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世界最後の一日1

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「日本、今あがった。」

「ずいぶん長風呂でしたね」

「ああ、またあいつらと話してて・・・」

(あいつら・・・・?)

「そうでしたか・・・。そういえばイギリスさん、夕食できましたよ。」

「そうか、」

日本に連れられ、着いたのは居間。

食卓に並べられているのは、どれも美味しそうなものばかり。

「なんか悪いな。あ、そうだ、次は俺が・・・」

「お気持ちだけ頂戴します。」

にっこりと日本は返す。

「そ、そうか・・・?」

「それでは早速いただきましょう。せっかくの温かいご飯が冷めてしまいますよ」

「そうだな、イタダキマス」

片言な日本語で俺は食前の挨拶をする。

「はい、いただきます」

日本が自ら作ったという料理はどれも美味しいもので、朝からろくに食べていない俺の胃を満足させてくれた。

「・・・イギリスさん、そんなに急いで食べなくても、お料理は逃げたりなどしませんよ」

日本に呆れさせるほどに、俺は夢中だったらしい。

もう遅いかもしれないが、紳士モードに切り替える。

「うん、美味い・・・」

「ありがとうございます」

相手のほうを見ると、ジッとこちらを見つめていた。

「何だ、日本?」

「お弁当をつけて何処に行かれるのですか?」

微笑みながら自分の口元に指を当てる。

「オベントウ・・・・?」

それでも気づかない俺を見て、日本は身を乗り出してこちらに手を差し伸べた。

そして、日本の細くて白い指が頬に当たる。

「ご飯粒、ついていますよ?」

顔が熱くなるのが分かった。

「に、にほ・・・っ」

「何ですか?」

「い、いや・・・」

日本と居ると、どうも調子が狂う。

紳士なところを見せたいと思っても、怖いくらいに素直になってしまう。

(俺は・・・日本が好き、なんだな・・・・)

これが恋というものなのかよく分からないが、多分、そうなんだろう。

まさか地球滅亡の二日前に気づくなんて。

「日本、俺・・・っ」

「?」

「・・・・・・・・っ・・」

「何でも・・・・ない」

「そうですか・・・・?」

好き、と伝えたい。

でも今の俺には出来ない。

このもどかしい思いを胸の内に秘めたまま、日本との食事の時は過ぎていった。

作品名:世界最後の一日1 作家名:新山由宇