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伝説の超ニート トロもず
伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:Ruineme Inquitach 記録016

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「それにしてもワンは面白い奴だな。確かに姿形はお前にそっくりだけど、見た目以外はまるっきり別人だもんな。コピーと言うよりは・・・双子?」

「そんな感じかね。・・ま、双子で済めばいいんだけどな・・・」

「・・と言うと?」

「運が悪いと三つ子か四つ子くらいにはなるって話だ。それよりな、イイもの持って来たんだよ。博士達にバレたら怒られるけどな・・・ほらこれ」 

ソロが翳した右手の上にぱっと現れたのは、手のひらに余裕を持って収まるサイズの小さな円盤のようなものだった。

「・・バレたら怒られるのにいいものなのか?なんか怪しいな」

「気にするな。こうやって真ん中を押してな、中の気体を吸うんだ」

そう言うと、言った通りの操作をして円盤に口をつけ、短く息を吸い込んだ。

「・・・?それは何なんだ?」

「いいから。やってみろよ」

同じものを二つ出し、一つアレルに手渡す。そのすぐ後、ぼうっとしているサマルの目の前にもそれが突き出された。

「え。・・ううん、ボクはいいよ・・・」

「そうか。まあ今は考え事してるみたいだしまた今度にするか」

「・・やっぱりわかるんだね。もしかしてソロさんが何かしたの?」

「いいや。でももしあんまり辛いんだったら、意識が飛ばないように調整してやってもいいぞ?」

「・・ん・・・ううん。大丈夫。今日みたいに、見えることで何か意義のある発見ができることもあるから」

「ほう、発見があったのか。それはよかった」

サマルがアレルについて認識を改めたことを知ってか知らずか、ソロは微笑んでアレルに目を向けた。
そして彼が得体の知れない円盤を使用したのを確かめ、笑いかける。

「どうだ?ちょっとは楽になったか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

問いかけには応えず、アレルは一点を見つめたまま静止している。

「・・・・・アレル様?どうしたの・・・?」

心配したサマルが覗き込むと、ゆっくりそちらに視線を向け・・・へらりと笑った。

「・・・サマル・・ごめんな・・・・こんなご先祖様で・・・・」

「・・えっ?」

いきなり何を。
サマルは固まった。ソロも動かずに目を瞬かせる。

「駄目なんだよなぁ~実力が肩書に追い付いてないってのは。今までだってずーっとそうだった・・・立派なのは言うことだけで全っ然行動に移せやしない・・・・・結局は何もかも自分の名誉欲を満たすためで、本当の勇気なんて身についちゃいないんだ・・・・・」

「・・な、何どうしたの?え?アレル様・・・?」

「あっちゃあ。ダメな方いったか・・・まあ寝不足も原因の一つかな・・・」

「ちょっ・・待って。あの丸いの何だったの!?アレル様に何したの!?」

「楽しくなるお薬。・・なんだが、調子悪い時にやると悪化するんだ。うっかりしてたなー」

やがてぐったりし始めたアレルは、小さな声でくすくす笑いながらうつむいたままデスクに頭をぶつけた。
音に驚いて二人がそっちを見る。

「コーヒーの人と話した時もつい偉そうなこと言っちゃったなぁー・・・よくよく考えたら俺の言ってることって、周りからどう思われるかだけに重きを置いてて中身がなーんもないんだよなぁああ。自分の気持ちもわからない奴が偉そうに他人の分析するなんて笑っちゃうよなぁ~」

「アレル様!?何言ってるんですかしっかりして!?いやっちょっと、どうにかしてよソロさん!」

「ん?ふっ、ふふふっ。何が?いいじゃねえか別にー。これ以上何をどうにかするんだようふふふふ」

「え。ちょっとソロさん?・・・た、楽しくなる薬って・・・ひょっとして・・・・」

「どうにかするって?いいとも、どうにかしてやるよ。ハマりすぎて******っても責任取れないけどよぉ、それでもいいってんならいつでも****してやるぜ?そうさなぁ、***が****まで我慢出来たらご褒美に*******な!」

(ど・・・どうしよう・・・何言ってるのか全然わかんない・・・!!)

危機感はあるが、ソロはともかくアレルがこのような状態では誰かに助けを求めるのは憚られる。どうにもできずに冷汗をかきながら、サマルはとりあえず部屋に設置されたノーメマイヤーの端末に向かった。

(ひとまずワンさんに来てもらおう・・・。えっと、どうするんだったかな・・・これかな?こっちだったかな・・・あれ?あれ・・・?)

簡単な使い方は教えてもらったはずだが、動揺しているせいか操作方法が頭から飛んでいる。余計焦った。

「逆に今まで強がり以外の言葉言ったことあったかなぁ~。失敗するのも失望されるのも怖くていっつも心にもないこと言ってたよなぁ俺。そのくせ一丁前に他人の悪いとこばっか指摘して、本当は世界じゃなくて自分の自尊心守るのに命かけてた気がするぅぅ・・・」

「ふぅーーふふふふふふ。いいか?クスリなしで****できるようになってからが一人前なんだよ。そんでやられまくってりゃそのうちな、なんもしなくても勝手に******するようになんだよこれがー。頭イカれてやがんだよな。そこまで辿り着いたらもうなんもいらねぇーなぁーおい!」

「う・・・うん、そうだね・・・(・・早くなんとかしなきゃ・・・・)」
――――――――――――――――――
――――――――――――



「違法薬物の匂いがします。朝からドラッグでハイになっているとは随分とご機嫌ですね。本当に楽しそうです。ソロ、貴方はともかくとして彼はまだ未成年なんでしょう?」

「んーー。そうだっけー?まいいじゃん、カタいこと言うなよ。お前も一個どうぉ?」

「いいえ結構です」

どうにかこうにかワンに来てもらい、サマルはため息をついてベッドに座った。
一時はどうなることかと思ったが・・・。

「ハッピーなのは実に良いことですが、平日の朝から知識のない方を巻き込んでぶっ飛ぶのは誕生日か国立記念日の時だけにしてください。故意にされたのなら話は別ですが」

「俺が故意じゃないことをすると思うか?・・するんだよこれが!はは、びっくりした?」

「ええ、はい、とても驚きました。気が済んだのならなるべく早めにメイン連絡会議室へお越しくださいね」

「頭かったいなーお前。あのな、俺だって好き好んでこんなことしてるわけじゃない。*****に******まれて、*******しなきゃならなくなったのはなぁ、事もあろうに*******************」

「早朝からそんな下品で非常識な言葉を連発しないでください!そしてその話を私はもう3回聞きました!下ネタで楽しいトークがしたいのなら別にお相手を探していただけますか!」

「・・・下ネタだったの・・・?・・・ってそうじゃない、ワンさん!どうすればいいのこの状況?」

腹を抱えて笑っているソロから目をそらして盛大にため息をつき、デスクに突っ伏しているアレルにブランケットをかけると、ワンは苦々しげに顔を上げる。