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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:Ruineme Inquitach 記録002

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「まあ落ち着けって。・・無理か。大丈夫だ、あいつはまだここに来たばかりだからな。暴れられるほど体力は回復してない。数時間の猶予がある。その間にちょっとしたオリエンテーションをするってだけの話だ、気楽にいこうぜ」

「・・しかし、このままではエリアE支部が・・・」

「大丈夫だって。そう時間のかかるもんじゃない。
本当ならもっと後で、順を追って少しずつわかってくる方が物語としては正解なんだろうが、あいにく俺はそこまで気が長くない――だから今ここであらかた喋ってしまうことにする。

・・まずもうわかってる通り、俺はワンの細胞の持ち主だ。今となっては元・持ち主という表現が当てはまるがそこは長くなるから端折る。
ワンは来年の2月でやっと7歳になるんだよな?笑える話だ、この世界じゃ外見は年齢を判断するためにはクソほども役に立たないらしい。
髪の長さ以外、俺の見た目はワンと全く同じはずだが・・・俺は何歳に見える?」

ふと視線を向けられたクロウ博士はぎょっとして、しかしそれほど間をおかずに答えた。

「行って二十歳そこそこってとこか。・・十代にも見えるが」

「まあそうだろうな。だが実際には、俺はワンの100倍以上生きてる。お前らの中で一番歳をとってる奴の少なくとも14倍は生き続けてるってことだ、笑えるだろ。
・・笑いたきゃ笑っていいんだぞ?まあいい、今のは別にジョークじゃない、本当の話だ。

だがクリアの力に気付いたのはほんの数日前でな・・・信じられないかも知れないがこれも事実だ。なあ、ここの研究ではクリアで可能なことはどれ位判明してるんだ?」

「・・物質のあらゆる運動、あらゆる破壊が主よ。また細胞の信号によって電子機器や有機物とデータのやり取りをすること、高速演算処理、記憶、物質の解析も可能だということがわかっているわ。・・・より成熟すれば物質を操作・構築することもできると考えられているけれど・・・」

勿論、その場にいた研究員たちは理解していた。突然無の空間から“彼”は現れたのだから、物質の操作や構築など既に造作もなくこなせるのだろうと。

「そうか、なるほど。・・実を言うとな・・・君らが今見ているこの身体は俺の本体じゃないんだ。
700年も生きると・・・色んなことがどうしようもなく――面倒になってくるんだ。何もかもが。だから俺は逃げた。さっぱり言うと自殺した。
・・だが知っての通り、エヴィギラヴィットは不老不死だ。その結果ものすごく面倒なことになった。俺の身体はどこにも存在しないが、どこにでも存在するようになった」

テーブルの上の身体が足元から崩れて消え、次の瞬間、部屋の出入り口の前に現れる。

「今から俺はこの宇宙のあらゆる場所、あらゆる時間に存在する。
これからこの世界にはより多くのクソッタレなモンスターどもが押し寄せてくるが心配はいらない、俺達で解決してやる。その代わり決して邪魔はするなよ。

脅すわけじゃないが、俺達はやろうと思えば15分そこらでこの世界を滅ぼすこともできる。存在する全ての生命を殲滅するという意味だ。もっとやろうと思えばこの宇宙ごと消し去ることもできる。
だがどうか怖がらないで欲しい。これはあくまで最終手段であって、よほどのことがない限りお前達に危害を加えるつもりはない」

職員全員が無言で硬直した。・・“彼”は薄く笑ったままため息をつくと、数回軽く手を叩く。

「オーケー、言い方が悪かったようだ。
俺達は何もこの宇宙を襲撃しに来たわけじゃない、助けに来たんだよ。さらに言えば意味を深読みする必要もない。ただわかっておいて欲しいことがあるんだ。
もしどうしても、何があっても、全身全霊をかけて俺達の邪魔をするつもりなら、申し訳ないが排除させてもらう、それだけの話だ。協力してくれるなら絶対に危害は加えない。絶対にだ。それどころかあらゆる危険から守ってみせよう」

「・・・・貴方は、この世界が憎いわけではないの?・・神様に頼まれて来たと言っていたわ、それは一体どういう意味なの?」

「どういう意味も何もない。そのままだ。あらゆる次元と宇宙には、それぞれ配属された創造神がついている。また一生を終えた宇宙を壊す破壊神もいる。そいつらにこう言われた、“滅びかけた宇宙があるから救ってこい”と。手前らではもう手に負えないから、特別に選抜された俺達がこの宇宙の滅びの運命を変えるため、派遣されてきた」

全く真面目な顔で、まるであたかも真実であるかのように語る“彼”だったが、研究員達もこればかりは怪訝な顔をせざるを得なかった。一体どういう意味を持った比喩なのか、自分達に何を植え付けようとしているのか。誰もがそればかりを考えていた時。

「・・・君は、神と意思の疎通が出来るのか?」

スワードソン博士は何一つ疑う様子を見せず、素直にそう聞き返した。・・この時スワードソン博士の中に存在した思惑はたった一つのものだった―それは事実だが、しかしこの状況と博士の聡明さからして、それに“素直”という表現が当てはまらないこともまた事実だった。

そしてまた、“彼”もその事実を知っている。
この瞬間から互いに意味が噛み合っておらず、また意味が噛み合っていないことを互いに理解してもいる・・・と言う奇妙なごっこ遊びが始まった。

「ああ。顔見知りが何人かいる。・・いいか、これと同じ思考の方程式はかなり沢山のものに当てはまる。君達がよく行う議論や会議、日々のなんてことない口論、幼児同士の喧嘩から戦争に至るまで、全く同じ単純な式から成り立ってるんだ。少し考えればわかるだろ?
どちらかを真実と決め、どちらかを虚偽と決め付けるんじゃない。どちらかを正義と決め、どちらかを悪だと決め付けるでもないんだ。それじゃいつまで経っても先へ進めない。オーケー?」

「・・そうだな、君の言う通りだ。だが・・・我々は君のその助言をどう受け取り、どう活かしてゆくべきか―いや、やめておこう。それを我々に考えさせるために言ったのだろうな」

「わかってるじゃないか。これからも俺は事あるごとに意味不明な言動をするだろうが、どうか気にしないで欲しい。気にしないでいてくれればそれで十分だからな。
ところで話が少し変わるが、この世界には魔法が存在しないらしいな」

「・・・ああ、そうだ、残念ながら。だがここには君達の世界にはなかったものがあるだろう」

「うん、驚いてるよ。魔法が不必要なのも頷ける。ただな、こういう時にはやっぱり魔法ってのは便利なものだぜ」

“彼”は視線をモニターに移し、唇を片方だけ釣り上げてうすら笑んだ。


・・先ほどの山のような怪物に向かって、巨大な炎の波が上空から押し寄せ、肉塊の先端で蠢く触手を焼いた。
次の瞬間にはまたしても空中から、目が眩むありえない―異様な色をした閃光のような―音と光の形状からして電気エネルギーと思しき何かが迸り、肉塊を包み込んで爆発を起こした。

ほとんどの研究員たちの目が、モニターに釘付けになる。

ベルティーニ博士が足早に歩み寄り、手をスライドしてモニター映像をズームさせ、炎やエネルギー体が発生したと思われる場所を拡大した。