同調率99%の少女(6) - 鎮守府Aの物語
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校長と提督の交渉は無事に終わった。那美恵たちは残りの授業に戻りそして放課後、生徒会室にて書記の二人に結果を伝えた。
「マジっすか!?うおおーさすが会長!!」
書記の二人、三戸と和子も喜びに沸き立つ。
「二人ともほんっとにありがとー!二人の報告書がなかったら絶対うまくいってなかったよぉ〜!」
「よかったぁ……会長と提督のお役に立てたのなら、私達も協力した甲斐がありました。」
那美恵は三戸と和子の手を握ってブンブンと振り喜びを伝えた。和子は握られていない方の手で胸をなでおろして静かに喜びを表した。
「きっと会長と提督さん、すんごい巧みな交渉術で校長を打ち負かしたんっすね?あ〜〜俺もその場にいたかったなぁ!」
三戸は腕を組み虚空を見ながら言った。交渉の内容が気になったのだ。そんな三戸の暗黙の催促にビクッとする那美恵、そしてそんな那美恵をチラリと意地悪そうな視線を送る三千花。
「うん。那美恵の言葉、すっごかったわよ。西脇提督も見とれちゃうほどだったよ〜」
「みっちゃぁん!!」那美恵は口をとがらせて三千花を睨みつける。
「アハハ。ごめんごめん。」
友人のことだから多分言わないとわかってはいたが、那美恵は語気を荒らげて半泣き状態で軽く怒って三千花を制止した。なぜ会長が怒るのか、書記の二人はサッパリ変わらずに?な顔で二人を交互に見渡すのみであった。
「な、何かあったんすか?」気になる三戸。
「うーん。那美恵の名誉のためにもノーコメントってことで。」
「……何かあったんですね。まぁ細かいことは私達も聞きませんけど。」
一応形だけはノーコメントを貫く三千花だが、その言い方ではさすがにナニかあったのですと言わんばかりなので、和子は気づいたが察するだけにしてそっとしておくことにした。
頬をぷくーっとふくらませてふくれっ面で三千花を睨みつける那美恵だったが、すぐに冷静になり、口を開いた。
「わこちゃんありがと。そうしてくれると助かるぅ。……さて、でもこれで終わったわけじゃないよ。むしろこれからだよ。」
那美恵へのからかいはほどほどに、三千花も気持ちを切り替えて頷く。書記の二人もそれに続いた。
「えぇ。艦娘になってくれそうな人を集めなきゃいけないのよね?」
「うん。やっと、これから○○高校艦娘部が動き出すんだよ。みんな、生徒会の仕事もあるけど、できたらあたしにきょうry
那美恵の言葉を途中で遮って、三千花や三戸、和子は彼女にその意思を伝えた。
「なみえ、私はあなたに協力し続けるよ。あなたがもういいって言うか、死ぬまで協力してあげるんだから。覚悟しなさいよね?」
「うちの高校から会長以外にも艦娘が……くぅ〜なんかワクワクする!俺も全力で協力しますよ?」
「私もです。艦娘部がうちの高校の伝統になれば、学校もきっとさらに良くなりますし。私達も有名になれるかもしれませんよ?」
「そうなったらなみえ。おばあちゃんと同じ夢、歩めるかもよ。小さいころからの夢だったでしょ?」
作品名:同調率99%の少女(6) - 鎮守府Aの物語 作家名:lumis