世界最後の一日1
そういえば前、日英同盟で日本に来たときに、アメリカがジェットで日本の家に押しかけ、困らせていた事があった。
懐かしい思い出に、思わず笑ってしまう。
驚いた、さっきまでもやもやしていた心が急に軽くなる。
明日、本当に地球が終わるのだろうか。
ふと、下を見た。
人はもちろん居ない。
本当にここは昨日まで賑わっていた場所なのかと疑いたくなる。
もう少ししたら日本の家だ。
そういえば、紅茶の茶葉を持ってくるのを忘れた。
いつもだったら電話をしてアポを取って、どんな茶葉がいいか聞いてから出発するのだが、今日は特別、ということにしよう。
明日何もかも終わるのだから。
今まで『世界の終わり』なんて飽きるほど聞いてきた。
その時はいつも、誰かいた。必ず。
それはフランスだったり、アメリカだったり、複数と居たり。
これはその延長線だろうか。
だが明日は本物の『終わり』。
もう確認もとれている。
どうしようもない現実。
避けられない現実。
受け入れるしかない現実。
それがあるのなら、俺は日本と過ごしたい。
ずっと考えてきたことではない。
ただの直感。直観。
それが俺を動かした。