二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

機動戦士ガンダムRSD 第20話 さまよう眸

INDEX|3ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

 この日は、平日だったものの遊園地には朝からたくさんの人でにぎわっていた。
(空は、あんなにきれいなのにはるか向こうには俺たちの討つべき敵がいるんだよな)
 シンは、椅子に座りながら空を見てふとそんなことを考えた。
遊園地の絶叫マシーンからは、客の絶叫が聞こえた。
「あの中にもきっとカップルがいるんだよな。
その中から夫婦も生まれる。
そして子供たちが。
俺は、その人たちの未来を守るために戦ってるんだよな」
 シンは、今一度自分のやっていることの正当性と重大性を認識した。
その時ステラがアイスクリームを持って走ってきた。
「先から絶叫マシーンばっかり乗ってるけどそれで良いの?」
 2人は、先から絶叫マシーンにしか乗っていなかった。
「はい」
 ステラは、シンの言葉を無視してアイスクリームを渡した。
「聞いてるか?」
 シンは、ステラの天然さに押されていた。
「とけちゃうよ」
 ステラの言葉にシンは、しぶしぶアイスクリームを受け取った。
「食べ終わったらあれに乗ろう」
 ステラが指さしたのは、ジェットコースターだった。
 食べ終わった2人は、ジェットコースターに向かった。
途中シンは、女の子はもう少し子供っぽい乗り物が好きだと思っていたため戸惑っていた。
しかしなんだかんだでシンも楽しんでいた。
(まあいっか。
ステラが楽しければそれでいい。
デートによってステラの精神が安定するなら俺は、何だってできるんだから。
それにこれは、いい機会かもしれない。
この間にステラの好みを学べれば俺がデートで先導できるかもしれない。
それにどうして俺に惚れたのか聞けるかもしれない)
 シンは、椅子に座りそんなことを考えながらステラがファーストフードを持ってくるのを待っていた。
「お待たせ、シン」
 ステラは、そういうとファーストフードを載せた盆を置いた。
「ありがとう」
 シンは、礼をいうとステラが椅子に座ったため頃合いだと思い今考えていた疑問をステラに質問しようとした。
「一緒に飲もう」
 しかしシンが口を開こうとした瞬間ステラが大胆な提案をした。
「これ」
 そういうとメロンソーダにさしてあるアベックストローを銜えた。
シンは、戸惑っているとステラが無言で「飲んで」と圧力をかけてきた。
シンは、周りの目も気になったがステラからの圧力に屈しアベックストローを銜えた。
しかしいくら吸っても飲み物は、あがってこない。
不審に思いシンは、アベックストローを上げると何と1本のストローの中央を器用に曲げアベックストローのように見せかけたのだ。
「変ないたずらするな」
 シンは、恥ずかしさから顔を真っ赤にして怒った。
しかしステラは、そんなシンの姿が面白いのか笑っていた。
「シン、次はあれ」
 ステラは、次のアトラクションを見つけた。
それは、お化け屋敷だった。
シンは、こういうのが苦手だったが男を見せるべくステラと共に挑んだ。
(毅然としろ。
毅然とするんだ、シン。
ここで男の俺が堂々とすればステラは、より俺に惚れてくれるに違いない)
 シンは、お化け屋敷内のおどろおどろしさで肝が冷えていたがそれを表情に出さないようにしていた。
しかし恐怖のトラップが発動すると絶叫してしまった。
だがその中でシンは、ステラが自分にしがみついているのに気付いた。
「くっつぎすぎだって、ステラ」
 ステラは、シンの腕にしっかりしがみつきすぎて胸まで当ててしまった。
シンは、それで冷静にステラを見ることができた。
(もしかして怖がってる?)
 シンは、ステラが泣いているのに気付いた。
その後も恐怖のトラップが発動するたびに2人は、絶叫した。
「もうなんなの、ここは」
 どうやらステラは、看板の意味が分からず興味本位で選んだらしい。
(やっぱりステラは、女の子じゃないか)
 シンは、ステラも女の子なんだと認識した。
「怖かった」
 シンは、ステラの表情がかわいく顔を赤くした。
(今日は、色々話しを聞こうと思ってたのに今日のステラは一段とかわいく見える)
 シンは、ステラが楽しそうにしていると水を差すようなことが出来なかった。
「シン、次はここに行こう」
 そこは、プールだった。
「行こう、シン」
 ステラは、シンの腕を引っ張ってプール施設の入り口に行った。
「ここは、まずい。
ステラ」
 シンは、ステラが金づちであることを知っていたため全力で止めようとしたが出来なかった。
「シン」
 ステラは、借りた水着に着替えると待ち合わせ場所に向かった。
しかしそこには、人工木に隠れたシンがいた。
「恥ずかしくて出ていけないよ」
 シンは、ダサい水着しか借りられなくて皆の前にいけなかった。
「普通は、逆だよ」
 ステラは、木につかまるとシンを無理やり引きはがそうとした。
 2人は、腰までの水位の流れるプールにいた。
しかしステラは、しきりに上の水着を気にしていた。
「どうした?」
 それにシンが気付いた。
「ちょっと水着のサイズが合わなくて」
 そういいながらステラは、水着の位置を直した。
(結構大きいんだな。
何か話さないと)
 シンは、間をもたせるため話題を考えた。
「水位は、低いけど大丈夫?
怖くないか?」
 ステラが金づちのため水に恐怖を感じていないかシンは心配した。
「シン、水着が流されちゃった」
 ステラは、泣きそうな声で言った。
シンは、絶叫した。
「俺が取ってくる」
 シンは、流れる水着を追いかけようとした。
「ダメ」
 ステラは、シンの腕をつかんだ。
「シンが行ったら私1人になっちゃう。
お願いだから係りの人を呼んで」
 ステラは、若干おこりながら言った。
(珍しくステラが怒ってる)
 ステラは、そんなに怒ることがないためこの姿は新鮮だった。
そこに運よく女性の係りが来た。
「すみません。
ちょっと流されちゃって」
 シンは、軽く状況を伝えた。
「はい」
 係りの女性は、慣れたように返事をし水着を探しに行った。
 すると他の客が2人の側を通り過ぎた。
幸い2人ともステラの異常には、気付かなかった。
直後別の客がステラにぶつかった。
「ごめんなさい」
 その拍子でステラは、シンに抱き着く形になった。
シンは、恥ずかしさから離れようとした。
「ダメ。
離れちゃダメ。
他の人に見られちゃう」
 しかしステラは、より一層力を入れて抱きしめてきた。
だがシンは、本能を理性で封じるのに精一杯だった。
「お客様、これですか?」
 そこに係の女性が流された水着を持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
 ステラは、今一度ちゃんと水着をつけた。
「助かった」
 ステラは、一安心してシンを見ると水没し水流に身を任せていた。
「シン」
 その姿は、まるで水死体のようだった。

             ※

 シンは、ステラを行ったことがないだろうと考えホームセンターに連れて行った。
するとステラは、何かに気付いた。
「これは、何の武器?
メイスに似てるけど」
 ステラは、ゴルフパッドを手にしてシンに質問した。
「いや、それはただのゴルフパッド。
スポーツ用品だ」
 シンは、少々あきれながら答えた。