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一年は組の席替え ノ段

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「きり丸、ぼく達の問題は何?
「うーん、それがさ…。

乱太郎・きり丸・しんべヱの三人は教室を出て校庭の近くまで来ていた。
問題を開いていいのは他の班がいなくなってからと最後に土井から言われた。
四班はバラバラに散り、それぞれ課題に取り組み始めた。
その中でも班の全員が成績底辺の三人組は問題が解ける自信がなかった。
だがきり丸が広げた問題用紙には、問題としてはとてもシンプルな言葉が記されていた。

『花のところへ行け。

「これだけ?
「そうなんだ。
「ぼく、もっとたくさん問題が書いてあるのとか難しい問題かと思ってた。
「ぼくもー。

思いの外課題のクリアが近いことを喜び始めた。
そこへきり丸が、

「でさ、この問題の意味、誰かわかんの?
「………。
「………。

………。

「これ、期末テストの補習なんだよね?
「うん。
「ということは、テストの問題として出されたんだよね?
「たぶん。
「乱太郎、テストに出されたこと、覚えてる?
「覚えてない。きり丸は?
「もちろん覚えてない。しんべヱは?
「ぜーんぜん覚えてない。

全滅である。
しかし乱太郎は今回のルールに救いの手が残されていることを覚えていた。

「こうなったら、教科書『忍たまの友』を見るしかない!
「相変わらず教科書とかに頼るのが早いなー。
「きりちゃん、それを言える立場?
「でも、教科書を見るにしても、どういうことを調べればいいの?
「調べるっつっても、これしか書いてないんだぜ?
「えー…、どーしよー!

きり丸としんべヱがうんうん唸っていると、乱太郎は仕方なく忍たまの友を開いた。

「とりあえず『花』で調べてみよう!
「はな?はなといえば、さっきから……はなが…。
「だー、しんべヱ!こんな時に!!
「わかった!『花』は忍者の暗号だ!

教科書をぺらぺらめくっていた乱太郎が嬉しそうに声を上げた。
しんべヱのむずむずした顔に呆れていたきり丸がそばに駆け寄る。

「そうだ!『花』といえば『桜』を指す!
「だあざぐだどぼごどびいげばびびど?(訳じゃあ桜のところに行けばいいの?)
「それは…。

答えに近付いたと思い、更に調べようとしたが、

ぴーっ!

突如鳴り響いたホイッスル(うそやで~)の音に三人は顔を上げて辺りを見回した。

「乱太郎、きり丸、しんべヱ。教科書を没収する。
「「「戸部新左ヱ門先生!

忍術学園の剣術師範・戸部新左ヱ門がホイッスル片手にゆらりと現れた。

「戸部先生。まさかぼく達の補習授業の審判なんかしてるんですか?
「別に審判ではない。ただ土井先生から一年は組を見かけて教科書を見ているようであれば、一つ調べ物をしたらは組の教室に教科書を届けてくれと頼まれたのだ。
「そうか。教科書を見ていいのは一回までだった!
「噂によれば、今回の補習は自分達の力で解くことになっているらしいな。ではこの学園内の人間全員が私のように監視しているかもしれないぞ。
「わーん、これじゃあ周りがみんな敵のようなものじゃないかー!
「戸部先生、これ、土井先生からアルバイト代出るって聞いてます?

ドケチなきり丸が土井の頼みがアルバイトかどうかを問うと、戸部は軽く拳骨を食らわせてから続けた。

「よいか。忍者の世界では自分以外は全て敵のようなものだ。だが敵だろうが味方だろうが利用するのが忍者なのだ。では、がんばって勉強しなさい。

しっかり三人分の教科書を取り上げていった戸部はその場を去っていった。
残された三人は丸くなって話し始めた。

「どうしよう…?忍者の暗号で『桜』ってことまではわかったけど…。
「桜は忍術学園にたくさん植えられてるぜ?そん中のどれかにクジが隠してあったって見つけらんねぇよ。
「『はばぼぼごどびいげ』…。
「「しんべヱ…。鼻、かめよ。

放課後の時間が少しずつなくなっていった。
作品名:一年は組の席替え ノ段 作家名:KeI