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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第2話

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ソロさんに指摘され、アレフさんは紙切れの裏を見た。

アレフ「『今後もこのような形で警告や助言などを行う。
生き延びたいのなら従って欲しい。
【トライアングル】は、決してただの脱出ゲームなどではない。
仲間を信じられなくなったら終わりだ。
もうすぐ、“犠牲者”が選ばれる。抵抗はするだけ無駄。

赤い目をした影のような物体には絶対に近づくな
二度とこの世界から出られなくなるかも知れない』」


サマル「な・・・なんか怖いよ・・・・・・・」

ナイン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


脅しとも取れる最後の一文は、それまでより少し大きく書かれていた。
・・・確かに少しばかり不安を煽る表現の仕方ではある。
だがこの注意書きは嘘や罠とは思えなかった。
モンスターやトラップのくだりなどは特に、こんな嘘を書いても僕たちにデメリットはない。
これを書いた何者かは、僕たちに協力しようとしている・・・。

最後の一文を印象に残るような書き方にしたのも、警告として強調するためだろう。

でも・・・・・・これは・・・・・・・・・・。


1日目 03時55分 ―ロト―


どうやらこの警告を書いた者は、素直に俺たちの手助けをしてくれるつもりらしい。
しかしソロが言うには、この屋敷には俺たち12人しかいないはずなのだが・・・


・・・どうも変だ。
妙に、引っかかる。

・・・・・・だいたい、このゲームのタイムリミットは30日間のはずだ。
なのにこの【トライアングル】には、制限時間がない・・・・。

・・・何かおかしい。



1日目 04時02分 ―サマル―

うーん・・・
・・・・なんか怖いよ・・・・・これ・・・。

ボクたちのためにやってくれてるのはわかるんだけど、なんだかすごく
不安になる。

しかも、今後もこうやってアドバイスをしてくれるってことは・・・
ボクたちのことを見てるってことになるんじゃ・・・・?

・・・・・なんだか余計に怖くなってきちゃった。ボクの馬鹿。

その時、ロト様がみんなに言った。

ロト「なあみんあ、正直に答えて欲しい。
・・・ここに来たのは初めてだよな?」

突然のその質問に、みんなすぐには答えられなかった。
だけど暫くしてから、思い思いに「そうだ」と答えた。

レック「おいロト、まさか俺たちのうちの誰かがこれを書いたとか言うんじゃねえよな?」

レックさんが冗談めかせて言う。

ロト「・・・・・・正直、そうとしか思えない。
何かおかしい、引っかかるんだ」

アルス「ちょ、ちょっと待ってよ。
ボクたちはみんな一緒にここに来たんだよ?
第一鍵の掛かった扉の奥にあったじゃない」

ロト「ああ、わかってる」

レック「オレらには書き物をする暇なんてなかっただろ」

ロト「ああ。でも・・・玄関の扉は開いていた。
俺たちより先に屋敷に入っていた可能性もある」

エックス「おいおい言ってることがめちゃくちゃだぜ。
みんなで同時にこの屋敷に入ったって認めてんだろ?」

エイト「・・・ロトさん」

その時、俯いて何やら考え込んでいたエイトさんが顔を上げた。

エイト「実は僕も、それを考えていました」

ロト「本当か?」

エイト「はい。・・・まさかとは思ったんですが・・・」

エックス「・・・・。」

アベル「2人も気付いてたんだね。僕もだよ」

レック「アベルまで?」

アベル「ロト君が言いたいのはきっとこう。
確かに僕たちはみんな同時にこの屋敷に入った。
そして僕たちの誰にも、こんな注意書きを書く暇はなかった。
だけど、この世界に僕たちが1人ずつとは限らない・・・
そうだろう?」

・・・・・・・!?

ロト「ああ。・・・もしかすると、既に犠牲になった者がいるかと思ってな」

アレン「・・・・・・・・・・・。」

サマル「え?ど・・・どういうこと?」

なんかみんな、真剣な顔して考え込んじゃってる。

レック「・・・なあソロ、オレらにもわかるように解説してくんねえかな?」

ソロ「・・・・・。
エレスタの鏡という話を知ってるか?」

レック「ん・・・まあ、聞いたことはある」

サマル「鏡の呪いに掛かったお姫様が、結婚するはずだった王子様に
殺されちゃう話でしょ?あれ、悲しいよね・・・」

ソロ「エレスタは見た者のコピーを作り出す力を持った悪魔の鏡だった。
王子は姫のコピーと結婚し、本物の姫は王女を騙った罪人として処刑されてしまった。
・・・ここまで聞けばわかるだろ?」

エックス「要するに、俺たちの中に偽物が混じってるかもしれないってことか・・・?」

ソロ「ああ。・・・細かく言うと、この世界には鏡でなくとも、エレスタと同じような力を持った魔物か何かがいる。それがきっとあの『赤い目をした影のような物体』のことなんだと思うが・・・」

アルス「じ・・・じゃあ、もう既にそいつに作り出されたコピーがいて・・・」

ソロ「そういうことだ。
もしかしたら俺たちのうちの誰かが既にコピーとすり替えられていて、
本物はこの屋敷に閉じ込められているのかもしれない。
それでもうこれ以上犠牲者が出ないよう、こうして注意書きをしているのかもな」

ソロさんの一言で、ボクの背中は凍りついた。

レック「や・・・・・・・やめてくれよそういうの・・・・」

ソロ「・・・・・・・まあ、だとしたら誰が偽物なのか明記してくれてもいいもんだが。
それができないということは・・・いや、もしくはしても意味がないのかもしれないな」

サマル「えっ・・・それ、どういうこと?」

ソロ「コピーとすり替えられた本物は、既に死んでるってことだ」

・・・・・・・・・・・・!!

レック「・・・おいソロ、シャレになんねーよそれ」

青ざめた顔で言うレックさん。
考えの読めない目で唇だけをほんの少し笑みの形にして、ソロさんは言った。

ソロ「まあ、最後のは本気にしなくていい。
ちょっと怖がらせてみたかっただけだ」

・・・・・・・・・。


エックス「と・・・・とにかくさあ、とりあえず休める場所を探そうぜ、なっ」

エイト「・・・そうですね・・・・・」



不安を残したまま、ボクたちは廊下を進んでいった。



1日目 04時28分 ―レック―



・・・暫く歩くと、廊下の一番奥に着いた。

両開きの扉の前には・・・やっぱりあの小テーブル。
そしてその上には、さっきと同じような紙切れが。

アレン「また注意書きか?」

アレフ「・・・今度は短いですね」

アレフが紙を手に取った。


アレフ「『この扉の先は休憩所。
全員が一旦入ってから出ると、【トライアングル】スタート。
“犠牲者”はゲームスタートと同時に姿を消すが、ある条件をクリアすると
合流できる。
・・・先程の会話は聞いていた。
この手記を書いたのはエレスタの作り出したコピーでも、魔物でもない。
またこの警告は罠ではない。
健闘を祈る』」


・・・・・・・・・・・・・・・・。
おいおい、冗談だろ・・・・。

ロト「・・・さっきは人影なんて見えなかったぞ・・・・・」

エックス「ま・・・まさかあの時・・・いや、今も・・・・