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　騎士として剣を持ち戦うことが務めのピエールにとって、戦わずして生きていける平和な世界というものがさっぱり想像できない。だがそれでも、異世界から来たこの賢者や天使のようにどこまでも優しい人々が増えて欲しいと願っているのだ。いつか、この世界にも。
　ピエールの心配そうな声音を耳にしたルヴァが、無理やり頬を上げる。
「いいえ……大丈夫です。こればかりは逃げても仕方がありませんしね。ありがとう、ピエール」