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伝説の超ニート トロもず
伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:Ruineme Inquitach 記録010

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「水色がメルマ、オレンジ色がベート、緑がリント、黒いのがテネブレ、黄色がリモーネ、赤いのがキルシェ、ピンクはペルシカ、紫がミルティユ、黄色に黒い斑点のある奴がスポット、白いのはフォエッティ、クリーム色で頭だけ茶色い奴がコンレーチェ、濃いほうの黄色がトネールだ。こんなもんでいいか?」

「シャレオツな響きだな。でもランダムシャッフルにしちゃ偏りがないか?」

「可愛い音ってのを前提にしてるから仕方ない。そこは俺の偏見で選んでるから。あいつらにあんま強そうなのとかカッコいい名前つけても仕方ないだろうよ」

「まあなあ。しかし、それって彼らが考えたのをお前が訳しただけなんだろ?なんつうか割と・・・素直なネーミングだな。わかりやすくていいじゃん」

「だよなあ。緑はリンデン・・・つまりライムだろ?黄色はレモン、赤はサクランボ、ピンクは桃と来た。他はブルーベリーとかプリンとか・・・可愛らしいなぁ発想が」

「あとで伝えとく」

「おい褒めてるんだからな?・・なんかあいつら、戦いで戦闘モードに入ってる時と全然違うな・・・なんていうか、年相応って感じがするぜ」

決まりたての名前を本人達に覚えさせようと先程からずっと一緒に遊んでいる。ミニスライムたちもすっかり懐いたようで、楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねてはピキピキ鳴いていた。

「すっげえ懐いてるし。何だろうなあ、俺達の前じゃ普通にしてるか固まって寝てるかなのにな」

「もともと同じ宇宙の存在ですから、同じ匂いを感じるのかも知れませんね。または純粋で、複雑な思惑なしで接して来る彼らに安心し、心から好感を持てているのかも知れません」

「両方あるんだと思うぜ。ところでな、俺達の中には実はベクスター博士とクロウ博士と同じかより年上もいるんだぜ」

「え!?」

「うっそ・・・誰だよ」

「ああ、自己紹介の時には暗いエピソードは避けるようにしてたからアレだが、アベルの実年齢は30前後なんだぜ。わけあって呪いで石像に変えられたまま10年間過ごしたから、肉体は実年齢より10歳若いんだ」

「へ、へぇー・・・」
――――――――――――――――――
――――――――――――


「・・・なんていうか、独特な香りがするお茶だな・・・」

「・・なんかお風呂に入れてもいい感じにリラックスできそう」

「風呂!?そおかなぁ・・・普通にクッキーとかと合いそうな感じの香りじゃね?」

「クッキーか。でも何となく柑橘系の味が合いそうな感じがするな・・・あとは逆にバタークリームとか」

「チーズにも合いそうですね。・・なんかチーズ食べたくなってきました」

「シフォンケーキとか食べたい」

「むしろケーキ作りたい。このお茶の香りつけたらうまそうじゃね」

「いいねそれ。ていうかもうこれのアロマキャンドルとか欲しいレベル」

「バニラアイスが欲しいです」

「甘いものいいねー。もう逆にアイスとクッキーをお風呂に入れたい」

「べっとべとになりますよ」

「甘いもの食いてえなー・・・でもそしたらしょっぱいもの欲しくなるよなー。魚の塩漬けとか」

「みんな発言がどんどん自由になってきてるな。・・・あっしまった、リラックスすると余計血圧が・・・」

「タバスコでも入れてやろうか?」

「あ、いいかも」

「いいのかよ。ところで発言が自由ってどれくらい自由なんだ?」

「柑橘系のバタークリームとチーズとこの紅茶でシフォンケーキとアロマキャンドル作って、魚の塩漬けを食いながらバニラアイスとクッキーを風呂に入れたいそうだ」

「ちょっと意味わかんねえけど、とりあえずは気に入ってもらえてよかった」

「そんなカオスな会話が繰り広げられてんのかよ。つか、なんか俺も甘いもの食いたくなってきちゃった」

「甘いものですか・・・即席のものですとビスケットとチョコレートと・・・ああ柑橘系、マーマレードのジャムがありますね。あとは塩味のクラッカーもあります」

「魚の塩漬けは?」

「・・・魚はないんですが、缶詰のオリーブとキャビアなら」



「なんかもう完全にティーパーティーと化したな」

「オリーブ美味しいね。・・・ワインが飲みたいなあ」

「・・ちょ、velvetyども普通にめっちゃキャビア食ってやがる・・・なんか悔しい」

「塩分のとり過ぎは良くないな。あの子らの場合水分が取られてしわしわになっちまうから。まあ水に入れたら元に戻るんだけどな」

「・・・そう言や風呂になんか入れるとかアロマキャンドルがどうとか言ってたけどそれは?」

「気にするな、もうとっくの昔に全然違う話題に移ってる。ティーンエイジャーの雑談力を舐めるなよ」

「ちなみに現在はどのような会話を?」

「リモーネとキルシェの寝顔ぐうかわ、あの黒いツブツブしょっぱいから食わせない方がいい、異常に眠い、重力で空飛ぶの何気に楽しい、あのオラついてる寝癖の人面白い、ジャンケンの人とコーヒーの人の歳が気になる、あの人が銜えてる白い棒は一体何なのか気になって寝れなさそう、ビスケット紅茶につけるとうまい、18で結婚って早い」

「なるほどカオスだな。つか、俺達そんなふうに呼ばれてんだな」

「コーヒーの人って僕のことだよね。言われて初めて気づいたけど機械に触ってないときはほぼ常にマグカップを持ってたんだね僕は」

「まあカズモトさんはジャンケンの人になるだろうな。つか、俺別にオラついてはなくないか!?」

「そして一瞬にして話題が“18で結婚”に飛んだのがまた意味深だね」

「とりあえずあんたが銜えてるのは棒付きキャンディーだと説明しておく」

「それだと俺のあだ名がキャンディーの人になりかねないだろ!?つか絶対なるだろ!」

「いいじゃないですか、可愛らしいイメージがついて。どうやら彼らは可愛いものが好きなようですから」



「・・・・あれ。カタいな・・・・開きそうもねえ。おいミックちょっと試してみてくれ」

「ん?・・マーマレード?」

クロウ博士は首を傾げて、果肉と果皮入りのオレンジ色のジャムがいっぱいに詰まったガラス瓶を差し出す。

「ガラス瓶ってこれ相当いいやつだよな。どれ・・・。・・・・・・んー、駄目だなこりゃ、道具がいるわ。カズモトさん、瓶を開けたいんだが何かないか?」

「ああ、それは道具がないと開けられないタイプのものですね。・・・私としたことが失念していました、瓶開けを別の場所に置いてきてしまったようです」

「・・・それなら、彼らに開けてもらえばいいじゃないか。構造が違うわけではなくて、人の握力だけで開けるには固すぎるということなんだろう?その古風なガラス瓶ならおそらくは同じようなものが彼らの世界にもあっただろうし」

「なるほど。それがいいな。んー・・」

ベクスター博士はすぐ近くで会話をしている二人を見つけ、そのうち手前にいるアレルの肩を叩いた。


「えーっとなあ・・・こう、捻るんだ。ああ、まあ動きはそれであってる」

瓶を片手で持ち、もう片方の手で蓋を捻って回すしぐさをしてみせる。隣でエックスが不思議そうに視線を送る中、アレルは博士の真似をして同じしぐさをしている。