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同調率99%の少女(9) - 鎮守府Aの物語

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 一通り流留から思いを聞き終えた後で那美恵はようやく彼女の要望を聞いた。その内容は期待していた内容とは異なったのに当惑する。
「え、ええと……本当にそれだけでいいの?」
「はい、それでいいです。あたしは失ったものに興味ないですから。それに、あたしが騒ぐことでまた余計ないざこざ作りたくないので。だから、適当に収めてくれればよくって。あたしはこれからの日常を作ることに集中したいから。」
 そう言って流留はまっすぐに那美恵に視線を向ける。その眼の色に那美恵は彼女の強がりを見たが、それと同時に剛とした本気を見た。多分、この内田流留という少女は強固なまでに頑固だ。一度決めたら意志が強い。それがどれだけ問題を起こしてきた、あるいは巻き込まれてきたのか那美恵は知ることはできないが、この良くも悪くも強い意志ある彼女は危なっかしいと思うのに難しくなかった。それはこの数十分話を聞いて打ち解け合った中でも理解できる。
 眼力が強い。那美恵もそれなりにキモが座っていて視線を合わせるのに苦ではないが、この少女の強さはすごい。
 根負けした那美恵はいったんまぶたを閉じて瞬きする。そしてゆっくり口を開いた。

「ふぅ……。内田さんは強いなぁ。」
「へ? そ、そうですかぁ?」
「うん。なんとなくそう思ったよ。その強さは色々厄介そう。でもあたしはそんな内田さんのこと、好きになれそう。」
 流留は那美恵の言葉を理解できずに頭にたくさんハテナを浮かべて眉をひそめる。
「アハハ、ゴメンねワケのわからないこと言って。とにかく言いたいのはね、あなたの気持ちを尊重しますってこと。あなたのご希望にとやかく言わないで、望むようにしてみせるから、それは安心して。まぁ、後は内田さん次第ってことになるけど、本当にそれでいいのかなって最終確認。」
「えぇ〜と、はい。お願いします。」
「そっか。さて、一通りあなたの事聴き終わったから、みんなの前に戻れそう?」
「はい!」

 少女二人が見つめ合い何か理解し合ったように和やかになっていく空気を感じる、唯一男子の三戸は微笑ましく二人を見て頷いていた。というより、今この空間が彼にとっては猛烈に幸せ空間だった。
 なにせ普通にしていれば校内でも一二を争う(と勝手に思っている)美少女二人と密室に3人きりなのだから。加えてどこからともなく漂ってくる良い匂い。間違ってもそんなことは口に出して言えないと自重する三戸だが、察しの良い生徒会長からツッコミが入る。

「三戸くん……?なぁにそのにやけた顔?なんというか、すんごい」
「キモいよ?」
 那美恵の視線の先にいるおかしな存在に気づいた流留が言葉を補完してWツッコミとなった。