DOODLES
校門の前には既に３本に分かれた道が広がっていて、その１本１本には木の枝に葉が付くように、いくつもの建物が連なっている。正直なところ、案内なしでは何がなんだかわからない。道を聞くのはサンジ的にかなり癪だったが、警備員のほうは慣れたことなのだろう。特に何の感慨も見せず、欠伸混じりに狭い窓から顔を乗り出した。
「事務室で登録受け付けてるって聞いたけど……昨日おとといから、何人かそんな人が来ててね。お知らせが来てない？」
「いや、このチラシ見て来ただけなんだ」
大丈夫かな、と呟きながら、中年警備員はデスクの上からファイルに挟まった紙を１枚取り出した。
「一応、事務室はここから真っ直ぐ行ってすぐの塔の１階だ。でもいいのかい？ あー、俺ァ詳しいことは知らんが……履歴書とかはあるの？」
「いや、ねえな。必要か？」
「さあ……。まあ、行くだけ行ってみれば」
妙な奴が来ちまったな、という表情も露に、しかし警備員は赤鉛筆でグリグリと目的地に丸を打つと、サンジに地図を差し出して丁寧に道案内をしてくれた。
「ま、頑張んなよ」
「どうもありがと。あ、朝飯はちゃんとしたモン食ったほうがいいぜ。あんたちょっと肌が荒れてるから、できれば野菜か果物がいいな」
「そりゃどうも……」
ヒョコヒョコと走り去っていく黄色い頭を見ながら、警備員のいっぽんマツはデスクの引き出しからカロリーメイトのサラダ味を取り出した。
あとがき：中途半端に終わってスイマセン；；