ドラクエ:Ruineme Inquitach 記録006
・アリオーソピアス 毎ターン後HP100回復、獲得経験値1.3倍
オリハルコン+ミスリル銀+ヒールドラッグA+銅のピアス
・パターンハックイヤーカフ バトルソング効果+11%
虹色のオーブ+ファシネイトパス+ファシネイトパス+金のピアス+ガラスのイヤーカフ
「おい大丈夫なのか?突然ぶっ倒れたけど!」
「ああ、心配ない。ショック性の一時的なものだから・・・」
「何か・・私達にできることは?」
「大丈夫だ、気持ちだけもらっておく。・・ほらすぐ治っただろ」
「・・・・・本当に大丈夫なのかよ」
「俺が大丈夫だって言ってんだから大丈夫だ」
「・・そうね。貴方がそう言うならきっと何も問題ないわね。・・ひとつ聞きたいことがあるのだけれど」
「申し訳ないが却下だ。その質問には答えてやれない」
「・・・・そうよね、そう言うと思ったわ」
ベルティーニ博士はソファに腰を下ろし、黙って作業を再開した。
「・・・おい」
「何だ?今の対応は冷たかったか?」
「・・・・・お前な」
「勘違いしないで欲しいんだが、俺は忠実で便利な人工知能でもノーメマイヤーの姉妹製品でも何でもない。俺には俺のやるべきことがある、あんたにはあんたのやるべきことがある。だろ?」
「・・・そうだな・・・」
「そんなことよりな、面白いこと思い付いた。ロック・シザース・ペーパーだ。どういうわけかこっちの宇宙にも同じようなのがあるんだぜ」
「何なんだ突然。何をさせようって?」
「簡単な話だ。レクリエーションタイムだよ。あんたが勝手に記録してるの以外は自己紹介もまだだったし、お互いあんまりよそよそしいままでもやりにくいだろうよ。ここらでちょっと親交を深めようってことさ」
「よそよそしいっつっても、そもそもが・・・」
「辺外宇宙の存在同士仲良くして何が悪いって?」
「いや・・・お前がやるっつうならいいけどよ」
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「これが石、これが紙、でこいつが鋏だったな。全く同じだ。神々の悪戯ってやつかもな。わかりやすいようにワンツースリーで行こう」
「小学校かよ」
「今まで寝てた割にいいツッコミだな。まいいさな、それで俺達とお前らでジャンケンして、それからどうするんだ?」
「別にどうもこうもない、遊びだ。言ったろ、レクリエーションだって」
「えーー・・・だったらもうちょっとこう、異文化交流というか・・色々あるだろ、他に」
「不満か?だったら負けた方が勝った方に何か自分についてのことを話す、にすればいい。あんまり知られたくないようなことをだ」
「いやそうじゃなくて・・・」
「やめとけランディ、こいつわかっててやってるから。余計なこと言うともっと変な条件付け足されるぞ」
「何というか、らしいチョイスですね・・・」
「心理学の表面そのもののようなゲームじゃないか。貴方のようなエキスパートには簡単なんじゃないかね?」
「どうでしょう。彼らに我々の心理学が通用するかどうかですね」
「・・それ私も参加しないとダメかしら?だったら彼女も起こしてくださる?」
「ああそうだな。よし」
「ちょ・・・」
直後、ルーム内に甲高い悲鳴が響き渡った。
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「もうそろそろ俺の色合いにも慣れてくれたと思ったんだけどな」
「まだ早えよ」
「じゃ・・ジャンケンですか?ジャンケンをすればいいんですか・・・?」
「そう。で、負けたら何か秘密を暴露するってとこだな」
「それじゃ最初は俺と・・・あんたでいいか」
「でいいか、って何だよ。ただの公開処刑じゃねえかチクショー」
心底面倒臭そうにベクスター博士は眉をひそめた。
相変わらずニヤつくソロと目線が合わないよう顔を背けながら手を差し出す。
そしてやる気のなさげな掛け声とともに、案の定勝負は一度でついた。
「ですよねー、やっぱこうなりますよねー。つうかお前に勝てるわけねえだろ・・・」
「それを言っちゃお終いだ。はい、じゃあまずは普通の自己紹介をどうぞ。しっかり訳してやるからな」
「ニヤニヤしやがってこの野郎、・・っておい今のは訳さなくていいだろ、もう始まってんの!?
・・・・。・・えーと、ミカエル・ベクスター博士だ。この研究所で異常遺伝子学室長と手術実技指導員をやってるが、基本的には脳と遺伝子の研究をのんびりやってる。・・ああ、それも今までの話で、今はこの宇宙に来る化け物達の生態分析と遺伝子構成の――」
「ストップ。もうちょいわかりやすい言葉で」
「・・・・・。えーっと。・・脳みその働きだとか、身体を構成してるものの特性とかを・・・」
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「・・と、こんな感じでやるんだ。お互いを知るのにちょうどいい遊びだろ?」
「面白そうじゃん。オレジャンケンなら得意なんだ」
「ジャンケンが得意ってどういうことだ?あれ運だろ?」
「いやいや。割と深い心理戦なんだぜ」
「でも負けたら自分のこと色々話さなきゃいけないんでしょ?しかもみんなに見守られながらジャンケンするってなんか恥ずかしいな・・・」
「まあ・・いいんじゃないかな。確かに相手のことを何も知らないまま協力しようというのも難しい気がするしねえ」
「つか、ソロは絶対負けないだろ。勝負にならねえじゃん」
「いや、俺は通訳。みんな俺のことはあらかた知ってるだろうし、向こうにももうほとんど説明した」
「だからあんなに親しそうに話せてるんですね・・・」
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「あっ負けた。凄いな君は・・・あー、まずは普通に自己紹介でいいかな。私はヴィンセント・スワードソン博士、一応この施設のリーダーだ。専門は世界の色んな法則やその理由などを研究する分野で、自然の力についても研究している。最近は専らベクスター博士と同じで、モンスター達についての研究に追われる毎日だけどね。
好きなことは・・・そうだな・・・知らないこと、わからないことをとことん追求する、かな」
「趣味が研究だもんな。学生時代から暇さえありゃ物理学と高度応用数学のテキストばっかり読み漁って片っ端から解いてたって聞いたぜ」
「あ・・ああ、それはね・・・自分に解けない問題などこの世に存在しないってことを証明しようとしてたんだよ。いや、恥ずかしいな・・・早くもバラされちゃったよ」
「結果学校のデータにある問題という問題全部解いて、しまいには学者に“もっと難しい証明はないのか”って真面目に問い合わせたそうじゃないか。いやあ、頭が下がる」
「うーん・・もういいだろう、まだ1回しか負けてないのにネタがなくなってしまうから・・・」
ベクスター博士とクロウ博士に次々と黒歴史を暴露され、スワードソン博士は多少赤面して咳払いをした。
「若気の至りってやつだな。それじゃレック、次どの人にするか選んでいいぞ・・って、もうカズモト博士しか残ってないっけ」
現在5連勝中のレックの横で、ソロは軽くため息をついた。