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機動戦士ガンダムRSD 第18話 ロ-エングリンを討て

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敵砲台射程圏内まで距離15000」
 マゼランのオペレーターが作戦開始地点に近づいていることを報告した。
ウォン司令官の表情にも緊張の色が増してきた。

              ※

 じき作戦開始地点に到達するにもかかわらずリーンホースJr.のブリッジには、ミハイル副艦長が戻っていなかった。
「サオトメ達は?
じき作戦開始地点だぞ?
ミハイルは?
何をしてる?」
 いまだにミハイル副艦長がブリッジに戻っていないことにマーカー艦長も不振がりエルヴィン中尉に聞いた。
「はい。
間もなくポイントB。
作戦開始地点です。
各艦員は、スタンバイしてください。
ケラーネ副長は、ブリッジへ」
 エルヴィン中尉が艦内放送をいれた。
 それは、ブリーフィングルームにも伝りミハイル副艦長は、足早にブリッジに戻った。
サオトメは、マン・マシーンデッキに行こうとしたがコニールがさえぎった。
「どうしたんだ?
まだ何か言いたいことでもあるのか?」
 サオトメは、出来るだけ優しく話しかけた。
「前にコロニー軍が砲台を攻めた後街は、大変だったんだ。
それと同時に街でも抵抗運動が起きたから」
 サオトメは、抵抗運動が起きた理由とその結果が分かった。
「地球軍に逆らった人達は、滅茶苦茶酷い目に遭わされた。
殺された人だって沢山いる。
今度だって失敗すればどんなことになるか判らない。
だから絶対やっつけて欲しいんだ。
あの砲台を今度こそ」
 サオトメは、コニールの泣きながら話す姿にそれがどれだけ凄惨だったかが分かった。
「だから頼んだぞ」
 その言葉は、深く重みのある願いだった。
サイジョウ元帥は、そんなコニールを落ち着ける場所に連れて行った。
サオトメは、失敗は許されないと今一度悟りデータを見た。
 サオトメは、ブリーフィングルームを出てマン・マシーンデッキに向かっていた。
「流石ですね」
 その時後ろから声をかけられた。
振り返るとカレン中尉とホーク中尉だった。
「ああいう子って扱いにくいですよね?
兵学校の知り合いにもそういう人がいたんです。
卒業までずっと一緒だったんですがいつもあんな調子で。
その人は、教官や上官とぶつかってばっかりだったんです。
なのにちゃんとデータを渡させて言うこと利かせてさすがです」
 カレン中尉は、サオトメの人の扱い方を褒めた。
「そんなんじゃないよ、扱うとか」
 サオトメの言葉にカレン中尉は、意味が分からなかった。
「下手くそなんだろ、いろいろと。
あの子もそいつも悪い奴じゃない」
 サオトメは、2人とも生きるのになれていないと判断した。
「俺もあんまり上手い方じゃないけどね、人付き合いとか」
 サオトメは、そういうと2人を残して再びマン・マシーンデッキに向かって歩いた。
「予防線張られた?」
 呆然としていたカレン中尉がホーク中尉に質問した。
「さあ?」
 ホーク中尉が興味なさそうに答えた。

           ※

 ガルナハン攻略艦隊は、ポイントBに到達した。
「ポイントBです」
 マゼランのオペレーターがウォン司令官に報告した。
「よし、作戦を開始する。
サラミスとα艦隊に打電。
マン・マシーン隊発進準備」
 ウォン司令官が作戦開始を命じた。

           ※

 それは、リーンホースJr.にも伝わった。
「ガンダムサイガーMk-2発進スタンバイ」
 作戦上ガンダムサイガーMk-2が一番最初に発進する。
ガンダムサイガーMk-2は、既にS型にされておりハンガーから外されると浮遊する整備士の誘導棒の指示に従いながらカタパルトデッキまで移動させた。
「ブリッジ遮蔽。
対モビルスーツ戦闘用意。
ガンダムサイガーMk-2発進後α艦隊は、遊撃艦隊の前に出る」
 マーカー艦長が指示を出した。
「シウス、主砲、副砲起動。
ミサイル発射管1番から5番、全門地上用ミサイル装填」
 ミハイル副艦長が火器関係の命令を出した。
「ガンダムサイガー改、発進スタンバイ。
全システムオンラインを確認しました。
気密シャッターを閉鎖します。
カタパルト、スタンバイ確認。
ガイヤス・ギヤ発進スタンバイ」
 ガンダムサイガー改とガイヤス・ギヤは、発進準備をしたまま待機した。
「全システムオンライン。
発進シークエンスを開始します。
ハッチ開放。
射出システムのエンゲージを確認。
カタパルト推力正常。
進路クリア。
ガンダムサイガーMk-2発進、どうぞ」
 エルヴィン中尉がサオトメに発進命令を出した。
発進口のわきにあるカウントダウン表示も0になった。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガーMk-2出る」
 サオトメは、ガンダムサイガーMk-2を発進させるとモビルアーマーに変形させ脇にそれた。
 リーンホースJr.のリクリエーションルームでは、コニールは不安と期待を込めてモニターに映るガンダムサイガーを見ていた。

            ※

 コロニー軍の接近は、ガルナハン基地でも確認できた。
「エリア1より接近する熱源あり。
スクランブル。
モビルスーツ隊は、直ちに発進せよ」
 基地オペレーターがスクランブル命令を出した。
「識別、コロニー軍戦艦マゼラン級1、サラミス級3。
それとこれは、α艦隊です」
 別のオペレーターが敵の正体と数を報告した。
「コロニー軍め、全く性懲りもなく。
精鋭艦隊など持っきたところで同じことだ。
ローエングリン起動。
ゲルズゲー発進」
 基地司令官がゲルズゲーの発進命令を出した。
「進路クリア。
パワーコンジット分離確認」
 基地の発進口からは、ジェットストライカーを装備したダガーLが何機も発進した。
「YMFG-X7Dゲルズゲー、発進よろし」
 ゲルズゲーは、6脚を使い発進口までクモのように歩いた。

             ※

 サオトメは、1人目的地に向かっていた。
「ここに本当に地元の人もあまり知らない坑道があるんだ。
中は、そんなに広くないからもちろんモビルスーツもマン・マシーンも通れない。
でもこれは、ちょうど砲台の下に抜けてて今出口は塞がっちゃっているけどちょっと爆破すれば抜けられる」
 サオトメは、コニールの話を思い出していた。
「あれか」
 サオトメは、坑道を見つけガンダムサイガーMK-2を坑道に入れた。
「なるほど、やはり真っ暗か。
データと勘だけが頼りか」
 サオトメは、スリリングな飛行を楽しんだ。
「人型機動兵器では、無理でもS型のガンダムサイガーなら抜けられる。
データ通りに飛べばいい」
 サオトメは、サイジョウ元帥の言葉を思い出した。
「確かにこれは、俺じゃないと遂行できない任務だな」
 サオトメは、サイジョウ元帥が自分を推した理由が分かった。
「俺達が正面で敵砲台を引き付けモビルアーマーを引き離すからお前は、この坑道を抜けてきて直接砲台を攻撃するんだ」
 サオトメは、サイジョウ元帥からの命令を思い出した。
「俺にならできると言ったがまさか自分でやりたくなかったとかないよな?」
 サオトメは、サイジョウ元帥がなぜ自分でやらなかったのかふと疑問に思った。
「お前が遅すぎればこちらは、追い込まれる。
早すぎても駄目だ。