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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第33話

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「まあ・・・わかったところで、俺にはどうしようもないけどな・・・」

「な、レック。・・・聞こえないか。
・・・・・俺はとにかく、あんたの望み通りにやってやるよ」





―――――――――――
―――――――







9日目 06時20分 ―ロト―



ロト「・・・そう言えば、あの時どうやってあの洞窟まで来たんだ?俺たちのいる時間軸まで・・・・・」

アレフ「ブラッディローズなる魔物を片付けた後、注意書きを発見しました。
崖まで戻り、それに沿って南へ進めと。するとそこに、トライアングルの中心と同じ青い扉があったのです」

ロト「・・入ったのか?」

アレフ「はい。・・しかし・・中は洞窟のような地下通路となっておりました。私どもはそこを抜け、崖の向こう側に渡ることができました」

・・・・つまりその地下通路が、時間軸同士をつなぐトンネルだったということ。
でも・・・

アルス「おかしいなって思ったんだ・・・・これほど簡単に向こう側に渡れるなんて、って」

アレフ「一度は罠かと疑いもしましたが、注意書きは見当たりませんでした。
そこで私どもは、はじめに拠点としていた屋敷に向かうことにしたのです」

ロト「・・・なぜ俺たちがそこにいると?」

アベル「・・・僕たちのところに来た破壊神側からの手紙に、“犠牲者”と僕たちは完全に隔離され干渉不能の状態にあるとあっただろう?
あれから僕たちは、どちらかがおそらく異世界か別の時間軸に飛ばされたのではないかと考えた」

アルス「まず最初の屋敷に入れるかどうかを確認することで、どっちが正解かを確かめようとしたんだ。そしたら・・・」

―――――――――――
―――――――



・・・・・アレフたちの話によると、それから彼らは屋敷が開いていることを確認し、中に入った。すると内部の状態はゲームが始まってからまだあまり時間が経っていない―おそらく1日目から2日目の状態―と似ていた。

ホールの壁にある血文字の落書きや、空いている部屋の数などから判断した。

そして休憩室の扉には鍵がかかっており、中からは俺たちの話し声や物音がしたという。
そこで、時間が戻っていると確信した。

また壁に、例の大きな亀裂があることを確認。直前に俺が通ったあとだったのだろう。
みんなはその奥へと進んでいき・・・俺がソロとレックとサマルを追いかけたように、そのすぐあとをみんなも俺たちを追いかけた。

そして―――今に至る。


ロト「・・・・そうか・・・」

・・どうも引っかかるな。破壊神からの手紙には、俺たちに見合うよう難易度を上げたとあった。それなのに・・・いとも簡単に合流ができている。

何かあるのではないのか・・・・・?

アレフ「・・・それにしてもこのアレフ、あの時ほど・・・ロト様やサマル君たちが御無事であるとわかった瞬間ほど、強い安心感というものを味わったことはございませんでした。
御姿が視界に入った途端、本当に体から力が抜けてしまいまして・・・」

その時の感情を思い出してか、アレフは深いため息をついた。

アルス「・・・そうだよく考えたら・・・・・・・。ロトさんって、アレフさんやアレンさんたちのご先祖様なんでしょ?もしロトさんが死んじゃったら、それって・・・どうなるの?」

・・・・・・・・・・・!!!

アレフ「・・・・・・え・・・・・?」

アベル「・・うん。ここは様々な世界や時間軸から呼ばれた人間が集う世界だ。
そういうこともありえるんだろうね・・・・」

・・・・・まさか・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・俺がこの世界に飛ばされたのは、おそらくアレフガルドでゾーマを打ち倒した直後。
つまりここで俺が死んでしまったら、出来事に矛盾が発生しその後の歴史が消え、アレフやアレンたちの存在がなかったことになる。

・・・・・こんな重大なことに、今になって気が付くなんて・・・・・・・。

アレフ「そんな・・・・まさか・・・・・・。
・・・ロト様が死んでしまうなどと、・・・・考えも・・・・・・・・」

ロト「・・・・・・・俺も・・・自分が死んだらどうなるかなんて想像もしてなかった・・・・」

途端、全身が重くなったような気がした。
・・・自分のものだけではない複数の命が、この体にかかっていると知ったからか。

ロト「・・・・・恥ずかしい限りだ。俺はもっと色んなことを気にかけるべきだった・・・自分の命にそれだけじゃない価値があると、もっと早くに気付くことができていたら・・・」

・・・・あんな形でみんなに心配をかけることもなかったろうに・・・。

アレフ「・・・・・いえ」

その時、椅子の足が床と擦れる音がした。

アレフ「そのようなことはありえません。断じて。断じて・・・貴方様が御命を落とすようなことはございません。・・私は、そう信じております」

アレフは俺の目を見て、強くはっきりと言い切った。

アレフ「・・・あの時は自らの力が及ばぬばかりに、ロト様が御命を落とされてしまったやも知れぬと・・・私は悔やんでも悔やみきれず、生きた心地がしませんでした・・・。
しかし、貴方様は生きていてくださった。歴史が消える云々などではなく、私の今まで生きてきた意味そのものである貴方様を、失わずに済んだ。
それだけで私は、十分なのです」

ロト「・・・・・・・・」

アレフ「万が一、御身に危険が迫った時にはこの私が命に代えましても、必ずやお守りしたいと存じます。・・・しかし・・・・・」

ロト「・・ああ。アレンとサマルの存在がかかる身である以上、そうはできない。
わかってる。
・・・・・・俺は死なない、絶対に。君の存在も、アレンやサマルの存在も守りぬく。
守れなかった、ムーンのためにも。
俺は・・・・・・・・絶対に死なない」

・・・・生きて、元の世界に帰る。
俺だけでなく、今いる全員で。


―――――――――――
―――――――








―・・・・ははは、ご愁傷様。もうすでに死んでる身だっていうのにねえ。
さあて、どうするかなあ

―おい

―んー?

―気付かれているぞ、“犠牲者”に。死人が紛れ込んでいることが

―知ってるよ。それで彼がどうするのかを見るのさ

―なんだと?・・・ルール違反どころの騒ぎではないな・・・
・・・お前は一体どうしたいのだ

―んー、そうだねえ。・・まずは・・・犯人を見つけ出す

―何のだ

―プレイヤーたちが“注意書き”と呼んでいるものを書いた犯人さ。
少し前になって初めて気付いたんだよ。僕ら観測者にはわからないように、信じられないほど巧妙に隠してあったんだ

―・・・注意書き?何なのだそれは

―いつ何を誰がどうすれば、彼らにとって最善の結果になるのか。
それを一から十まで全部紙に書いて、誰かが教えてるんだよ。
どうりで、やけにスラスラうまく進むなあと思ったよ・・・納得納得。
それにしても、一体何なんだろう

―・・今の今まで本当に気付かなかったのだとすれば、それを書いたのは只者ではないな。
我々の目を盗んで人間たちに助言を与え、狙い通りの結果に導く。