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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第7話

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アベル「待って、みんな。静かに。・・何か聞こえる」

アベルさんの声を最後に、僕たちは一言も喋らなくなった。
・・・耳を澄ましていると、下・・・床の下?いや、もっと下かも知れない。
とにかく下のほうから、ズズズズズ・・・と何かが這うような不気味な音が聞こえてきた。

その時。
ピリっと手の甲に軽い痛みが走った。

エイト「!」

これは・・・・生存率が変化した合図!

エイト「ぁ・・・アベルさんっ」

生存率が目がチカチカするぐらいに光りだす。

アベル「これは・・・・・」

ドォンッ!!・・・ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・ッ

ナイン「!!?」

轟音と共に床が揺れ、同時に下のほうからヒヤリとした風を微量に感じた。

背筋が凍りつく。

・・・・まさか・・・・・・・・

エイト「皆さん!!そこから動かないでください、一歩もですッ!!!」

僕は気がつくとそう叫んでいた。

アベル「・・・・あぁ、僕もそれをお勧めするよ・・・絶対に動かないほうが良い・・・!」

真っ暗闇の中。
小刻みに揺れ続ける床と、地響きのような音が次第に小さくなり始め・・・・・

・・・・やがて、静寂が訪れた。

しばらくするとまたフッ、と部屋がもとの明るさに戻った。

が・・・・・・・

ロト「・・・・・・・・・!!」

アルス「な・・・・・何これ・・・・・・!!?」

あまりにも異様だった。

さっきまで何もないただの部屋だったのに、そこは・・・・・・・・

僕たちが立っているその場所以外、床が全てなくなっている。
残っている足場は、細心の注意を払ってようやく体の向きを変えられる程度の小ささ。
総面積なら誰の足場も、さっき見た赤い本の表紙の方が大きいだろう。

・・そして、床がなくなっているところは。
深さ20メートルはある奈落へと変わっていた。それだけじゃない。

その底には、・・・長く大きな針が何十本も等間隔で立っている。
先端はどれも鋭く尖っていて、この高さからあそこへ落ちればどうなるかは誰が見ても一目瞭然だ。

ぞくり、とまた背筋に冷たいものが走った。

周りを見ると、みんな顔は青ざめている。暗くなった時に少しでも身動きをして、残った床から足を踏み外していたら。
地響きの揺れでバランスを崩し、倒れていたら。

今頃この奈落の底で、串刺しになっていたかも知れないのだ・・・・・・・。

アレフ「・・・・・・・・・・・・・。」

ナイン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

さっき扉の隙間から見えた人影・・・・・。
あれが僕たちをこの部屋に導き、閉じ込めたのだ。
そして・・・・・

ロト「・・・殺そうとした」

ぽつりとロトさんが呟いた。

同じことを考えていたらしい。

エイト「僕たちを全員、まとめて・・・?」

おかしいじゃないか、だってあの人は今レックさんたちと外にいるはずじゃ・・・

エイト「・・・・・・・・・!!」

・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・そうか・・・・そういうことだったのか・・・・・・・・・・。

それに気づくと急に怒りがこみ上げてきた。
最初にエレスタの鏡の話を持ちかけて不安感を煽ったのも、自分に疑いがかかった時の保険だったというわけだ・・・・・。


―――――――
―――――
―――


幸いなことに偶然僕が扉付近に立っていたので、それぞれの足場から飛び移って、なんとか全員無事に部屋を出ることができた。

・・廊下に出ると、床には血のようなものが点々と付いており、それはさっき見た壁の落書きからこの部屋の扉まで続いていた・・・。

ロト「・・・・・・・待ってくれ、みんな。・・・俺は、あいつがやったなんて信じられない」

ナイン「僕もです・・・はっきりと見たわけではありませんし・・・幻覚で仲違いさせるための罠だったのかも知れません」

アベル「僕だってそう思っているよ。でも・・・万が一」

アレフ「・・そうだとしたら・・・レック殿やサマル君たちも・・・・・?」

アルス「そんな!・・・ありえないよ・・・あんなにいい人たちなのに」

エイト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

・・・幻覚・・・・?
確かに100パーセントないとは言い切れない。でも、あの状況で、この人数が、しかも扉の隙間という僅かな空間の中に共通のものを見たというのだ。

それほどの幻覚を生み出すのがどれほど高度なことか、見当もつかない。
可能性としては否定はできないが、・・・・・・いや・・・・・

エイト「・・もし、万が一、幻覚でもゲームの罠でもなく、彼が本当に自らの意思で僕らを殺そうとしていたなら」

みんなが押し黙った。

エイト「僕だってそんなこと信じたくないですし、実際そう思ってもいません。でも・・・本当にそうだった時、何もしなくていいのでしょうか」

・・・・・・・・・・誰も何も答えなかった。

―――――――
―――――
―――



??? ????? ―???―

―そうか・・・やっとわかったよ。僕がここに呼ばれた理由が

―珍しいな。おまえがニンゲンなぞに興味を持つとは

―つまらない生き物だと思ってたけど、案外そうでもなさそう。彼はピッタリなんだね。それにあの子も。・・・・ふふふ、面白いゲームになりそうだね

―・・・ええ、彼には色々なイベントを用意してますから。プレイヤーの皆さんがどこまで信用できるかが鍵ですがね

―君か。楽しそうだね、今回のゲームは!そうだ、彼女も呼んだのかい?

―呼びましたよ。きっと喜ぶでしょう

―・・・さっそく動きがあったようだぞ。3日目だ

―へえ、早いね。じゃあ時間を戻そうか

―――――――
―――――
―――


3日目 09時55分 ―レック― 

オレたちはあの巨大な虫たちを倒したあと、魔力などを回復させるため一旦屋敷に戻った。
アレフやロトたちはまだ探索をしているようで、休憩室の扉の鍵は閉まっていた。

アレフたちが帰ってくるまでここで待つのも退屈だし、いっそみんなで探しに行こうかという話にもなったが、その時、ムーンがアベルに渡されたものがあったのを思い出したと言った。

昨日屋敷を探索中にアレフたちが見つけたという道具の中に、1つの小さな長方形の木箱があった。大きさは人の手のひらに充分余裕を残して乗せられるくらいで、何が入っているか予想するのはそんなに難しくなかった。

開け口のようなところはなかったので直接叩き壊すと、中からは案の定、小さな鍵が出てきた。
素材はどうやら鉄で、少し錆びている。
血の池にあった、あの青い扉のものではなさそうだった。

そこで休憩室にそれを使うと、扉は開いた。
これでこの部屋の鍵が2つ存在することがわかったわけだが、念のため中に入っても鍵は閉めておいた。

・・・で、それからすでに1時間が経過している。
アレフたち、2階も見に行ったんだろう。・・何かあったんじゃなければ良いけど・・・。

エックス「・・・ロトたち遅いな。ひょっとして屋敷にも魔物がいたりするのか?」

レック「さあ。まあ大丈夫だろ、ちょっとやそっとじゃ負けねえよ。武器もあるんだし。