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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第16話

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ソロさんは・・・立てた両膝を両手で抱え込むようにして、顔をうずめて座っていた。

どうしたんだろう?

するとソロさんは顔を上げ、ボクがいるのに気付くと、・・・明らかに睨みつけるような目つきでこっちを見た。

どきっとして顔を伏せる。

どうしよう、来ちゃいけなかったかな。
猛烈な勢いで後悔の念が押し寄せてきた。

けど・・・・・・なぜか立ち去る気にはなれなかった。

レックさんがしゃがみこんでソロさんを見ながら、どこか嗜めるように何かを言って聞かせている。

それに対してソロさんは無視したり、時々何か言い返したりしていた。
・・・けど突然、声を上げて笑い出した。

ボクはびっくりして顔を上げた。

するとソロさんは立ち上がっていて、さっきまでとは打って変わってとても可笑しそうに笑っている。

そして笑いながら、「嘘つき」と何度も何度も言っていた。
それだけは聞き取れた。

レックさんがこっちに来て、

レック「悪いけどちょっと、ここで待っててくれ。動かないで。
後で呼びに来るから」

そう言うと、笑い続けるソロさんの手を引いて部屋の方に戻っていった。

・・しんと静まり返る。

・・・・・・どうしちゃったんだろう。

・・・ソロさんは・・・・・・・・何かあったのかな。

・・・・・・どうしちゃったんだろう・・・・・・・・・・・・・。



何分経ったか・・・たぶん20分くらいだったと思う。

・・・・・レックさんが疲れた表情でボクのところに来た。

レック「ほんとごめんな、びっくりさせちゃって・・。
でもやっぱお前には言っとかなきゃいけないよな・・・・・・」

サマル「・・・ソロさん、どうしたの?何かあったの・・・?」

レック「・・・・・いや・・・・・・・・・・」



部屋に戻ると、ソロさんはベッドで眠っていた。
とても静かだった。
上を向いて、・・・・・・・・でも、寝息が一切聞こえない。

レックさんは険しい表情のまま、ソロさんのこめかみに手を当てた。
そして一度大きく息を吐いてから、目を瞑った。

しばらくその状態が続いた。

ボクには何をしてるのかさっぱりだったけど・・・とにかく静かにしていた。

とその時、レックさんが目を開けてソロさんの体を抱き起こし、少し下を向かせた。

その途端、大きく息をのむ音がして、脱力していたソロさんの手がびくりと跳ねた。
そしてソロさんはゆっくり目を開けて・・・・でも、その直後すごい勢いで頭をもたげ、目を見開いたまま深呼吸をしたかと思うと、

ソロ「・・・・は、ぁっ・・・はあ、はあっ・・・うぁぁ・・!!」

どんどん呼吸が荒くなって、やがてそれに悲鳴じみたものが混じるようになった。

レック「ソロ」

レックさんが呼びかけると一層目を見開き、絶叫しながらその手を振り払った。
けどレックさんはソロさんの肩を押さえて、

レック「落ち着け、オレだ。レックだ」

ソロ「っ・・・・!!」

ソロさんは聞き入れずに、レックさんの手を払いのけて座ったまま壁の方に後ずさった。
背中を丸めて両手で頭を抱えて、苦しそうに呼吸を繰り返している。

ソロ「ひ・・・っあ・・・・ぅ・・・・・・」

レック「ソロ?大丈夫だ、もう・・・」

ソロ「・・・・ぃやだ・・・・
・・・嫌だ・・・・・っ・・・・・・」

弱々しくかすれた声。まるで何かにひどく怯えているように見える。
ボクは何もできずに、ただそこに居るしかなかった。

レック「目を開けろ、もう大丈夫だから」

そう言ってレックさんが、そっとソロさんの右手首を握った。
その瞬間

ソロ「ぎゃああああああああああああっ!!!」

耳をつんざくような悲鳴を上げた。
顔は上げたけど、目はきつく閉じたままだ。

ソロ「ひぁ・・う・・・っあ゛あぁ・・・!」

喉をのけ反らせながらレックさんの腕を掴んで、

ソロ「やだ、いやだっ、・・・あぁっ・・・・はなせ・・やめ、ろ・・・・!」

レック「ソロ、オレを見るんだ」

レックさんはソロさんのほうに手を伸ばしたけど、ソロさんは首を横に振って顔を背けた。

ソロ「ぁ・・・がぁ・・・ぁ・・・・」

直後、大きく咳き込んだ。苦しそうに胸を押さえながら、体をひねって前かがみになり・・・そのままうつぶせに崩れた。

肩が激しく上下している。

レックさんはソロさんの上半身を少し起こして、顔にかかった髪をよけた。
きつく閉じた目から涙を流して、痛々しい表情のまま喘いでいる。

レックさんはソロさんを抱き起こして目に手を添え、ゆっくり開かせた。

ソロ「っ・・・・・うぅ・・・・・・・ッ・・」

レック「・・わかるだろ?もう大丈夫だ」

呼吸が徐々に落ち着いていく。
レックさんは、自分にソロさんをもたれさせて頭を撫でていた。
ソロさんは下を向いたまましばらくすすり泣いていた。


・・・・ボクは、目の前で起こったことが信じられなくてただただ唖然としていた・・・。

まるで別人だった・・・本当に、今までのソロさんと同じ人物とは思えなかった。

レック「なんで寝ちまったんだ?」

ソロ「・・・・・・・・・わからない・・・横になった記憶もない・・・」

うつむいたまま、両手でそれぞれ逆側の腕を掴んで座っている。
その間、絶えず体を小さく前後に揺らしていた。

ソロ「こんなこと今までなかったのに・・・」

まだ少し息が荒い。

ソロ「・・・・・・・・・サマル、ごめんな」

ふと動きを止めて、でもやっぱり下を向いたまま、ソロさんは小さな声で謝罪してきた。

サマル「え・・・なんで・・・?」

なぜこの人に謝られるのかわからなかった。

レック「お前が謝ることじゃないって。・・落ち着くまでいてやるから、少し休め」

ソロ「・・・・・・・・・・・・・・わかった」


・・・レックさんは、壁の方を向いて横になったソロさんに毛布をかけてベッドに座った。

するとソロさんがギリギリ聞こえるくらいの小さな声で、迷惑かけてごめん、と言ったのがわかった。

サマル「・・・・・・・・・・・・・・・」

ボクはずっと、胸が締め付けられるような感じがしていた。

いつもとあまりに違いすぎるソロさんの様子に、動揺しているんだと思う。

レック「・・・驚かせちまったなぁ・・・」

レックさんが申し訳なさそうに口を開いた。

レック「もう見てわかったと思うけど・・・こいつには深い傷がある。おそらく一生癒えない傷だ」

・・・・・・・・・・・・傷・・・・・

レック「・・・・でも、サマル。お前もこいつと同じ種類の傷を1つ持ってるはずだ」

サマル「・・・・・えっ・・?」

レック「できた理由も速さも全然違うけどな。わかるか?」

サマル「・・・・・・・わかん、ない」

レック「・・・・・・・じゃあ教えてやるよ。劣等感だ」

どくん、と心臓が鳴った・・・。

レック「しかもこれに限定すれば、お前の傷はこいつのより深い。しかも膿んでる」

サマル「・・ど・・・どういう意味・・?」