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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第34話

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エイト「・・すみません。今の僕は無意識のうちに、最悪の可能性を一番に考えてしまうんです。・・・・あまり気にしないでください」

ロト「いや、その思考は必要だ。確かに必要だが・・・その心配はない」

アルス「・・・なんでそう言い切れるの?ソロさんの中で“守る”という行為の前提条件が覆ってる可能性も、・・否定はできないよ」

アルスさんは言いにくそうに、しかしはっきりとした口調で尋ねた。

ロト「・・・・俺も少し抽象的な言い方になってしまうが許してくれ。

まず、ソロに対する認識を変えて欲しい。
あいつを“ソロ”という名前の1人の人間ではなく、“このゲーム中、可能な限りプレイヤーを死から遠ざける”というあいつの意志・・・いや・・・システムを擬人化した存在だと仮定する」

エイト「・・・システム・・・・・」

ロト「機械的に、俺たちを守るという目的を遂行するためだけに動く。もちろん守るというのは、生命を危機に晒す状況を防ぐと言う意味だ。
今後この世界でのことは全て一貫して、ソロの言う通りにするのが最善の道になる」

アベル「・・・彼がそこまで言い切ったのかい?」

ロト「直接じゃないが・・・でも、確信するに足るものがあった。

・・・・・・ソロは・・・俺たちを守るために、自分の肉体を完全に捨てたんだ。
自分が人間であったという事実を忘れ去り、他の一切を排除して目的のためだけに存在する“物”になると」

アルス「・・・・“物”って・・・そんな悲しい言い方、ないよ・・・・」

ロト「ああ。でも、それだけあいつの意志は固いってことだ。
能力を制限する器を捨てて、目的の達成において何もかもが完全な存在になった。
だから、もう今までの自分とは別物なのだと・・・そういう意味だろう」

エイト「体を捨てるって、でも・・・一体どういうことなんですか?
今のソロさんは・・・」

ロト「・・・・・それは・・・すまないがまだ、うまく説明することができない。
ただ今のソロの姿は、実際に存在するものではない。それだけは言える」

エックス「なっ・・・・・」

アベル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


・・自分たちには何も出来ることなどなかった。
彼には選択の余地などなかった。

ロトさんの表情からは、自らの無力さへの静かな憤りと、自分という存在をあっさりと捨ててしまったソロさんへの、怒りとも悲しみとも取れない感情がにじみ出ていた。


エックス「ちょっ・・・待てよ・・・。・・・何なんだよ一体・・・・・・。
体を捨てるって、今の姿は偽物って・・・訳わかんねえよ・・・・。
それってなんかの比喩なのか?だとしたら一体どういう意味なんだよ!?」

ロト「・・いや。比喩じゃ、ないんだ。
実際にソロという人間はもういない。あいつは・・・自分の体を跡形もなく、消した。
例え話じゃなく、本当にもう・・・いないんだ」


・・・・消した・・・・・・・・・・?


アベル「・・・・・本当にこの世界に彼の体が存在しないとしたら。
でも、有り得るね。彼にはそれが可能なんだ。可能になってしまった。
そしてどうにかして意識だけをこの世界に残した・・・」


エックス「・・・・・・・・なあ、それってさ・・・・・・俺がおかしいんじゃなければ・・・・・・
・・・・・・・・・・・自殺した、って聞こえんだけど・・・・・・・・・」




――――――――――

―――――

――












??? ?????? ?????????







―・・・・・あれ?・・・・・・どうして君がここに?


―・・・・・・・さあ。どうしてだろうな


―お前は。・・まさかこの次元に干渉できるまでになるとは。
・・・・なるほど、考えたな・・・・・・


―俺がここに来れるってことは、お前たちがあのゲームの世界にそれだけ近づいてるってことだろう。――彼のやったことに気付いて。
あの時間軸を抹消するつもりなんだろうが、そうはさせない。
お前たちには、あれより前の時間軸に手を出すことはできない


―ほう・・・・。なぜそのようなことが言える?このゲームは天界全域の協力によって創造されているのだぞ。ルールを多少修正する程度、時間の神たちの力を借りれば造作もないことだ


―今から分かる。・・俺の侵入をみすみす許した時点で、お前たちは時間を操作する力を失ったに等しいんだ


―へえ!言うじゃないか。一体何を見せてくれるんだい?
楽しみだなあ


―もう既にお前の正体はわかってるぞ、リトセラ。――いや。

・・・・創造神ベルハングニス・ナハト



―・・・!!

―・・・何・・・・・・?


―・・・夜半の大災害・・・・かつて人々はお前をそう呼んだ。
お前の父親もな


―・・・・・・・・・ふふふ・・・。そうか、わかったよ。
僕らは少し・・・いや、かなり君を見くびっていたようだね。
それが代償の力か・・・・・・


―・・・創造神だと・・・?どういうことだ?
・・・貴様一体何を隠している・・・・・・・・・・?

―ごめんねえ、隠してたつもりじゃなかったんだけど。
・・・確かに僕は創造神だった。・・大昔の話さ。
このことを知ってるのはエノシアとミトラ様だけ・・・のはずなんだけどねえ


―そうだろうな。俺は情報を入手したんじゃなく、この結果を計算で割り出したんだ


―・・・君、どうしてそうまでして自分を犠牲にしたがるんだい?
僕らはもう、君たちが注意書きと呼んでいるものを作り出したのが誰か、わかってるんだよ。
あとはその事実を消去するだけだ。
・・まさか本当に止められると思ってるのかい?


―そうでなければ、俺がここにいる意味がない。お前らが招き入れたんだぜ


―・・・・・・ソロ、と言ったな。
今のお前の存在レベルがどの階級に移されるか知っているのだろうな?


―もちろんだ――だが、そんなことはどうでもいい。
・・エノシアがなぜ注意書きの存在に気付いておきながら何もしなかったのか・・・どうやら知らないらしいな。つまりお前たちはこの儀式の全貌を、把握していない


―・・・・何だと?


―ゲームの真の目的だ。各概念の最上位の神々だけが知っている真実。
そしてエノシアは俺がここにいて今から何をするのか知った上で、それでも何もせずにいる。
これがどういうことかわかるよな?


―・・・彼が、君を“概念”として認めたということだね。ふふ・・・そうか。
おめでとう、ソロ。これでようやく、長年の恨みが晴らせるというものじゃないか。・・ああそっか、君にはもう感情なんてないんだったね


―そうだな。・・俺が、認めさせたんだ。
認めざるを得ない条件を、提示してみせた


―最高破壊神を相手に随分と強気に出たものだねえ。
・・・ふふっくくく・・・・いいね、嫌いじゃないよ。
それでどうする?もう皮は剥がれかかってるからね・・・・
僕の正体を完全に暴いて概念否定でもしてみるかい?
そうすれば僕は消えてなくなる。君たちは助かるかも知れないよ?


―是非そうしたいところだが、今の俺にはまだそれほどの力はない。