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同調率99%の少女(6) - 鎮守府Aの物語

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 打ち合わせが終わり、那美恵と三千花は提督たちを案内して校長室を出て玄関へと向かった。

「今日はありがとう。俺の力だけじゃこの交渉は絶対成り立たなかったよ。那珂……いや光主さん、君の本当の思いや周りの方々との関係性に助けられた。」
「アハハ、なんか改まって言われるとはずかしーね。ううん、どーいたしまして。」
「それにしても君のお祖母さんがあんな経験をされていたなんてね。今回は興味深いお話を聞かせてもらったよ。」
「エヘヘ。あたしも知らなかったおばあちゃんの話が聞けたからよかったと思ってるよ。」
 提督が先刻の打ち合わせ時の那美恵の祖母の話題に触れる。提督の言に那美恵がやや固めの笑い顔をしていると、提督の言葉に五月雨や明石たちが乗ってきた。
「そーですよねぇ!校長先生の言葉じゃないですけど、光主さんが艦娘になったのって、なんだか運命っていうのもうなづけますよね!私そういうの好きです。」五月雨は素直な興奮で目を輝かせて弾んだ声で言った。
「こちらの校長先生もすごいです!だって初期の艦娘をご存知なんですよ!20年前当時はまったく知られてなかったはずのプロジェクトの開幕式に招かれていた一人だったなんて恵まれすぎてますよ!うちの会社でも当時の艤装装着者関連の出来事を見聞きしてる人いないのに……。校長先生にお話また伺いに来たいですね〜。提督、今度私もまた同行しちゃいけませんかね?」
「明石さんは絶対暴走してしゃべりまくるからダメ。」
「え〜〜純粋に私は知識欲と技術欲なんですけどね〜〜。ま〜いいですけど。」
 明石も五月雨とは違う意味、自身が胸に秘める欲でもって興奮で胸を踊らせながら提督に詰め寄る勢いで喋る。が提督は明石の自身への付き添いという名の乱入を未然に防ぐためピシャリと拒絶した。提督からの警めに明石は口を尖らせてスネてみせるも、すぐに思考を切り替えて話題を締めるのだった。
 校門までの僅かな距離、校庭など回りには体育の授業のために他の生徒がおり見ているが那美恵らは一切気にせず打ち合わせ時の事にすれて会話をして歩を進め、そして校門まで来た。別れの言葉の前に再び軽く雑談をする。

「それじゃあ、またな。ほんっとありがとう。」
「だから〜。いいって別にぃ。あたしのほうこそ提携してもらえて助かるんだから。感謝を言いまくりたいのはあたしのほうなんだよ?提督にはいつかお返ししないとね〜。那珂ちゃんとしてイロイロサービスしちゃおっかなぁ〜?」
「君のことから変なよからぬこと考えてるんじゃないか不安になってしまうなぁ。せめて次こちらに来た時の案内はしてもらいたいな。」
「うん。まっかせてよ。あたしがまた懇切丁寧に案内してあげるよ?また皆で来てよ。艦娘部絡みなら学外の人でも問題ないでしょ〜し。」
 両手を後ろで組み前かがみになって上半身を近づけ、那美恵は意地悪そうに上目遣いで提督を茶化した。
「ハハッ。あぁ、その時はまたよろしく頼むよ、那珂。」
 すると提督は那美恵の口ぶりに苦笑しつつも言葉を返し、そしてちょうどいい位置にあった那美恵の頭に手を添えておもむろに軽く撫でた。


「!!」

 提督のゴツゴツとした手が那美恵の頭をそうっと2〜3度左右往復する。それに合わせて那美恵の髪が僅かにたゆんで乱れる。予想だにしていなかった目の前の異性の行為に那美恵は瞬時に目を点にして顔をゆでダコのように真っ赤にした。そして提督を上目づかいで黙って見上げる、というよりも睨みつけた。まさかそんなことをされるとは思っていなかったため、完全な不意打ちであった。