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世界最後の一日1

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近くのヘリポートに、ヘリをとめる。

日本の家はここから10分もしない所にある。

小鳥たちがさえずり、木々が風に揺れた。

しかし、都会の喧騒はない。

それがいつもと違うところだろうか。

こつこつ、と自分の靴が地面にあたる音。

辺りには当然、人はいない。

と、思ったのだが、人影が見える。

「おい、まだ逃げてないのか」

驚いて声をかけると、向こうもびっくりしたのか、肩を震わせ、こちらを見た。

「イ・・・ギリスさん?」

「・・・!?日本・・・か?」

まさかこんな所で日本と会うなんて。

「偶然なんて、あるものなんですね・・・。」

そう言いながら、日本はこちらに近づいてきた。

「ああ。・・・・・、日本、お前はどうしてこんな所にいるんだ?」

「そうですね・・・。最期にこの辺りの景色を見ておきたいのと・・・、」

イギリスさんにお会いしたくて、

そう日本は、はにかんで言った。

いつもの日本ではないみたいだ。

頬が赤い気がする。

ひょっとしてこれは、期待、していいものなのだろうか?

「イギリスさんはどうしてこちらに?」

自分に問いかける日本に気づき、ふと我にかえる。

「お、俺は、・・・・・」

別にお前に会いに来たわけじゃないんだからな!

とか、

ちょっと散歩しに。

とか。

最期なのだから、そういう曖昧な表現はやめよう。

「俺も・・・、日本に会いたくて・・・・・」

一気に顔が上気する。

素直に自分の思いを伝えるのが、こんなに照れくさいものだなんて。

「そ、そうですか・・・・」

向こうも真っ赤だ。

お互い様だな、と少し嬉しくなった。

作品名:世界最後の一日1 作家名:新山由宇