと過ごしたくば仕事をしろということか。
ロイは了解というように片手を上げると、一口紅茶を啜って喉を潤してからペンと書類を手に取った。
その様子を満足げに確認すると、ホークアイは兄弟に声をかける。
「エドワード君。お菓子は後で袋に詰めてあげるから少しずつ食べるといいわ。それと今日は司令部内ではその格好のままでいてね。゛そういう日゛だから」
「えーっ!それじゃここから出られないじゃん」
ホークアイは相当理屈の通らないことを言っていると思うのだが、エドワードも彼女には逆らえないようだ。
「大佐は今日はこの後ずっとここで仕事だから見張り番もよろしくね。あ、アルフォンス君。ブラック疾風号も今日はハロウィン仕様なのよ。せっかくだから司令部に連れてきているの」
「わ、本当ですか!見に行ってもいいですか?」
「もちろんよ。裏庭にいるからぜひ相手をしてやってちょうだい」
「わぁい!僕、ちょっと行ってくるね、兄さん」
そう言って、ホークアイとアルフォンスは連れ立って執務室を出ていってしまった。後に残されたのは、仕事のお化けにおぶさられた大人とお菓子の妖怪達に囲まれている子供の二人だけ。


作品名:-Honey and Sweets?- 作家名:はろ☆どき