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電撃FCI The episode of SEGA 2

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 一馬は智花達のチームプレイが失敗したと思い、この瞬間を反撃のチャンスと取った。
 しかし、智花達には、まだ動ける仲間がいた。
「ダメッ!」
 愛莉が出現し、五人の中で飛び抜けた長身を生かし、リバウンドを拾ってゴールの中へと放り込んだ。
「もう逃げないっ!」
 バスケの試合ではまず当たることのないであろう、自らを更に超える身長と力を持つ一馬を前に、恐怖を圧し殺して前に出た。
「すごいぜアイリーン!」
「愛莉、ナイスプレイよ!」
「さすが愛莉!」
 ゴールに入ったボールは着火し、打ち上げ花火の球のように、周囲一体を弾ける花火で満たした。
「うああっ!」
 智花のチームプレイは失敗したと完全に思い込んでいた一馬は、防御の姿勢を取れず、再び花火の中で上下に叩き付けられる事になってしまった。
「全力で行きますよ!」
 空中で無防備となった一馬に向かって、智花はクライマックスアーツを発動した。
 通常のスティールのように突撃し、一馬をボールに吸い込むと、一心不乱にゴールへ駆けていき、智花の得意なジャンプシュートを放った。
「ふっ!」
 クライマックスアーツの効果により、智花の背には白い翼が出現し、その翼はジャンプの高度、そして滞空時間を伸ばした。
 雨上がりに咲く花(シャイニーギフト)。それは智花をまるで精霊のように仕立て上げ、神聖な雰囲気を持った非常に美しい技であった。
 智花のクライマックスアーツが決まり、一馬から大きなダメージを奪うものの、僅かに倒しきる事ができなかった。
「お願いします!」
 僅かに体力を残した一馬に止めを刺すべく、智花はサポートキャラを呼び出した。
 しかし、現れたのは一方通行ではない。
「あの人はどこ? ってミサカはミサカは辺りを見回してみたり……」
 智花が呼び出したのは打ち止めだった。打ち止めはキョロキョロ辺りを見るだけで、攻撃に転じる事はしない。
「ぐっ、うう……!」
 この世界の理により、例え一馬が全力でこの小さな少女を殴ったとしても、致命傷に至るどころか口を切ることもない。しかし、無抵抗な打ち止めを殴ることには気が進まなかった。
 しかし、このまま手をこまねいていれば、打ち止めの後ろにいる智花から何らかの攻撃を受け、このラウンドを取られてしまうのは目に見えていた。
「邪魔だあ!」
 一馬は、イグニッションデュエルのルールで打ち止めが怪我をすることはないと確信し、その拳を振るってしまった。
「きゃあっ!」
 打ち止めから悲鳴が上がったその瞬間だった。
「ゲームオーバーだぜェ!」
 一方通行が背中に黒い羽のようなものを伴い、飛行しながら一馬の目の前へと突然に出現した。
「エヒャヒャヒャ……!」
 打ち止めを殴られた事によって激昂した一方通行は、背中の黒い羽を使って一馬に攻撃を加える。
「エヒャヒャヒャ……ッエーイ! わりィがこっから先は一方通行だ!」
 狂ったような笑い声を上げながら一方通行は黒い羽で一馬を何度も叩き付け、止めにその羽で一馬を刺し貫いた。
「ぐおおお……!」
 一方通行のディフェンスサポートが止めとなり、一馬はノックアウトした。それにより、第二ラウンドは智花の勝利、しかもまったくダメージを受けることなくパーフェクト勝ちになった。
「ありがとうございます。……えへっ」
 智花も一本取った事により、この勝負は次のファイナルラウンドによって決する。
 ファイナルラウンドに行く前に、最後のイグニッションの選択時間が二人に与えられる。
「大丈夫かいな、桐生チャン?」
「ああ、だが相手が子供だと少し見くびっていたようだ。次で全て決まる。本気で行くぜ……!」
 一馬は自らにイグニッションし、ダブルイグニッションすることにした。これで攻撃力、防御力ともに大きく上げることができる。
「お前達は決まったのか?」
 一馬は訊ねる。
「もちろんです。私は一方通行さんにイグニッションします!」
 智花は迷うことなく、一方通行をイグニッションした。これでサポートダブルイグニッションとなり、サポートキャラの呼び出し性能がかなり上がる。しかし、智花の狙いはそれだけではなかった。
「一方通行さん!」
「けっ、分かってるつの……。さっさと終わりにするとすっかァ」
 智花のもう一つの狙いはまだ定かではないが、両者イグニッションを決定し、ファイナルラウンドが始まった。
「行くぞ!」
 一馬は先手を取るべく、智花に向かって走った。しかし智花は動じることなく、一馬を迎撃しようとした。
「お願いします!」
 智花の言葉に応じて一方通行が現れ、例によって地面を蹴り、ベクトル変換でコンクリートの地面を砕きつつ走る衝撃波を発生させる。
 しかし、一方通行のベクトル変換は広範囲に及ぶものの、空中までは届かなかった。
 故に一方通行を見て、飛んでくるであろう攻撃を読み、ジャンプして身をかわし、智花と一方通行に向けて跳び蹴りを放った。
「クソがッ……!」
 メインキャラのように、防御する能力を持たないサポートキャラである一方通行は、一馬の攻撃に触れた瞬間消えてしまった。
 そしてその攻撃は、そのまま智花へと向かう。
「分かっていました!」
 智花はボールを盾にして、一馬の攻撃をガードした。しかし、一馬の攻撃はこれに止まらなかった。
「そおらっ!」
「ふえぇっ!?」
 一馬はローキックを放ち、智花は思いがけない攻撃にダウンしてしまった。
「真島!」
 一馬はサポートを呼び出した。
「イイ声聞かせろや!」
 吾朗は智花の起き上がりを攻めるべく、その場に立ち止まる。
「まだ!」
 智花が立ち上がった瞬間、吾朗の連続攻撃が襲いかかった。
「イヤホッ! セヤッ! トリャッ!」
 吾朗の攻撃は、短刀を振り回す非常にトリッキーな攻撃であり、上中下段と見切るのがかなり難しいものだった。
「んんっ!」
 智花はリフレクションガードを発動して吾朗を退けようとするが、吾朗は離れた距離ぶん、人間離れしたスウェイで間合いを詰めて智花に攻撃し続けた。
「イィヤッ!」
 吾朗は最後の一撃を放った。智花はどうにか耐えきることができた。
「流石や……」
 吾朗は一瞬、決めポーズを取ると、膝に手を当ててへたりこむように消えていった。
「アカン、疲れてもうたわ……」
 まるで激しい踊りのような攻撃の後であり、吾朗はすっかり疲労してしまった。
 上中下段あらゆる場所を攻めるこのサポートは強力であるが、その後はサポートゲージが回復するのが少し遅くなる欠点があった。
「真島のあの動きを見切るとは、なかなかやるな」
 一馬は駆け付けてくる。智花は気が付くと壁際まで追いやられていた。
「うう……!」
 智花は逃げ道を塞がれていた。ジャンプで一馬の攻撃を避けるという方法もあったが、おそらく見切られて一馬も空中に追ってくるだろう。
――もっかんがピンチだ!――
 ふと、智花の頭に真帆の声が響いた。
――こうなったら、こっちも切り札だ!――
「ふえっ!? 真帆、何言って……!」
 真帆の声が途切れたと思うと、真帆は紗季と共に、一馬の後ろに現れた。
「ふふふ……カズマノスケ、この真帆様の力を甘くみるなよ!?」
「何だと!?」
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 2 作家名:綾田宗