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同調率99%の少女(6) - 鎮守府Aの物語

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 そして提督らは校門を一歩、二歩とまたいで歩道に出た。那美恵と三千花は校門の手前の校庭側に立っている。
「じゃあまたねー提督!またあとで鎮守府行くからー!」
「あぁ。次の任務は五十鈴や時雨たちでなんとか回すから、那珂は自分の学校の艦娘部設立に専念してくれていいぞ。」
「ありがと!」
「それじゃあまた後日こちらに伺うけど、その時はよろしく。…あぁ、それとこの前質問してきたことな、大本営から回答来たぞ。条件付きでOKだと。詳細はあとで教えるから。」
 提督は思い出したことを別れ際に口にした。それは見学時に那美恵がしていた質問への回答であった。那美恵はそれに大きく頷いて承知する。それを別れの合図と受け取り、提督ら4人は高校の校門から離れ歩道を歩いていった。那美恵と三千花は提督らが見えなくなるまでそこで見送った。

「最後に提督が言ったことって、艤装のこと?」
「うん。どうやら学校に持ってきてもいいみたいな言い方だったよね〜。すべてがうまく事が運びそう〜」
 踵を返して校舎へ戻る那美恵と三千花。那美恵の足取りは非常に軽いもので傍から見る浮き足立っているようだった。それを見て三千花は一言発する。
「ねぇ、なみえ。」
「うん?なぁに?」
  親友の表情を見た途端、三千花は言おう・尋ねようと思っていた言葉を飲み込むことにした。親友の見せた笑顔があまりにも眩しく、あえて触れるのは野暮なことだと気づいたのだった。
「うーえっとさ、まぁ、いろいろよかったね、順調で。」
「ん〜〜? たま〜にみっちゃんの言いたいことわからんときあるけど……まいいや。うんうん、順調そのものだよぉ〜〜。早くわこちゃんと三戸くんにも伝えたいねぇ。」
「うん、そうだね。」
 三千花と那美恵は軽いやりとりをしながら、校舎に入っていった。


--

 那美恵と三千花が校舎に戻って提督らが帰ったことを伝えるために校長室に戻ると、そこにいたのは校長のみだった。
「校長先生、西脇さんたち帰りました。」
「そう。お見送りご苦労様でした。それでは授業に戻りなさい。」
「「はい。」」

 那美恵と三千花は挨拶をして校長室を出ようとする。ふと那美恵は立ち止まり、校長の方を向いておそるおそる声をかけた。
「あの……校長先生?」
「はい、なんですか?」すでに椅子に座っていた校長は顔を上げて那美恵に視線を向けた。
「ええとあの〜。祖母のこと、あたしが知らないことたくさん教えていただきありがとうございました!今思えば、おばあちゃんからもっと色々聞いておけばよかったなぁと思いました。そうすればおばあちゃんのこと、小さい頃にもっともっと好きになれたかもです。でも、今日の打合せで聞けてもっと好きになりました。」
「フフッ。お辛い記憶でも、孫娘のあなたにとっては大事なお祖母様の一部ですものね。私もいつかあなたに話してあげられたらなと思っていたので、今日の打合せは良いきっかけでしたよ。」
「あのぉ……またいつか、おばあちゃんのことお話聞きに来てもいいですか?」
「えぇ構いませんよ。」
 校長の許可を得て那美恵はパァッと表情を明るくして満面の笑みになる。

「「失礼しました。」」
 那美恵と三千花は退室の挨拶をして、今度こそ校長室を退出して教室へと戻っていった。