機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海
B80要員は、誘導確認後バンカーに退避。
針路クリア。
発進よろし」
オペレーターの指示によりザムザザーは、リフトアップし発進した。
※
それは、α艦隊でも確認できた。
「アンノウン接近」
ヘルマン中尉が報告した。
それにマーカー艦長も反応した。
「光学映像出ます」
エルヴィン中尉がモニターに映像を出した。
「なんだあれは?」
異様な形にミハイル副艦長は、思わずそんなことを言った。
「空を飛ぶモビルアーマーか」
しかし打って変わってマーカー艦長は、冷静だった。
「あんなにデカい」
ミハイル副艦長は、大きさにも驚いた。
「あんなのに取り付かれたら終わりだ。
ミハイル、主砲起動。
あれと共に左前方の艦隊を薙ぎ払う」
マーカー艦長は、即座に命令した。
その命令にミハイル副艦長は、驚いた。
「沈みたいか?」
マーカー艦長は、きつく質問した。
「あ、はい。
い、いえ。
主砲起動。
射線軸コントロール移行。
照準、敵モビルアーマー」
ミハイル副艦長は、冷静さを取り戻し主砲の発射準備を命令した。
※
それは、ザムザザーでも確認できた。
「敵艦、主砲発射態勢確認」
パイロットの1人が報告した。
「陽電子リフレクター展開準備」
別のパイロットが命令した。
「敵艦に向けリフレクション姿勢」
もう1人のパイロットが復唱しザムザザーは、リフレクション姿勢を取って陽電子リフレクターを展開した。
※
「撃て」
リーン・ホースJr.は、主砲をモビルアーマーに向け発射した。
しかしビームシールドがモビルアーマーへの直撃を防いだ。
近くにいた艦艇は、余波で撃沈した。
巨大な爆発と大量の水しぶきが舞った。
皆は、しばし呆然としたがモビルアーマーと艦隊が無事なのに気付くとほとんど全員が絶望した。
「主砲が効かない?」
ジョニー中尉は、絶望の中そういった。
※
「取り舵20、機関最大、副砲照準、左舷敵戦艦」
マーカー艦長は、もはや軍艦ではあのモビルアーマーに勝てないと判断し逃げの戦法に切り替えた。
「でも艦長。
どうするんです?
あれ」
ミハイル副艦長が恐る恐る質問した。
「ガンダムサイガーに任せる。
アルベルト、回避は任せる」
マーカー艦長は、モビルアーマーはガンダムでなければ撃墜不可能だと感じていた。
「はい」
アルベルト曹長が答えた。
「エルヴィン、サイジョウ元帥とサオトメ大佐は戻れるか?」
マーカー艦長がエルヴィン中尉に質問した。
「はい」
エルヴィン中尉が答えた。
※
ザムザザーは、α艦隊を攻撃圏内に入れた。
「主砲、1番2番、照準敵戦艦」
パイロットが命令した。
※
そこにサイジョウ元帥駆るガンダムサイガー改がカスタム・ビームザンバーを持って接近した。
モビルアーマーもそれに気づき回避した。
「意外に身軽だな」
サイジョウ元帥は、大きさの割に動きが速いので驚いていた。
サイジョウ元帥は、再びモビルアーマーに接近した。
※
それは、ザムザザーも気付いた。
「フロー展開」
パイロットが命令した。
「フロー展開」
別のパイロットが復唱した。
するとザムザザーは、ヴァシリエフを展開し赤熱させた。
※
サイジョウ元帥も気付き一度離れた。
そのためクロー攻撃を回避できた。
※
「そのひ弱なボディーを引き裂いてやる」
パイロットは、ザムザザーなら皇帝だろうが死神だろうが負ける気がせずどんどん攻めた。
※
サイジョウ元帥は、気迫で負けていたが背後からのビーム攻撃を回避した。
ジーン中尉は、敵機のビーム攻撃を上昇して回避した。
そこにテリー大尉がビームライフルを連射し援護しながら接近した。
「ジーン、ここは任せる。
俺は、長距離援護するやつをやる」
そういうと長距離からビーム援護をする敵に接近した。
そしてビームライフルで攻撃したが回避された。
敵機も反撃してきたが回避した。
※
敵パイロットもしつこく感じた。
「援護してくれ」
パイロットは、僚機に援護を求めた。
すると僚機の2機がガイヤス・ギヤに攻撃を始めた。
※
テリー大尉は、3機の猛攻を回避しながら反撃し続けた。
すると1機の新型量産機がビームライフルを撃ちながらビームサーベルで切りかかってきた。
ビームサーベルをシールドで防ぐと反対側から別の新型量産機がバズーカを構えた。
「後ろ?」
テリー大尉は、機体を前回りさせながら上昇させ回避した。
弾頭は、敵機に命中し撃墜した。
そしてバズーカを撃った機体にビームライフルを3発撃ち3発目で撃墜した。
「援護の機体は、どこだ?」
テリー大尉は、再び長距離支援機を探した。
ジャンヌ・ダルク所属のエリース・シュレッサー大尉とアンリ・ムーア大尉は、自分たちに弾頭が来たのに気付いた。
「次から次へとゴキブリみたいに」
エリース大尉は、敵の数にうんざりしていた。
「まるで量産人間じゃないの」
アンリ大尉は、コーディネイターの特性と数からそう考えた。
回避したミサイルが海上に命中し水柱を作り上げた。
「倫理に反した存在ごときに負けるか」
エリース大尉は、コーディネイターだけには殺されたくはなかった。
※
ウィンダムのパイロットは、トーデスブロックをマウントするとビームサーベルを持たせた。
「旧人がこの地球をもう一度好き勝手しようとするのが許せないのだよ」
※
「あんたのような奴は、好きじゃないね」
エリース大尉は、そういうと2機はつばぜり合いをした。
しかしパワー負けしてしまい一度距離を取った。
すると新型量産機は、ロケット弾を発射した。
エリース大尉は、バルカン砲で迎撃したが視界が効かなくなった。
すると突然目の前から敵機が、現れ体当たりしてきた。
エリース大尉は、衝撃に襲われた。
「エリース」
アンリ大尉は、エリース大尉を心配した。
※
1機の新型量産機は、セント・アイビスにロケット弾を撃った。
ロケット弾は、見事命中した。
衝撃は、ブリッジを襲った。
「主砲、撃て」
副艦長のグレッグ・アサイ中佐の命令でセント・アイビスは、主砲を発射した。
※
サイジョウ元帥は、ガイヤス・ギヤのビームライフルの出力まで下げたメガビームライフルを撃ったがビームシールドの前では何発撃っても防がれた。
「やはりビームライフルでは、決定打にならないか。
何とか接近しないと」
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海 作家名:久世秀一