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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第3話

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ジゴスパ―――――ク!!!」

高く舞い上がったレックが手を振りかざすと、上空に現れた巨大な魔法陣から
無数の稲妻が轟音とともに降り注いだ。

それらは今までレックが戦っていたモノを含めた2体の花に直撃し、
焼き尽くした。
ギャオオオオオオッと耳を劈くような悲鳴らしき咆哮が轟く。

やがて2体は真っ黒く焦げた体から緑色の血を吹き出しながら、
沈み込むように倒れて動かなくなった。

レック「うっしゃ!どうだ、2体同時だぜッ」

黒い煙を上げて横たわる2つの巨体を見下ろし、
地上に降り立ったレックはガッツポーズをして言った。

アルス「・・・すごい・・・・・・・」

エイト「圧巻でしたね」

アレン「ふん、なかなかやるな」

・・・炎を受け止めている時と稲妻を落とした時の魔力は桁違いだった。
俺が感じた限りでは、呪文をフルに発動させる瞬間に一瞬で魔力が信じられないほど
膨れ上がり、それがまた一瞬にして萎んで消えた・・。
あれほどまでの魔力を、ほんの一瞬で大きくコントロールするのは簡単な事じゃない。

にも関わらず、レックの表情は余裕を通り越して楽しそうに見えるほどだった。
・・・もしかしたら自分では気づいていないのかも知れないが、
彼はかなりの・・・いや、ひょっとしたらこれまでにないくらいの
魔法の使い手だ。



そんなことを考えていると、突然地面が激しく揺れだした。
そして残った花たちが牙を剥き、俺たちを叩き潰そうと茎や触手で
猛攻撃を仕掛けてくる。

アレン「せああああああああああああ!!!」

アレンは地面を蹴って空高く舞い上がり、空中で回転しながら
花の中央部分に回し蹴りを叩き込む。
相手がぐらりと傾きかけたその時、落下する勢いを活かして
ソイツの頭の付け根を両手で掴み薙ぎ倒す。

すると驚いたことに、花が地面から抜け根が剥き出しの状態になったのだ。
アレンはそれを見逃すことなく、さらに上空から駆け降り
高く振り上げた踵を目にも止まらぬ勢いで花の頭に食らわせた。

ドンっと衝撃波が広がり、一瞬遅れて花の頭が弾けた水風船のように
血を撒き散らし、ひしゃげた。

アレンはひらりと飛んで地に降りると、足についた花の血を見て
顔を顰めた。

アレン「・・・・・・チッ。汚れちまった」

俺としたことが。
そうつぶやくと、後ろにいるエイトとアルスに向かって叫んだ。

アレン「おいお前ら!!
言うほどこいつら強くねえぞ、早く片付けちまえ!!」


2日目 07時33分 ―エイト―

アレンさんが驚く程の速さで1体を素手で倒し、
僕たちのほうを見て言った。

たった一撃で頭部を粉砕・・・
バイキルトがかかっていることを差し引いても、凄まじい力を感じさせる。
確かに、あれほどなら魔法に頼らなくても平気そうだ。
僕も一応格闘スキルは極めてるんだけど、きっと彼には彼にしかない
特別な才能があるんだろう。
見ただけでそう確信するほど、彼の繰り出す攻撃は強力で、
かつ無駄がなく・・・鮮やかだった。

アルス「エイトさーん!
こっちもやっつけちゃおう!!」

エイト「はい!」

相変わらず空は気味の悪い赤色。
不気味に光を放つ赤い月と悍ましい景色、
肺が腐り落ちそうなこの空気。

アルスさんは、自分の体ほどの直径がある巨大な火の玉を
幾つも生み出し、敵に向かって魔力で投げつけている。
おそらくメラゾーマだと思う・・・けど、あんなに大きかったっけかな?と
思わずゼシカがやっていたそれを思い出して疑問に思った。

アルスさんは今度16歳になるって言ってたっけ。
でも話を聞くと、背が小さいせいでいつも歳より幼く見られるんだって
ため息をついていた。
僕も背はあまり高い方ではないけど・・・彼はだいたい僕の肩くらいだった。
体も華奢だし、幼く見えると言うのには申し訳ないが頷けた。

しかし彼の戦闘能力には驚かされる。
花たちのどんな攻撃にも決して当たらず、全てを無駄のない動きで
完璧に避けきっている。
魔法の威力もたいしたもので、もしかするとゼシカの使う同じ呪文よりも
強力なのではないかと思う位だ。

アルス「えーい!イオナズンッ!!」

空中を一閃の光が走ったかと思うと、次の瞬間
想像を絶する大爆発が起きる。

化け物の頭が幾つか弾け飛び、焼け焦げたような匂いが鼻をつく。
常に漂っている血の匂いと混じり合ってなんとも不快な感じがする・・・
思わず少しえずいてしまった。

しかし化け物たちの攻撃が止むことはなく、
灼熱の炎や伸びた茎が絶え間なく飛び交う。
それらを避けながら魔力を溜め、アルスさんのイオナズンで
傷を負った化け物たちに向かって解き放つ。

エイト「ベギラゴン!!!」

炎の波に包まれ、悲鳴のような咆哮をあげて
巨体が倒れ込む。
黒く焦げ煙を上げながら、それらは動かなくなった。

アルス「やったね!」

エイト「ええ・・・」

振り返ると、エックスさんがメラゾーマの2倍ほどある大きさの火の玉で
化け物を倒したところだった。

エックス「・・・どんなとんでもねえ奴らかとビビってたが、
どうやら普通に太刀打ちできそうじゃねえか」

エックスさんは片手の拳をもう片方の手のひらで
パンっと打つと、化け物たちの死骸を見下ろして笑ってみせた。

アルス「今のすごかったね!
ボクのメラゾーマと全然威力が違ったよっ」

エックス「え?いや、今のはメラガイアーだぜ」

・・・?メラ・・・ガイアー?

アルス「ええ?なにそれ聞いたことない!」

エックス「まじで?」

うーん。
あのジバリカっていう呪文といい、今のメラガイアーといい・・・
エックスさんの世界には僕たちの世界にはない魔法がたくさんあるんだなあ。

アレン「・・・これで全部倒したか?」

レック「おう。しかし、言うほど無茶苦茶強くはなかったなあ」

エイト「それに越したことはないですけどね・・・」

僕がそう言うと、レックさんはなぜか
がっかりしたようにため息をついた。

エイト「・・・・レックさん。
貴方ひょっとして、この状況をちょっぴり楽しんでません?」

レック「へへ、バレたか」

全く・・・下手をすればいつ死ぬかもわからないと言うのに。

エックス「諦めろよ、男ってそういう生き物だぜ?」

エイト「僕だって男ですよっ」

レック「ははははは!」

わ・・・笑われた。
そりゃあ背も高くないし、顔立ちや声だって
自分でも男らしいとはあまり思わないけど。

アルス「ちょっとレックさん!
エイトさんでそれじゃ、ボクの立つ瀬がなくなっちゃうよ!」

エックス「心配すんなって、たしかお前まだ15だろ?
まだまだこれからだぜ」

レック「エイトは18って言ってたっけ。
あれ、オレより年上じゃん!」

エックス「いやそれ言っちゃダメだろ!」

・・・・・・・・何だろう、何だか
今すごく釈然としない気分だ。
なんで僕が、というかどうやって話がこんな流れになったのか
というか、・・・ああ、もういいや。


エイト「とにかく!
まだ油断するには早すぎます。
この世界の魔物たちがみんなこいつら程度の強さだと思ってたら
きっと死にますよ」