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敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女

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決断



「そうか。ラグランジュ・ポイントに敵は衛星を置いている。で、〈L4〉は使ってない。〈1〉〈2〉〈3〉はまずないから、残るポイントは〈L5〉で決まり……」と古代は言った。「『やえ、よのなか』はそういう意味だと言うんだな」

『他に考えがありますか?』と加藤の声。

「うん、まあわかる。けど、それでどうしろってんだ。おれ達に〈L5〉に行けってことなのか? けど……」

山本が、『〈L5〉と言ってもかなり広いんじゃないですか』

「だよなあ。そんなの対空砲のいい的じゃないか」

加藤が言う。『隊長ならやれると思っているんじゃないすか』

「やめてくれ」

『とにかく』と山本。『敵は〈L5〉の衛星を使う……〈L4〉を使わないのは「使えない」と言うことでしょう。砲台はそっちの半球にあると言うこと』

「あ」と言った。「なるほど、それか。それもおそらく赤道付近だろうと言ったな」

『ええ』

「なら、だいぶわかったじゃないか。みんなでそこを探していけば……」

『砲台が見つかる?』と隊員のひとりが言った。『しかし「赤道半周」と言うけど、3600キロになりますよ』

「うーん」

と言った。日本の北海道から沖縄までが三千キロ。それ以上の距離と言うことか。

『それでも』と加藤が言う。『ここにこうしているよりゃいいだろ。行こうぜ、隊長。〈魔女〉を見つけに』

「うーん」

『それに』とまた別の隊員が言った。『行けば、何か手掛かりが見つかるかもしれません。それに〈ヤマト〉がまた何か掴んで教えてくれるかも』

「うーん」

『そうだよ、隊長。あと何かひとつわかればグッと範囲を絞り込めると思うぜ。行こう。行けば見つかるって』

とまた加藤。古代はうーんと唸ってから、

「そうだな」と言った。「わかった、行こう」