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敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女

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目標3



「うおおおおっ!」

ともう一隻――つまり、〈ヤマト〉の乗員には〈目標3〉と呼ばれる――のガミラス戦艦の艦長も彼の艦橋で叫んでいた。

〈ヤマト〉だ。〈ヤマト〉が向かってくる。なのに為す術(すべ)もない。あんな冗談のような動きについていけるわけがない。

窓には残るもう一隻が、死んだ僚艦の残骸を喰らってボロ靴みたいになってしまった姿が見えた。それが真正面からのカウンターであったのに対し、彼の船に〈ヤマト〉は斜め後方から追う形でやって来る。ためにぶつかり合うまでに今しばらくの時間があるが――。

それも十秒か十五秒だ。〈ヤマト〉はグングン迫ってくる。彼は叫んだ。

「撃て! 早くあいつを止めろ!」

「は、はい。今――」

と砲雷士がうわずった声で応える。もちろん、わざわざ命じなくても、すべての砲は旋回し〈ヤマト〉に火を噴こうとしていた。

照準が合う。〈ヤマト〉はもうすぐそこだ。この距離ならばたとえ〈ヤマト〉の装甲がどれだけ厚いものであろうと――。

「てーっ!」

と砲雷士が叫ぶ。ビームが〈ヤマト〉めがけて撃たれ――。

た、と思った。そのときだった。こちらめがけて体当たりするかのような勢いで向かってきていた〈ヤマト〉――もう今では艦橋の大窓一杯の大きさに見えていたその姿が、フッと一瞬にかき消えた。そこにはもう何もなく、ただこの星の希薄な大気があるばかり。

ビーム砲はそこを撃った。その後に、ガクンと強い衝撃が来た。

彼は言った。「なんだ?」