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敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女

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息ができずに



「つまり、変電所の中に味方が裏から侵入したと言うことなのか?」

地球防衛軍司令部の会議室で藤堂は言った。眼の前の画面には指揮通信車両から話す現場の戦闘指揮官。

彼は問いに応えて言った。『どうやらその見込みが強いと思われます』

「ふむ」と言った。「人数は」

『わかりません。しかし、ほんの数人でしょう。充分に期待できるほどの数とは……』

「しかしおかげで、敵の動きに乱れが出たと言うのだろう。一気に突いて崩すわけにはいかんのかね」

『もちろん努力はさせていますが、兵士が皆、息ができずに動けなくなってきている状況であり……』

「ううう」

呻いた。今この場に送られてくる映像を見ていても、確かにどれも、酸素を求めてヒイヒイゼイゼイ言っている兵士の姿ばかりとなり始めていた。息ができないばかりでなく、一酸化炭素を吸ってフラフラになりかけているらしい。これでは確かに、《腹が減っては戦(いくさ)はできぬ』どころではない。息ができずにガダルカナルの飢餓兵士も同然となってしまっては、銃剣突撃どころではない。

『携帯ボンベ程度の補給ではとても足りません』と現場の士官。

「まずいですね」と会議室の中にいた情報部員が言った。「ヘタをすれば石崎が、変電所ごと自爆などやらかさぬとも限りません」

「そりゃそうだろうが、あの男のことだ。まずその前に自分だけ逃げようとするのじゃないのかね」

「ええ。そうですが、イザとなれば……何しろ『逃げる』と言ったって、どこへ逃げると言う話になりますからね。裏から突入した者がいるなら、逃げ道はあったとしてももう塞がれたと言うことでしょう」

「そうか。やつは、もうどこへも行きようがない」

「そうなるはずです。いっそ側近の者にでも、殺されてくれたならばいいのですがね」

「この状況では、その見込みもあるかもしれんな」