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世界最後の一日1

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場所は変わって、日本の家。

立派な瓦屋根の家だ。

元は上司の家だったらしいが、譲り受けたらしい。

なんやかんやで住んで三桁。なかなか壊れない、頑丈な家だ。

「粗茶ですが・・・・」

と言って日本が出した熱い緑茶は、文句ひとつつけようがない、とても美味しいものだった。

「俺のところの次に美味いな、」

言って気づく。

いつもの悪い癖が出た。

「す、すまない、忘れてくれ!」

そう言っても、もう遅い。

自分の失態を後悔しはじめている時だった。

相手の方から、零れるほどの、小さな小さな笑い声がした。

「に、日本・・・?」

「すいません、・・・つい・・・っ」

何がなんだか分からずに呆然としている俺をおいて、日本はクスクスと含み笑いをする。

「日本・・・?」

「いえ、」

「本当に、明日が終わるのかな、と、考えてしまったんです。」

変なことを言ってしまい、すみません、

そう言うと日本は、菓子を持ってくる、と席をたった。

日本も、同じ気持ちだったのか、

そういった感情が俺の中で渦巻くのが分かった。

「お待たせしました」

それは急だった。

俺は立ち上がって、日本の元へ行く。

「イギリスさ――」

そして、自分の腕の中に日本を閉じ込めた。

「え、ちょ、イギリスさん!?」

すぐ近くに日本がいる。

そう思っただけで、胸が熱くなった。

鼓動がはやい。

「日本・・・・・」

「はい。」

「怖いんだ・・・・・。」

「・・・はい」

気づけば、俺は泣いていた。

日本を抱きしめながら。

自分をギュッと抱きしめ返してくれる日本から、嗚咽が聞こえる。

きっと、日本も泣いていたのだろう。

日本が近くにいる安心感と、日本と同じ気持ちだった安堵感。

それが、俺を夢の中へ誘った。

作品名:世界最後の一日1 作家名:新山由宇