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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第18話

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レック「!?」

サマル「ご、ごめんなさい・・なんかおかしくてっ・・・」

息苦しい。

レック「だからなんで笑って・・・ッ」

ソロ「お前こそ、なに必死な顔して走ってんだよ」

レック「そんなん・・・ふふっ、ふは・・・あははっ」

なんでだ。なんでオレまで笑ってる。
・・でも言われてみれば今のこの光景、傍から見たら確かに滑稽というか不気味というか、無様というか・・・・・

レック「はは・・・っいっひひひひひひひははは」

なんで爆笑してるし、オレ。まあでもある意味不可抗力か。

・・・・・こうして、奇怪極まりない目玉の軍団に追われ、男3人で爆笑しながら全力疾走で逃げるという何とも不可思議な光景が出来上がってしまった。


・・・・・・・・・・・どれくらい走ったか。
いつの間にか目玉は追いかけてこなくなっていた。

3人ともヘトヘトになって、息を整えながら歩いていると。

サマル「・・・・階段・・・・・・・・・?」

突如現れたのは、地上へ続くと思われるはしごのような階段だった。

―――――
――――
――




7日目 20時50分 ―ロト―


何故だ。・・何故俺たちはここにいるんだ?

もう・・・もう二度と、ここには入れないはず・・・・・・

アレフ「・・ロト様、ご無事ですか!?」

ロト「ああ・・・大丈夫だ」

みんなこの玄関ホールに集まってきた。
・・どうしてここに・・・・・・・・・

アレン「サマル?・・サマル!?どこだ・・・サマルー!!」

はっと顔を上げる。・・サマルがいない?

・・広い玄関ホールに最初からいたのは俺だけだった。
でもみんなしばらくすると1人ずつ、ここに集まってきた。話を聞くと注意書きが1人1人にそれぞれ来たのだという。
玄関ホールに行けと。

エックス「・・レックとソロもいねえぞ・・なんでだ!?」

アルス「サマルさーん!レックさん!ソロさーーん!!」

なぜあの3人が?
ソロだけならわかるが、なぜサマルとレックまで・・・

―――――
―――

ナイン「・・・はい、僕も気が付いたらここにいました・・・」

アレン「じゃあやっぱり、サマルたちだけ外されたのか」

・・・・・・・・・・・・・・。

どうなってるんだ・・・・・・・・・・?

俺はホールを横切って玄関に向かい、手をかけた。
・・・・・・重く、冷たい。
閉鍵の魔法がかけられている。

・・・・・・・外に出す気はない、か。俺はみんなの方を振り返った。
・・そして何か考えようと思い、何気なく再び玄関に目を向けると。

取っ手の部分に、金色のチェーンとともに白い封筒がかけられていた。
・・・・この屋敷に来たばかりの時、最初に見たあの手紙の封筒だ。

ロト「・・・やっと正規の指示が来たか」

自分でもよく要領を得ない独り言を言い、それを取っ手から外す。
血のような色の焼印を剥がしながらみんなのもとへ向かった。

ロト「みんな。ゲームの主催者側からの手紙があった」

アレン「・・あの注意書きではなく?」

ロト「ああ。きっと今の状況のことを説明してくれるだろう」

みんなが自然と静かになった。

ロト「・・読むぞ。
・・『勇者の皆様、ゲームの進行状況はいかがでしょうか。滞りなく進んでおりますでしょうか?
此度は見事“トライアングルの中心”をクリアされた皆様方に、追加イベントの報告をさせて頂きます。
そこに居られない方々がこのイベントでの“犠牲者”です。皆様とは隔離し、干渉不能の状態とさせて頂きました。クリア条件は“犠牲者”全員と合流すること。ただし、制限時間は本日24時までとさせて頂きます。
全員と合流できずに24時を1秒でも経過した場合、“犠牲者”はその場で息絶えることとなりますので、お急ぎください。
なお「合流」とは、相手の全身を視認することができ、通常通りの声で会話が可能な距離に相手がいる状態のみを指します。

この追加イベントは、“トライアングルの中心”にて死者が発生しないという素晴らしい成績を残した皆様に敬意を払い、難易度を上げさせて頂きました。
また“犠牲者”にこのイベントの報告はしておりません。
ご健闘をお祈り申し上げます』」

・・・・・・・少しの沈黙のあと、俺たちの間に静電気のようなものが走った気がした。

アルス「まずいよ・・・早く探さなきゃ・・・」

俺は隣にいたアレフに手紙を渡し、玄関扉へ急いだ。
手をかけると、さっきと明らかに感触が違った。

腕を引くと重々しい音と共に、扉が開く・・・・・・・・・・。

風が入ってきて、俺たちの髪や服を揺らした。

ロト「・・みんな、急ぐぞ」

―――――
―――

久しぶりに見る景色のように感じられた。
全身を包み込む重い空気とこの匂いは変わらないが・・・・・・

1つ、今までと大きく違うことがあった。

・・・・・巨大な崖が眼前に広がっている。 向こう側は遠すぎるのか、闇に包まれていて何も見えない。崖下にも、大きな暗闇がぽっかりと口を開けていた。

どうしたって、向こう側には行けそうもない。

エックス「・・どうすりゃいいんだ、こんなん・・・・!」

アベル「・・・・・何か・・・何か道はあるはずだよ。あと3時間以内に、あの子達と合流できる術が・・・・・・」



20日目 21時35分 ―サマル―


ここは・・・どこだろう。
洞窟・・・・・・?

地下通路の階段を上ったら、一瞬すごい光が前を横切った。
眩しくて閉じていた目をゆっくり開けると、ぼやけていた視界がだんだんはっきりしていく。

ソロ「・・大丈夫か?」

サマル「うん・・・」

やけに狭いところだった。人が2人やっと入るくらいの。

レック「・・あれ、なあここってもしかして」

ソロ「そうか、お前は来たことあるんだったな」

レック「ああ。・・って、なんでお前がそれ知ってるんだ?」

ソロ「・・・・・・・・・不思議なこともあるもんだよな」

レック「おい。・・・まあいいや、このまま進めばいいのか?」

ソロ「さあ、多分な。・・・一体何をどうすりゃいいのか」

そう言いながら、ソロさんは目の前にある鉄の扉を見た。
上の方に透明な長方形の窓がついている。

レック「・・・霧が消えてる」

ソロ「中に誰もいなければ霧は出ないんだ。まあ例外はあるが」

・・・・・扉の中に入ると、そこは薄暗い・・まるで牢屋のような灰色の部屋だった。
何もないけど、奥にはまたぽつんと鉄の扉がある。
その前には何か、大きな天秤みたいなものもあった。

ソロ「道が間違ってるなら『そっちじゃないから戻れ』って注意書きがあるはずだ。合ってると思うんだがな・・・」

レック「・・見落としてねえよな?」

ソロ「それは多分ない」

3人で部屋を進んでいく。

・・・・・・ソロさんが、扉の前の天秤?を見るなり顔をしかめて足を止めた。

レック「なんだあれ?」

・・前まで来ると、それは扉のすぐ前にあることがわかった。固定されているらしく動かそうにもびくともしない。

レック「・・・邪魔で扉が開かないな・・・なんとかできないか?」

サマル「これを使って何かしたら、通れるようになるのかな」