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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第9話

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か   くれん  ぼ や り たいな
     さ いしょは ぼ  くが おに だよ

・・・かくれんぼ?
・・・・・・さっきオレ、もしかして・・見つかったのか?

いや、違う。オレは今初めてこの落書きを見たんだから・・・今からのはずだ。
・・な、・・・何を考えてるんだオレは?

この落書きをしたのはもう、あの笑い声の主だと見てほぼ間違いないだろう。
つまり・・・・・ロベルタだ。

最初はただの思念体だったが、おそらくソロがオレに話したせいで霊体の力が強まり、この世界や俺たちの精神に直接干渉できるまでになったと考えるのが妥当だ・・・。

・・・・・・早くソロを迎えに行かないと。

壁から視線を外し、足を速めようとしたその時だった。


――――・・違うよ・・・・・・


あの子供の声が聞こえた。

エックス「・・おい、・・あれ・・・」

ロト「またあの手紙か!?」

2人の声で、オレは急いでみんなのもとに走った。・・壁近くに、最初に来た時にあったのと同じ小テーブルがある。その上には、同じように注意書きが置いてあった。

レック「・・今度は何だ?」

アベル「読むよ。・・『魔法が効く条件↓
             ・それを理解していること
             ・目が見えること
             ・真実を知る者であること』」

エックス「・・・・・・・・・?どういう意味だ?」

アベル「わからない・・・だけど、きっとその時になればわかるはずだよ」


・・・・・・・・・・・・・それから数分後には、オレたちはその暗号の意味を理解することになる。

――――――
――――


??? ?????? ????

――いいえ、貴方のものだから意味があるのですよ。まあ後に皆さんにも同じ思いをして頂くわけですが

――ふっふふふ・・・何を仰いますか。辛いのなら今すぐに舌でも噛んで死んでしまいなさい。他の皆さんのことがどうでも良いのならね

――・・・そうですか。それは結構。では、引き続き探索を続けてください。奥へどうぞ

――・・?

――・・・あぁ、これは失礼致しました。そんな足では歩けませんか。ふふふ

――では這って行きなさい。手だけでもなんとか進めるものでしょう?・・ああ、この霧ですか?ご明察です、その通りですよ。人間なら30分も吸っていれば死ぬでしょうね

――ちょうど血が目印になって、来た道を迷わず戻ることができるようになりますよ。・・・くすくすくす・・・・それなら皆さんもすぐ見つけてくれるでしょう

――あらあら、もったいない。・・・片手で進むのは辛くないですか?・・辛いようですね。まあそうやって貴方たちの苦しむ姿を見るのもまた、楽しみの1つですから・・・くすくすくす

――――――
――――


エックス「・・あった、あれだろ?」

レック「ああ、あの扉だ!」

オレたちは少し早足になり、長い廊下の奥に見える鉄製の扉に向かっていった。
だがその時、・・誰もが気づいていたはずだ。
扉の様子が明らかにおかしいことに。

ロト「・・・・おい、あれ・・・・・!」

アベル「・・・・・・・・・っ」

扉の下の部分・・・床との境目のところから血と思しき液体が大量に滲み出ている。やがてそれは掠れ、足跡のような形になって、右側の通路に向かっていた。
廊下の突き当たりにあるその扉をこちらから見ただけでは、わかりにくい位置にある。

扉を通り過ぎてその通路に入ると、血はどんどん量を増し、壁から床にかけて引きずられるようにして続いていく・・・・。血跡はまだ乾いておらず、真っ赤だ。

エックス「・・・・・まさか・・・・」

壁には血の手形や、それをそのまま擦ったようなものもある。
誰かがここを壁伝いに歩いたのだ・・・血まみれで。
誰が?
・・この扉からついさっき、大怪我をした状態で出てきた奴・・・

そんなの1人しかいない!

ロト「・・急いだほうがいいな」

緊迫した表情でロトが言う。

廊下の奥は少し薄暗かった。しかし奥のほうが見えないだけで充分視界は広い。
オレは廊下の床と壁に残る血の跡を追ううちに、湧き上がる不安を抑えきれなくなっていた。
・・こんな凄まじい出血をするほどの怪我をしているのか。
ここまで自力で移動してこれる程度ではあるということだが、血が乾いていないというだけで、具体的に何分前に出てきたかはわからない。

・・・・・死の可能性は、いつ何時でも自身にまとわりついてくるものだ。
ここまで来れたはいいが途中で力尽き、失血死しているという最悪の結果がオレの頭をよぎったのだった。

いい加減進んだところで、もうそろそろ姿が見えてきてもいいんじゃないかと思い始めた頃だった。

・・・ばきん。

レック「?」

何かが割れるような音がした。
次の瞬間

・・・・・ドッ

・・・・・・・・・・・・・・・何だ?
目の前に何か、銀色の・・・・・・・

ぐい、と誰かに背中の服を掴まれ、かなりの力で引っ張られた。
映像がゆっくりと目に映り、流れていく。

目の前で離れていくその銀色の物体は、細長かった。右側の壁から左側へ、尖った先端が刺さるように・・・・・・・・

・・・・・え?

ドサァ!

オレは背中から地面に倒れかけ、肘で体を支えた。

エックス「・・・っぶねえ・・・・!」

唖然としているオレの真後ろで、エックスが息を切らしていた。
数秒間、オレは何があったのか理解できずにポカンとしていたが、すぐにそれに気づいた。

トラップだ。
銀色の―おそらく鉄製だろう―オレの腕ほどの太さがある鋭く尖った棒が、壁から飛び出してきたのだ。
ちょうどオレの頭と同じ高さだった。

ロト「だ、大丈夫か!?」

アベル「こんなところに・・・」

・・オレの背中を引っ張ったのはエックスだった。
棒は本当にオレの目の前、たぶん指一本ないほどの隙間を残して鼻先をかすめた。

・・あの一瞬、エックスが服を掴んで引っ張ってくれなかったらオレは・・・・・
・・・今頃頭に穴をあけて死んでいた・・・。

レック「・・・・・・・・。」

暫くすると金属の棒は、ゴリゴリと音を立てて壁に収まっていった。

エックス「・・おいレック、しっかりしろ」

エックスに肩を揺すられ我に返る。

レック「・・・・・・っ、ごめん、ありがとなエックス」

アベル「・・・本当に大丈夫かい?あんまり体調が悪いなら戻って休んでいてもいいよ・・・?」

アベルが座り込んだままのオレを、心配そうな目で覗き込んできた。

・・・・・確かに、こんな状態じゃみんなに迷惑をかけるだけだ・・・足手まといになってしまう。
戻っていたほうがいいかも知れない・・・・・・。

そこまで考えてからオレは、自分が何のためにここまで来たのかを思い出した。
そうだ、オレは・・・・

レック「・・・・・いや。ごめん、みんな。ボーッとしてた・・・気をつけるよ」

一度ぎゅっと目を瞑り、気持ちを改めて開き・・・言った。

エックス「・・頼むぜほんと、ヒヤヒヤさせんじゃねーよ」

ロト「・・・・・・・おい、急ごう。ソロが危ない」

自分の不注意で時間をロスしてしまった。