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のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版

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第二話 生存者たち


「おぉ! 無事だったか心の友よ!」
「ノロマなお前がよくここまでたどり着けたな」
「よかった……!」
「野比君、無事で何よりだよ!」

 のび太が保健室に入るや否や、先ほど別れた三人とクラストップの秀才・出木杉英才(デキスギヒデトシ)が駆け寄ってきた。スネ夫は言葉こそ嫌みたっぷりであったが、その顔はジャイアン、静香、出木杉と同様にのび太の到着を喜んでいた。ちなみに、出木杉はのび太が持っているものと同型のハンドガンを、ジャイアンは金属バットを持っている。ここに来るまでの道中で拾ったのだろう。

「静香ちゃん、ジャイアン、スネ夫、それに出木杉も無事だったんだね!」

 のび太も四人の友人の無事な姿を見て安堵する。
 だが、ここにいるのは彼らだけではなかった。室内にはのび太たちの他に二人の人間がいた。

「あなたたちは確か生徒会の……」

 その二人はのび太にも見覚えのある顔であった。

「あなたが武君たちが話していたのび太君ですね? 私は生徒会長の緑川聖奈(ミドリカワセイナ)です」

 一人目は紺のセーラー服にグレーのプリーツミニスカート、白ソックスに茶色のローファーという、一見すると中学生にも見える、オレンジ色のカチューシャがよく似合うロングヘアの女の子だ。

「私は生徒会書記の桜井咲夜(サクライサクヤ)。聖奈のクラスメイトで親友よ。よろしくね」

 二人目は赤いジャケットに黒いインナー、白いミニスカートに黒いニーハイソックスと茶色のブーツという、清楚な印象の聖奈とは対照的なカジュアルな格好をしたショートヘアの女の子だ。
 二人の話では、聖奈はテニスクラブの合宿、咲夜は旅行で町を離れていて、帰ってきたらこの騒ぎだったとのことだ。

「そんでもって俺が太刀川剣一(タチカワケンイチ)。大学生だ」

 聖奈と咲夜の自己紹介が終わったところで、先ほどのび太の危機を救った黒ずくめの男が保健室に入ってきて名を名乗った。いかにも剣士といった感じの名前だ。

「野比のび太です。よろしくお願いします。太刀川さん、さっきはありがとうございました」
「おう」

 のび太も三人に自己紹介をし、自分を助けてくれた太刀川に礼を言う。太刀川も笑顔でそれに応えた。

「そうだ! ドラえもんは? ドラえもんは来てないの?」

 ここでのび太はドラえもんのことを思い出し、静香ら三人に尋ねた。

「残念だけどここにはいないよ……でもドラえもんのことだからきっとうまく切り抜けているはずだよ」
「そうよのび太さん! ドラちゃんなら大丈夫よ!」
「ひみつ道具だってあるんだからあいつがそう簡単にやられるわけないだろ。きっと無事だ! 俺様が保証する!」

 三人もドラえもんの姿は見ていなかったが、彼の生存を信じていた。

「……そうだね。ドラえもんなら心配いらないよね!」

 三人の言葉を受け、のび太もドラえもんの無事を信じることにした。

「ドラエモン? ヒミツドウグ? 一体何のこと?」

 四人の話に疑問を抱いた咲夜が彼らに質問を投げかけた。

「ドラえもんは二十二世紀の世界から来たネコ型ロボットです」
「いろいろあってのび太のお守りをしてるんだ」
「ひみつ道具というのは、彼が使う二十二世紀の道具のことです。どの道具も現代の科学力では考えられない、未来文明の象徴と言える素晴らしいものです」

 スネ夫、ジャイアン、出木杉が順番に答える。

「私たちが持ってるこのカバンもドラちゃんの道具の一つで、“四次元カバン”というものです。中が四次元空間になっていて、このような様々なものを出し入れすることができます」

 百聞は一見に如かずだとばかりに、静香は持っている四次元カバンの口を開け、中からカバンよりも大きなバイオリンケースを取り出してみせた。この四次元カバンは、ドラえもんが無人島バカンスのために用意したもので、のび太、ジャイアン、スネ夫もこれを使って好きなものを島に持ち込んでいた。ちなみに、彼女らの四次元カバンは肩掛けがついているタイプで、両手が自由になるのが特徴だ。

「これが……二十二世紀の技術……!」

 まるで魔法のような現象を目の当たりにし、驚愕する聖奈。彼女の隣にいる咲夜も同じ表情をしている。

「これ以外にもたくさんの道具がありますよ。頭につけるだけで空を飛べる“タケコプター”やどんな場所にもすぐに行ける“どこでもドア”。時間旅行ができる“タイムマシン”に、もしもの世界を実現させる“もしもボックス”」

 若干興奮気味にひみつ道具の例を挙げていくのび太。その顔は自慢話をしている時のスネ夫のようだ。

「他にもまだまだ色々な道具が……」
「ちょっと待て」

 そんなのび太を太刀川の一言が遮った。

「おいおいのび太。お前がくどいから太刀川さんが怒っちゃったじゃないか」
「そうだぞのび太。謝れ」
「うっ……す、すみません」

 スネ夫とジャイアンに非難されたのび太が太刀川に頭を下げた。

「いやいや、俺は別に怒ってないぞ。むしろひみつ道具とやらに興味津々だ」

 別に太刀川はのび太に腹を立てているわけではなかった。

「ただ、少しおかしいと思ってな。そんなに便利な道具が揃っているなら、すぐにでもお前たちを助けに来そうなもんだろ。なのに何故来ない?」

 太刀川の指摘は尤もであった。どこでもドアを使えば、のび太たちを安全な場所へ避難させることは容易なはずだ。無人島から帰ってきたときにも使っていたのだから、その手を思いつかないはずはないだろう。

「確かに妙だよ。まさかドラえもんの奴、僕たちを見捨てて一人だけ逃げたんじゃ……いや、もしかしたらこの騒動を起こした張本人ってことも……!」

 たちまちネガティブ思考に陥るスネ夫。他の面々も、ドラえもんへの疑念を抱き始めていた。

「いや、ドラえもんはそんなことするような奴じゃない! 今姿を見せないのも、きっと何か別の事情があるからだよ!」

 だがのび太だけは違った。スネ夫のネガティブ思考を真っ向から否定し、彼の潔白を断言した。

「……のび太の言うとおりだ! ドラえもんがそんなこするなんてあり得ねぇ!」
「うん。僕たちを助けるために色々と準備をしているのかも知れないね」
「スネ夫さん、ドラちゃんを信じましょう!」
「そ、そうだね。考えすぎだよね!」

 のび太の言葉に感化されたジャイアン、出木杉、静香もドラえもんの潔白を信じることにし、スネ夫も考えを改めた。

「のび太君たちがドラえもんさんを信じるのなら、私も信じます」
「私も信じるわ」

 聖奈と咲夜も、ドラえもんへの疑念を捨てたようだ。