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電撃FCI The episode of SEGA 2

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「これ以上はさせません!」
 一馬の追い討ちがくる前に、智花は地面を跳ねるように受け身を取った。しかし、受け身を取って間もない智花には、少しばかり隙が生まれていた。
「せりゃっ! とあっ!」
 一馬の小技から始まるコンビネーションに、智花は翻弄されてしまった。
「邪魔だぁっ!」
「はうう……!」
 一馬のインパクトスキル、後ろ回し蹴りが見事に決まった。
「ふん! ……どりゃあああ!」
 一馬は一つゲージを使い、吹き飛ぶ智花を掴んで、先ほどの投げ技を強化した。
 智花を地面に叩きつけると、起き上がられる前に追撃を放った。
「寝てろ!」
 一馬は智花に踏みつけ攻撃を加えた。本来ならば、骨折は免れないような強力な一撃であったが、やはり智花には掠り傷一つついていない。
 しかし、体力のバロメーターはしっかしと減っており、一馬と比べると五分といったところになっていた。
「平気、です……!」
 体に傷は付かないとはいえ、ダメージは十分に受けており、智花の声は少し震えていた。
「驚いたな、ここまで食らっていながら鼻血一滴足りとも出さないとは。この世界は本当に不思議だな」
「勝負はまだここからです!」
 智花は、この五分の状態から先に攻撃を仕掛ける。しかし、実際に攻撃するのは智花ではなかった。
「お願いします!」
 智花の背後からすっ、と一方通行が前に移動し、チョーカーのスイッチを入れると、能力を発動した。
「ブッ飛べ!」
 一方通行は地面を軽く蹴った。その時に発生した運動量のベクトルを全て前方に変換した。
 ベクトル変換による衝撃波は非常に早く、コンクリートの地面を破壊しながら一馬に襲いかかった。
「うおお!」
 一馬は衝撃波に触れると、空気圧のベクトルも下に操作された空間に閉じ込められ、コンクリートを伝わる上向きの衝撃波、空気圧の向きを下にされた空間に閉じ込められ、上下に激しく叩きつけられた。
「行きます!」
 上下に激しく叩きつけられ、身動きの取れない一馬に向かって、智花はボールをドリブルしながら近付いた。
 ボールが一馬に当たった瞬間、一馬は先ほどのようにボールに吸い込まれた。
 智花は一馬をボールに封じ込めると、そのボールを強めにドリブルし、中にいる一馬にダメージを与える。三回ドリブルを決めると、智花は前方に出現したゴールに向かってシュートを打った。
 シュートは見事に決まり、一馬はボールから解放されるも、ダウンを取られてしまった。
「もっかん、パス、パース!」
 真帆が両手を広げて出現し、状況もよく、智花は真帆にパスを回した。
「ヒナ!」
 真帆は更にひなたへパスを回す。
「おー、かくごー!」
 ひなたの得意とするリバースショットが決まった瞬間、ゴールを中心に打ち上げ花火がいくつも弾けた。
 打ち上げ花火(ファイヤーワークス)の二つ名の通り、真帆が触れたボールには花火を炸裂させる効果があり、花火の攻撃判定は非常に広かった。
「ぐっ!」
 一馬は起き上がるものの、激しく炸裂する打ち上げ花火によって防御に徹するしかなかった。しかし、花火は前方のみならず、後方でも弾けているため、一馬は後ろからガードを崩されてしまった。
 真帆の花火は、当たると地面に叩きつけられ、弾んで上に再び飛ばされるとまた地面へ落ちるという、一方通行の攻撃に似ていた。
「今っ!」
 上下に激しく叩き付けられている一馬に向かって、智花はドリブルしながら突撃した。花火の弾ける中、智花は一馬をボールに吸い込んだ。
 数回その場でドリブルをすると、智花は一馬を封じたボールをチェストパスした。
「真帆!」
「待ちわびたー!」
 真帆がパスを受け止めると、そのまま智花にパスし返した。パスする瞬間に花火が弾け、一馬にダメージを与える。
 智花はボールを受け止めようとしなかった。その代わりに両手に二つ、扇を手にしていた。
「舞います!」
 智花は日本舞踊の動きを取り入れた回転ジャンプで、一馬ボールを数回打った。
「行きますよ!」
 そしてジャンプしたその位置から、ゲージを使用し、一馬ボールを空中のゴールへと投げ、そしてゴールは決まった。
――智花ちゃん、ナイッシュー!――
 智花の心に愛莉の声が響いた。
「ふざけやがって……」
 一馬はようやく智花の攻撃から抜け出すことができ、空中で体勢を整えて着地した。
 智花の隙のない連続攻撃を前にして、一馬の体力は半分を切っていた。もう一度コンビネーションを決められれば、一本取られてしまいそうな体力差である。
「真島!」
 一馬はサポートキャラ、吾朗を呼び出した。
「いくでぇ!」
 吾朗は短刀を片手に、智花に向かって突進した。その動きは最早人間業ではないほどに速かった。
「いぃやっ! はっ! おおおっ!」
 奇声のような大声を上げ、吾朗は短刀を自らの体の一部のように振り、長距離のスウェイ行動で背後に裏回り、斬り上げた。
「ふわぁっ!」
 智花は斬り上げをガードできず、空中にきりもみ状に打ち上げられてしまった。
 一馬は浮いた瞬間を見逃さず、智花に追い討ちをかけた。
「ふっ! そらっ! でぇいっ!」
 一馬は中攻撃、強攻撃で空中コンボを行い、コンボの終わりには智花の足首を掴み、背負い投げのように智花を地面に投げつけた。
「……うおあああ!」
 着地すると、一馬は切り札を発動した。ヒート状態と呼ばれるものになり、攻撃力が上がるのみならず、新たなコンビネーションルートが解放された。
 青白いオーラを纏い、ヒート状態でのみ使える技を使い、一馬は通常では繋がらないコンボを繰り出した。
「そあっ! でやぁっ!」
 二段パンチで吹き飛ぶ智花を逃さず、足を持って先ほどのような投げ技を使った。
「諦めませんよ!」
 激しく地面に叩きつけられ、大ダメージを受けながらも、智花は立ち上がり一馬と対峙する。
 ヒート状態となった一馬は連続のステップ移動で智花に近付いていく。
「ふっ、はっ、むんっ!」
 左右のジャブの後、一馬は強力なボディブロウを打った。
「ぐうう……!」
 ボディブロウの威力は高く、智花はその場に崩れるように倒れていく。その瞬間を逃すことなく、一馬は自らの体力のバロメーターを削って追撃した。
 崩れ落ちる智花を掴み、肩に抱え込むと背骨を極め、そのまま前方に投げ飛ばした。
 体力差は一気に縮まり、一馬が少しリードしていた。そのまま一気に押し切ろうと、一馬はダウンしている智花へと近付く。
「蓮家閃気掌!」
 力をためて、一気に掌底を突き出す技によって、智花はガードを崩されてダメージを受けた。
「さあ、これで終わりだ!」
 一馬は両手に二本の棒状の武器、カリを持った。
「はあああ……!」
 一馬は初撃で智花の首と腹にカリ挟み込み、それぞれを逆方向にスライドさせ、智花を回しながら宙に打ち上げた。
 そして、無抵抗となった智花に、空中に浮かせたまま怒濤の連続攻撃を決めた。
「必殺、おろち渦!」
「ううわああ……!」
 一馬のクライマックスアーツが決まり、智花は完全にダウンした事により、このラウンドは一馬が決めた。
「まだ終わりじゃないぞ!」
「ううう……」
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 2 作家名:綾田宗