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 煌々と明かりがともるリビングには大きな救急箱が二つ並べて置かれており、その前で灰原が横髪が落ちない様にカチューシャで止めた姿勢で待機していた。
「ソファーに寝かせて頂戴」
経験が醸しだす有無を言わせぬ指示に、赤井は素直に腕の中の身体をソファーにそっと寝かせた。
離れるのを待てない勢いで、灰原の手はコナンの身体のあちこちを診察し始める。

「打撲痕は・・・ありすぎよ!! 大きな所だけ冷却湿布を貼りましょう。ああ、両肩が脱臼しかけてるわね。ちょっと! 整復手技は習得してるでしょう?! 正しい位置にしっかり整復してくれる?」
「あ・・・ああ、かまわ」
「僕がやります」
背後から赤井の身体の横をすり抜ける様にしてコナンの傍らに片膝をついた安室が、肘と手首をもって動かしている。
「コッヘル法か」
「ええ。この方が負担は少ないでしょう?」
「構わんよ。お嬢ちゃん。ボウヤは熱が出てきている。解熱剤はあるか」
「解熱剤・・・。あるにはあるけど・・・」
「早目に飲ませてあげた方が良いと思うのだが」
「・・・彼は薬に対して少しだけ拒絶反応をもってるの。だから不用意に市販薬を飲ませるわけにはいかないわ」
「なら、服用可能な解熱鎮痛剤を提出してくれ」
「ちょっとだけ待ってもらえるかしら。調べて持ってくるから」
「なるべく早くに願いたい」
「あっ、両肩の整復は完了したのね。じゃあ、冷却軟膏を作ってあるからそれをガーゼに厚めに伸ばして、肩に貼ってくれる?で、三角巾で固定をするわ」
「それくらいなら僕でも出来ますから、貴女は薬を・・・」
「わかったわ。でも、貴方方もあちこち冷却軟膏をつける必要性がありそうね。たっぷり作ってあるから腕や背中や脛に貼って、テープで固定した方が良いわよ。ついでに、そこのクーラーボックスにジェルのフェイスマスクを入れてあるから、手足の処置が終わったら、顔に貼りなさいよ。そうしないと明日の朝には顔面が腫れあがって、目が明かない事態になるから」

解ったわね?!と二人を指さして今現在気になっている事柄を一気に告げるなりリビングを出ていく小柄な少女も、この倒れた少年と同様に外見上の年齢と態度や口調が一致しないなぁと、安室は心の中で頸を傾げていた。
                          2016.07.18
作品名:protection and attachment 作家名:まお