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嫉妬と不安 1

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その日から、馬村に一人で外で飲むの禁止。と言われていた。
しかし、憂鬱な気分も何とかしたいし、魚の匂いを思い出し
ぐー。とお腹がなる。
家から近いし、お、お酒を飲まなければいいよね...。
そーだそーだ。と心の中で一人で納得し、目的地へ向かった。

最寄り駅につくと、前は酔っ払っていたため、はっきりと場所を覚えておらず、あいまいな記憶を辿りながらなんとか着くことが出来た。
「あ、この匂い...。」
あの時と同じ、香ばしい魚のいい匂いがした。

店にはいると、中も外見通り、若者でもくつろぎやすい雰囲気をしていた。
個室は空いていなかったため、カウンターに座りメニューを開くと、馬村の好きなお酒があった。それを見るとすずめの心はチクリと痛む。
やっぱり今日、馬村とご飯食べたかったなぁ...。

すずめは、また、大きくため息をつくと、
ガラっと音を立てドアが開いた。
そこには、もう何年も見ていない懐かしい顔があった。
「え、せ、先生!?」
すずめが目を丸くして名前を呼ぶと、
「え、ちゅんちゅん!?」
と、似たような顔で男が呼ぶ。
ドアの前には獅子尾が立っていたのだ。
「え、えっと、とりあえず久しぶり...。」
困ったような顔でこちらに向かってくるとすずめの横の空いている席に座った。

「あ、えっと、先生はどうしてここに?」
話を聞くと、なんでも諭吉のカフェに行こうとしていて、たまには他の道を通っていこうと散歩感覚で来たらたどり着いたらしい。
「ちゅんちゅんは?今来たばっか?」
「はい、ついさっきです。」
「そっか。それなら...、その、一緒に飲まない?」
「え...」
獅子尾の提案にすずめはびっくりし、
ヤキモチ焼きの恋人が知ったら怒られるのではないか。不安にさせてしまうのではないか。
そう思い断ろうとすると、
「あーえっと、別に下心とかないし。その、だいぶ時間も経ったしね!」
もう何も思ってないよと、言わんばかりに
獅子尾は苦笑いしながら言った。
「はぁ...。じゃあ、少しだけ...。」
そう言われてしまうと断ることもできず、
渋々OKした。

作品名:嫉妬と不安 1 作家名:けい