二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
伝説の超ニート トロもず
伝説の超ニート トロもず
novelistID. 58424
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第25話

INDEX|3ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

だってお兄ちゃんは、僕の自由を奪った人でもあるけど、たったひとりのお兄ちゃんで、世界でひとりだけお話ができて、僕のことをかまって考えてくれる唯一のお友達だったから。

僕には申し訳ないと思ってくれてるし、僕が寂しくなった時は紙に字を書いてお話してくれた。一緒に絵を描いたりもしてくれた。自分はいらないのに僕のためだけに、僕が読めそうな本とか人形とかお菓子とか、色々用意してくれたりもした。

お兄ちゃんなりの、僕への罪滅ぼしだったんだろう。

この世界に来てからは自分のことで手一杯で、全然そういうことしてくれなくなったけど。
お兄ちゃんがいなければいいのに、いなくなっちゃえばいいのにと思うこともあれば、そんなことになったら寂しくてどうにかなってしまう、いなくならないで欲しいと思うこともあった。

結局僕は、どうしたいんだろう。何が望みなんだろう。
今はレックが事情を話しさえしてくれれば、いろんな人とお話ができるしかまってもらえる。
殺した女の子の知り合いらしかったサマルも、僕を責めようとはしなかった。

このままでも、いいかも知れない。少しだけそう思い始めていた。

だから僕は、あの人の言うことをほんの一部だけ聞くことにした。

僕はたぶん僕のことを知っててかまってくれる人がいればそれでいいんだろう。それが誰でも。
今はみんながいる。だから別に、お兄ちゃんがいなくたっていいんじゃないかな。
わかんないけど。

今、お兄ちゃんは眠ってて、僕が起きてる状態。僕にはもうお友達がいて寂しくない。
お兄ちゃんがいたら僕が何もできない時間ができてつまらない。

だったら、お兄ちゃんが起きてこれないようにすればいい。

今までは寂しさを紛らわしてくれる人がお兄ちゃんしかいなかったから、他の人に迷惑をかけちゃいけないってお兄ちゃんが言うから、しなかった。
でももう今は違う。

忘れちゃえばいいんだ。お兄ちゃんのことを。

そうすれば僕は僕だけになる。

他のことも色々忘れるだろうけど、別にいいや。みんながどう思ったって、気にならない。
だってもともと僕の体なんだから。

今の僕ならそれができる。

・・・道の向こうに、白い小さな何かが落ちているのを見つけた。

拾って見てみると、小さい紙だった。何か書いてある。

・・・『共存の道を選ばなかったのは、本当におまえの意思か?
なぜその結論に至ったのかもう一度考えてみろ。それでも答えが変わらないのなら、このまま進むがいい。思い直したのなら引き返せ。
罪を犯した者にはそれなりの報いがある。
絶望を噛み締めろ』

・・・・・・・?・・・・

意味がよくわからない。考え直したって、結論は変わるはずもない。

進んでいくと、また同じような紙が落ちていた。

『残念だ。変えられない運命もある。それがおまえの真の意思だと言うのなら、無理に引き止めはしない。
やはり最も同情されるべきはおまえだったようだ。
このまま進めば望み通りにできる。最後の別れを偽りのない気持ちとして兄に伝えなさい』

最後の別れ。少しだけ、悲しくなった。
ああでも忘れちゃえば、悲しい気持ちも消えるんだ。

・・・・・ごめんね、お兄ちゃん。さようなら。

心の中でそう言って、僕は走り出した。


――――――――――
―――――――





2日目 11時07分(8日目 01時25分) ―レック― 


・・・・・・・何だ、ここは・・・?

一本道の最奥にある扉をくぐると目の前に現れたのは、さっきとなんら変わらない洞窟の空間だった。

広さや天井の高さは同じ、それどころか壁の形や傷の付き方まで全て同じだった。
ただ何事もなかったかのように元通りになっているから、さっきの場所にループで戻ってしまったわけではないようだ。

アレフ「・・・・・・・ここは・・・・・」

ナイン「さっきと同じ場所、・・・ですね」

ロト「・・・・・・・・・・・・・・・・レック・・・」

レック「?」

ロト「・・・また時間が戻ったのかも知れないと考えてしまうのは、俺の心が弱いからか?」

・・・・・・・・・・・。

レック「・・・いいや。オレだってそう考えたい」

だがそうでないことは、いるはずの1人が消えて、いないはずの8人がいるということがしっかりと教えてくれた。

エックス「・・・・・・・・どうするんだ?もっと先へ行くか?」

さっき隠し扉があった壁の方を見て、エックスが言った。
ロトがオレの方を見るが、オレもどうしたらいいのかわからない。
でもこの何もない場所に留まっていてもな。

レック「・・・そうだな。進んでみよう」


・・・・・オレはとりあえず先頭に立って、壁を押して隠し扉を出現させると、それを開けた。
その時。
・・オレは何かその奥からただならぬ気配を感じた。

確信はないが、目の前にただひたすら続いていく一本道の向こうから、細かく空気を振動させるような揺れと・・・わずかに鉄の錆びたような臭いが感じ取れた。そして頬を撫でる生ぬるい風。

何か、いる。

まだ進むべきではない。そう思った。

オレはみんなを振り返ると、正直に言った。

レック「・・・・・・・駄目だ。行けそうもない」

エックス「・・道が塞がれてたか?」

レック「いや・・・ただ、今行っちゃいけない気がするんだ。この奥には確実に何かいる。尋常じゃない気配を感じた。まだ、駄目だ」

アレン「まだって・・・だったらいつになれば進めるんだ」

レック「わかんねえ。わかんねえけど・・・今はまだ、駄目だ」

なぜ確信のない曖昧なことをここまでの自信を持って言えるのか、自分でもよくわからなかった。

ただこのまま進んだら、何か取り返しのつかないことになるような、・・・予感がしただけだ。

・・・・・・・?

扉の裏側に何か付いている。これは・・・数字?

金属のプレートに、小さな字で数字の羅列が彫ってあった。



3333343333353435333333383773373 737555475344
0019191900000003020302000000110 565470987985
8888586888885848888488488888338 354234797982
6665555666666666666664366666612 657302836543
1111616661116167611114514511111 746294479775
6912763459275076074698758237459 102938475633
0983265234569409726427464028735402874545 565497547563525
7679768565476257692837523453453434343599 342966499362113
5656547266645923469387198374528374874531 563444220976981

↑456087545
→464653765475=746998744↓446
44523↑33425.55674453536417265.437