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こらぼでほすと 散歩8

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 基本的には、ハイネとリジェネが世話してくれるのだが、本日、ハイネは留守だ。そうなると該当者は亭主だとニールは驚いたらしい。誰も居なければ、世話はしてくれるが、そうでないなら手は出さない。
「俺が一緒に寝てたんだよ。いいから、メシ食え。」
「・・・そっか・・・・」
 刹那に、お粥を投げ込まれるので、ニールは器を取上げた。自分で食ったほうが安全だから、もぐもぐと口にする。お粥だが、これは中華粥で味付けされて、細かい野菜も入っている。器半分くらいでギブアップだ。
「もう少し食え。」
「いや、こんなもんで満腹。クスリくれ、リジェネ。」
 とりあえず腹には入ったので、リジェネが大人しくクスリを渡す。それを飲んで、ほっと息を吐いた。ただの電池切れなので、ここまで甲斐甲斐しい介護をしてもらうほどではない。
 携帯端末で時間を確認すると昼前だ。よく寝ていたらしい。寝ているほどに、グダグダではないので起き上がって居間のほうに顔を出した。もちろん、そこで亭主は書類仕事をしている。
「おはよーございます。」
「おせぇ。マヨ焼き。」
「はいはい。ダコスタは? 」
「まだだ。」
「じゃあ、全員分、適当でいいですね。」
「肉じゃがは残ってるか? 」
「悟空が残してくれてるかなあ。」
「わからん。ないなら、イモでマヨだ。」
「ポテトサラダもあったんだけど・・・まあ、確認します。」
「おい。」
「はいはい。」
 ニールが声をかけると、こんな感じで、周辺は、はい? と、慌てている。電池切れしているなら寝かせておくのが普通だ。それなのに、台所でほうじ茶なんぞ用意して、坊主に出していたりする。さらに、台所で残り物の確認が始まっている。
「義兄さん? あれ、いいんですか? 」
「寝てれば治る。動けるなら問題はねぇ。おまえら、過保護にしすぎだ。」
 義弟の問いかけに、ぶっきらぼうに答えて、ほうじ茶を、ずぞーっと飲んでいる。亭主からすると、そういうものらしい。それならいいか、と、黒子猫も立ち上がり、おかんの背中にへばりつく。
「ごはんは足りる。肉じゃがもある。ポテサラは全滅だな。・・・・刹那、何か食べたいものは? 」
「なんでもいい。おかんが作るものなら。」
「うーん、魚のマヨ焼きするから煮びたしでもするか。ロックオン、パンのほうがいいか? 」
「そうだな。俺、パンがいい。生野菜食いたい。」
「ニンジンのサラダでもするか。リジェネ、ニンジンをスライサーで二本ほど削ってくれ。」
 中華丼の具材も残っていたので、これにも野菜を足してしまえば野菜の旨煮になる。適当に作れば、どうにか整う。刹那は手伝う気はないので、おかんの背中に、へばりついているだけだが、それは気にしない。毎度のことで、ニールも慣れっこだ。

 こんなもんかなーと料理が準備できて食事を開始する。ロックオンだけは食パンで、残りは米がメインだ。外は、晴れていて洗濯物がたなびいている。
「コスモスの置き場所だけ指示してくれる? 」
「ああ、そうだった。裏庭より境内のほうに置いてもらおうかな。咲いてるんだろ? 」
「咲き始めているのをチョイスしてある。足りないなら買い足せばいい。」
「いや、そんなに置かなくていいよ。・・・・桜の木の下辺りでいいですか? 三蔵さん。」
「桜? あんなとこに置いたら、台風がきたら確実に散るぞ。壁か本堂に寄せておけ。」
「そうか・・・じゃあ、そんな感じ。俺も運ぶからな。」
「あんたは監督してな。俺と刹那でやるから。・・・・それと買出しは? 」
「えーっと、今日の分はあるからいいや。おまえ、飲みたい酒とか肴があるなら買って来い。」
「あんたのウイスキーが、よかったな。」
 昨夜、用意してあった酒はアイリッシュウイスキーの高級品だった。ニールは貰い物の寝酒と言うが、そんな安いもんではないのを、ロックオンは気付いている。
「あれでいいのか? 」
「あんたさ、あれ、ものすごーい高いヤツだって理解してないな? あれ、この間、呑みに行ったとこのより、いいヤツだぞ。」
「そうだろうなあ。トダカさんや虎さんが用意してくれるから、いいヤツだとは思うよ。味わうほどに俺は飲めないから、わからんけどさ。」
「もったいない。」
「でも、くれるんだからさ。確かに、ちょっと呑むと寝れるから重宝はしてる。」
 この会話を双子で展開しつつ、ニールは亭主やリジェネや刹那の食事の世話をしている。ロックオンはニンジンサラダが気に入った。ちょっとスパイシーで、アジアンな料理だ。
「これ、おいしい。」
「それ、オーヴのサラダ。香辛料が特区と違うんだってさ。」
「中華でもないんだな。」
「オーヴは、大陸と特区のミックスになってるんだ。これはニンジンの千切りにペースト混ぜただけ。ペーストだけ売ってるから簡単なんだ。」
「中東の料理は、できないの? 」
「ガーリエマーヒーぐらいなら。」
「なに? それ。」
「刹那が子供の頃に食べてた魚のカレーみたいなもんだ。本格的なのを習ったんで、それならできるよ。」
「そうだ。なんちゃって中東料理を食おうって言ってたっけ。そういうの行こうよ、兄さん。」
「いいけど、みんな、ついてくるぞ? 」
「ダメッッ。俺とダーリンとニールだけでディナーがいい。」
 そうは言っても、『吉祥富貴』のスタッフに知れると、みんな、行きたいと言うだろう。そうなると店が貸切状態になってしまう。それに亭主と亭主の連れ子の晩御飯も用意しなくてはならない。
「それ、みんなが出勤の日にすれば? ママ。僕も店で晩ご飯を食べさせてもらえばいいじゃない。」
「でも、行きたくないか? リジェネ。」
「次の機会にする。僕は、ママの側にずっと居るんだから、たまには刹那たちに譲るよ。」
 まあ、全員が出勤すれば夜も暇な時間がある。そういうことなら、店をハイネにでも教えてもらおうか、と、考えていたら廊下を歩く音だ。障子が開いて顔を出したのは、ダコスタだ。
「おはよーございます。・・・うわぁー食いはぐれた。」
「いや、用意してる。ダコスタはパンとごはん、どっちにする? 」
「ごはんかな。」
 はいはい、と、ニールが用意して戻って来る。マヨ焼きの魚なんかは用意してあったので、チンする。
「そうだ。なあ、ダコスタ、特区で、中東料理の美味い店って知ってるか? 」
 いただきまーす、と、ダコスタが食べ初めて、ロックオンが口を開く。現地に住んでた男が、ここにいたからだ。
「中東? 本格的なのはないなあ。カジュアルなのなら、何軒かあるよ、ロックオン。」
「悪いけど、俺の携帯端末にデータ送ってくれないか? ダーリンとニールとデートしたいんだ。」
「それ、呑みもあり? 」
「いや、軽くだな。ニールは呑ませたら沈没するから危なくて呑ませられないし。」
「あははは・・・・そうだなあ。ニールは外では飲まないほうがいいなあ。トダカさんが心配するからさ。」
「俺も危険だと思うぜ、ダコスタ。なんせ、いきなり男にナンパされるんだ。危なくて危なくて。」
「それは、相手が酔っ払ってたからだろ? ロックオン。こんなガタイのいいおっさんなんか問題外だってぇーのっっ。」
作品名:こらぼでほすと 散歩8 作家名:篠義