興味と関心 後編
「彼女がどうのより、彼女の旦那...馬村が、
ずっと俺を気にしてるのがわかってたから。
今頃ホッとしてんじゃないかな。」
「俺はガチで取り合ってフラれた方で、
ちゅんちゅんが選んだのは馬村なのに、さ。」
「ふーん。」
「それだけ本気だったってことか。」
「おー。馬村は常に臨戦態勢だったからなぁ。」
「いや、五月が。」
「え?」
「未だにその馬村くんに警戒されるほど、五月が本気で
彼女のことが好きだったってことでしょ?」
「...うん。って、昔、昔の話だからね!」
「ふ...わかってる。
嫉妬しないって言ったら嘘になるけど。」
「俺...マジでキミいないとダメなんで。」
「は...そんなセリフ、三次元で言う人いるんだ。」
つい笑ってしまった。
「口説き文句じゃないよ。
本気で思ってるから口に出るんだ。」
五月は優しく笑って、私の頬に手をやり、
口づけをした。
ガラにもなく、自分が少女漫画の主人公になった気がした。
結婚はエンドじゃないけど、
この人といると、これでめでたしめでたしで
もういいんじゃないかと思えてくる。
「幸せ...」
ついそんなことを口走って、ハッとした。
「っ///いっ、今のナシ!」
顔が熱い。
目が見られない。
恥ずかしい。
自分がそういうことを言うなんて。
「もう聞いた。」
普段私の前では素であまりヘラヘラしない五月が、
満面の笑みを浮かべた。
ギュッと抱きしめられ、
そのままホテルの部屋のドアにドアドンされた。
整った顔でジッと見られ、
「今日は寝かせませんから。」
と五月が言う。
目が本気だ。
これで落ちない女はいないだろう。
なんて冷静に考えていたら、
首筋に五月の唇が這い出した。
「ええええっ///ちょっ、待って!んっ」
五月がさっきとは打って変わって
激しいキスを浴びせた。
「はぁっ、ちょっと!待って五月!ここで...?!」
「...移動する?」