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一年は組の席替え ノ段

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「おお、乱太郎、きり丸、しんべヱ。早かったな。
「やった。ぼく達二番だよ。

アミダくじを手に一年は組の教室に戻ると、土井の他にいたのは団蔵・虎若・金吾の班だけだった。

「やっほー。
「団蔵達はどんな問題だったの?
「ぼく達の問題は、最初は忍器の絵を見て使い方を答える問題。
「うん、くないの絵が描いてあって『この忍器を用いるべき場所を次の中から選べ』だった。
「選択肢があったんだ。
「でも簡単だったよ。池と天井と倉だったんだぜ。
「それで次は…。
「え、ちょっと待って!
「まだ問題があったの?

乱太郎が訊くと、背後で土井の気配がした。

「乱太郎、きり丸、しんべヱ…。他の班はみーんな複数の問題を解くようになっていたんだ。お前達の班だけと~~~っても簡単な問題一つだったんだぞ…。
「いや~あっはっは…。
「先生は一番に帰ってくると思ったんだがな~。

三人が気まずそうに笑うと土井は胃を押さえながらそれぞれの頭に軽く拳を落とした。
そんな話をしている内に三着の班が到着した。

「ただいまー。
「喜三太、兵太夫。おかえりー。

二人しかいない兵太夫と喜三太の班が元気よく教室に入ってきた。
しんべヱが二人に近付いた。

「お疲れさま~。喜三太達の問題、何だった?
「うんとねー。虫食いになってる言葉を埋める問題。
「虫食い?
「『手裏剣には攻め手裏剣と○○手裏剣に分けられる』って感じ。それが五個あって~。
「「「…………。

兵太夫の言葉に三人組はしばし固まる。

「問題を埋めたのはいいけど、その先がわからなくって。
「仕方なく忍たまの友を見て、答えの言葉の頭文字をつなげてみたら、『としよしつ』となってたから、『図書室』に行ってみて、
「くじを探してたら、図書委員の当番だった六年生の中在家長次先輩が~、
「急に後ろから『合格』って声をかけてきて、喜三太が…
「ちびってしまいました~!

でーん!
話を聞いていた忍たま達は全員ひっくり返った。
土井は頭をかきながら言った。

「やれやれ…。これで後は庄左ヱ門の班だけか。
「先生。
「なんだ、虎若。
「席替えって庄左ヱ門達が戻ってくるまでできないんですか?
「実は、そうなんだ。

えー!という八人の声に、土井はにこやかに話し出した。

「三班共、もらってきたくじを見てみなさい。
「えっ?
「何これ?

三つの紙にはそれぞれ異なるものが書かれていた。
乱太郎達の紙には十一本の線が端から伸び、一から十一の数字が並んで書かれた反対側の端に繋がっている。
線の間にはアミダのような線が引かれていた。
団蔵達の紙には教室の絵が描かれていた。
そして絵の中の机にはいろは順でひらがなが十一個分書かれている。
兵太夫達のはシンプルなアミダくじだった。
しかしそこには忍たま達の名前はなく、一方はいろはでもう一方は数字だった。

「これでどうやって席替えするんですか?
「最後の班の紙には忍たまの名前が書いてある。そしてそのくじは乱太郎達の班の紙と組み合わさった時に一つのアミダくじとして完成するんだ。
「どうしてこんな風にアミダをわけたんですか?
「忍者が複数の人数で任務にあたる時、万が一敵に情報が漏れたり、文書を奪われても一人の情報だけではなんのことかわからないように工夫して行動することがある。逆に、敵側ではなく忍者側にとっても全員の任務が成功しなければいけないということで責任を強く持つ必要がある。今回の補習はそういった点のお勉強も絡めて教えようと考えたんだ。
「わかったよーな…。
「わからないよーな…。

目が点になっている何人かを除いて他のよい子達は心配し始めた。

「それにしても、学級委員長の庄左ヱ門がいる班が一番遅いなんて意外だね。
「そうだよね。ぼく達も教室に戻った時驚いたもの。
「確かにあの三人にしては遅いな…、まさか……。

土井の顔に一年ろ組のような影が落ちた。
作品名:一年は組の席替え ノ段 作家名:KeI